真夏の祭典が開幕。注目のノア・杉浦貴はG1で3度の優勝を誇る天山に敗れ、アウェーの洗礼を浴びた。猛牛の必殺技「アナコンダバイス」を決められ、寝た状態から2度、脱出を試みたが、その度に引きずり倒され、無念のタップ。試合後は無言で引き揚げた。

7月31日に「右膝蜂窩織炎」と診断され、6日まで入院。「最初は2日で退院できるはずだったけど日に日に不安になった」。だが、この日朝、痛みが和らぎ、強行出場した。
(杉浦 無念のタップ…運命のいたずら否定)

蜂窩織炎とは


蜂窩織炎(蜂巣炎、フレグモーネ)は、真皮から皮下組織にかけてみられる急性・びまん性の一般細菌感染症(皮下に広範囲にわたって拡大する)です。なお、病変が浅く主として真皮内にとどまるものを丹毒と呼びます。

表皮の小さな外傷や毛孔、汗孔から主としてブドウ球菌が侵入して発症します。境界不明瞭な紅斑と圧痛、局所熱感を生じ、次いでびまん性浸潤性潮紅となります。外傷や虫刺症に続発することもありますが、原因不明のことも多いです。黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌が検出されることが多いです。

乳幼児ではHaemophilus influenzaeによる顔面の蜂窩織炎が重要です。Streptococcus pneumoniaeによる蜂窩織炎は、糖尿病や免疫不全患者でみられます。グラム陰性桿菌は、創傷感染などから続発的に生じたもので検出される。Acinetobactor calcoaceticus、Staphylococcus epidermidisなどによっても生じえます。

原因菌の侵入門戸は、ヽ綾・皮膚潰瘍・皮膚付属器の化膿性炎症から続発的に、咽頭などの常在菌、1鶻嵒位の化膿性病巣から血行・リンパ行性に生ずるなどの可能性が考えられます。

主として下肢にみられることが多いです。発赤、局所熱感、圧痛が特徴としてあらわれ、ときに全身の発熱、倦怠感を訴えます。腸管壁、縦隔、骨格筋などの深部にも生じる(深在性)こともあります。

蜂窩織炎の診断

蜂窩織炎では、紅斑、局所熱感、腫脹、触圧痛が認められます。重篤な蜂窩織炎では真皮の壊死のために水疱を形成します。リンパ管炎、リンパ節炎がしばしば合併します。

一般検査では多核白血球の増加および核左方移動、CRP上昇などの炎症に伴う検査値異常が生じます。S.pyogenesが原因であればASO、ASKの上昇が2〜3週間後より認められます。膿、滲出液が認められれば細菌培養を行いますが、皮表に破綻のないものでは困難となっています。

通常は、骨髄炎やガス壊疽との鑑別のために単純X線を撮影します。骨の変化やガス像がなければ、蜂窩織炎を考えます。MRIでは皮下に広範囲に広がった浮腫像(T1 low、T2 high)が認められます。

X線像で変化がみられず、広範囲に広がった発赤と腫脹を特色とします。切開排膿や穿刺により細菌が検出されると確実です。

蜂窩織炎の治療

蜂窩織炎の治療としては、以下のようなものがあります。
局所の固定と全身の安静、抗生物質の投与が基本となります。細菌が判明していないときはセファメジン(CEZ)やセフメタゾン(CMZ)を点滴静注します。腫脹が著しく、波動がみられるときは切開排膿を行うこともあります。

まずは、新経口セフェム(CFDN、CDTR-PI、CPDX-PR)やペニシリンとβラクタマーゼ阻害剤(CVA/AMPC、SBTPC)を第一選択とします。全身症状が強い場合には点滴静注(ABPC/SBT、カルバペネム系薬など)を行います。膿、滲出液があればGram染色や細菌培養の結果を参考にして抗菌薬を変更します。

炎症が消退すれば予後は良好です。抗生物質の内服は完全に炎症症状が消退するまで続行します。炎症症状が完全に消退してから日常生活に復帰します。

抗菌薬に対する反応は良好ですが、有効な治療がなされないと筋膜炎、皮下膿瘍、敗血症などの合併症を併発します。新生児、糖尿病患者、免疫不全患者では死に至ることもあり、注意が必要です。

まずは治療と静養を続け、しっかりと体調を整えた上で、ぜひとも元気な姿を再び見せていただければ、と思われます。

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