中学生の頃に統合失調症を発症し、芸人になってもその症状に苦しみ、治療を継続していたというハウス加賀谷さん。彼は、精神科病棟に8ヶ月入院し、その後、長きにわたる通院治療を送ってきたという。

統合失調症に対する入院〜通院治療について、以下のように語られていた。
(松本ハウス再始動懇願記念特別インタビュー)
「病気ですね。心の病気なんですけど、今まで自分からこういう話は発信したことがなかったんですけど、今回は自分から言おうと思って、病名は統合失調症です。日常の生活すら困難になってしまう病気でして、治ることはないんです」

「これはヤバいなって思ったのが中学の頃ですね。『トレマーズ』って映画ご存知ですか? 地面にミミズみたいな怪物が土を盛り上げながら進んでいって人を襲うって映画なんですけど、それと同じことが目の前で起こり始めて」

「もうボコーンボコーンって地面がバウンドして盛り上がってきて、歩くことが出来なくなって、壁伝いにソロソロと歩くしかできなくなっちゃって。『こりゃヤバい、トレマーズから避難しなくちゃいけない』って感じになって」

「それが起こる前も過敏な子どもで、いろいろ感じやすかったんですけど、トレマーズが起きて、表に出れなくなってしまい……。で、病院に連れて行かれて、いろんなお薬を貰ったんですけど、どうやら副作用が自分に合わなかったみたいで、そのまま施設に入ることになるんですよ」

「そこはとあるハウスで心に傷を負った人が共同生活をするグループホームみたいな感じの施設だったんですけど、中学卒業後はそこで暮らしていました」

「売れ始めた頃になると病状もかなり酷くなっていて、処方されたお薬も自分なりにカクテルして飲まないと身体や精神がモタなくなってきたんですよ」


統合失調症について


統合失調症とは、思考・情動・意欲など人格全体に障害が及ぶ精神疾患を指します。妄想、幻覚、思考障害、緊張病症状、奇妙な行動などの陽性症状と、感情鈍麻、無感情、無欲、自閉、快感喪失などの陰性症状を示します。

いくつかの亜型があり、DSM-犬ICD-10では診断基準が設けられ、妄想型、解体型、緊張型、鑑別不能型、残遺型の病型に分けられています。

統合失調症は思春期に発症することが多く、年代・地域・性差を問わず有病率が約0.7〜0.8%とされています。脳の器質的因子が病因に関連していると想定され、さまざまな生物学的研究がなされています。

病因は不明ですが、現在統合失調症の薬物治療に用いられる薬物のほとんどがドパミンD2受容体遮断薬であり、かつ受容体遮断活性と臨床投与量の間には良好な関係があるため、統合失調症の病因には中脳辺縁系や中脳皮質系のドパミンD2受容体の過剰興奮が関係していると推測されています。その中でドパミン過剰仮説などが提唱されて研究されています。

症状としては、特に聴覚領域にみられる幻覚(幻聴)およびこれに対する本人の許容的態度がみられます。また、周囲で起こることに対する、自分に関係づけての奇妙な(多くは被害的な)意味づけ(妄想知覚)などもみられます。

幻覚について記載されている「Schneiderの一級症状」には、次のようなものがあります。
1)思考化声:自分の考えていることがそのまま声になって聞こえてくる。
2)対話性の幻聴:聞こえてくる声と対話が成立する。ただし、これにはもう1つのタイプがあり、自分のことを噂して話し合っている複数の声が聞こえてくる、という型もある。
3)自己の行為をそのつど批評する声
4)身体への被影響体験
5)思考奪取:自分の考えが抜き取られる。
6)感情面や意欲面への被影響体験など
−−これらの特徴をもった症状が現れます。

ほかにも、意志、感情、行動の領域における他者からの直接的な被影響体験、その他自分の精神の働きに、実体のない他者が介入すると体験される自我障害の徴候などがみられます。精神運動性興奮、昏迷、わざとらしい表情、姿勢など(緊張病症状)もみられます。

「1999年の1月13日に、そういった病気を専門にする病院に入院するんですよ。99年の年明けに総裁に『もう無理です、入院させてください』ってお願いして」

「専門病院ではいろんな経験をさせてもらいましたね。ボクが最初に入れられたのは隔離病棟だったんですけど、そのさらに奥に、隔離病棟の中に保護室っていうのがあるんです。そこにまずは入りましたね。」

「入院直後はすぐに出られて大部屋になったんですけど、なんだか幻聴が聞こえてきて。かなり酷い被害妄想ですね。『あいつはオレのことを笑ってる、あいつをなんとかしないとどうにかなってしまう』みたいな幻聴に襲われて、暴れちゃったんですよ」

「保護室に帰りました。できれば軽い病棟に行きたかったんですけどねぇ…。その後、いろいろシュミレーションとかさせていただいて、1日外泊で家に帰ったりとか、いろんなカリキュラムなんかも先生方が考えてくださって、自分的には退院は早いかなと思ってたんですが、専門家の判断なんで信じようと思って退院しました」

「その後は、長居療養生活を送っていました。お薬が合わなくて、副作用に苦しみました。でも、引きこもりから7年目、今から3年前くらいに新薬が出ましてね、そのお薬が効用も副作用も自分に合ってまして、そこから日に日に良くなっていったんですよ」


統合失調症の治療


統合失調症の治療としては、以下のようなものがあります。
通院治療が原則となると考えられますが、自傷他害などのおそれが強く疑われる場合や病気についての認識(病識)が不十分なために、治療アドヒアランスが望めず、病状の悪化が予想されるなどといった場合、入院治療を必要とすることもあります。

統合失調症の薬物療法としては、定型抗精神病薬(上記の第1世代)および非定型抗精神病薬(上記の第2世代)が用いられています。

主に、ドーパミンD2受容体拮抗作用を持つ抗精神病薬(日本では20数種類が使用できます)の投与が、陽性症状(幻聴が聞こえる、妄想にとらわれるといった健常な人には存在しない症状)を中心とした症状の軽減に有効であるとされています。

近年、従来の抗精神病薬よりも、副作用が少なく陰性症状にも有効性が高いなどの特徴をもった非定型抗精神病薬(第2世代)と呼ばれる新しいタイプの薬剤(リスペリドン、ペロスピロン、オランザピン、クエチアピン)が開発され、治療の主流になりつつあります。

具体的な治療法としては、抗精神病薬であるリスペリドン(リスパダール)、オランザピン(ジプレキサ)、塩酸ペロスピロン水和物(ルーラン)などが用いられます。効果が不十分な場合は、副作用に注意しながら至適用量まで増量していきます。

ただ、錐体外路性副作用(パーキンソン症候群、アカシジアなど)が出現した場合は、抗パーキンソン薬を追加投与するか、錐体外路性副作用の出現率が低いフマル酸クエチアピン(セロクエル)などに置換します。

不眠、不安・焦燥が強い場合は、ベンゾジアゼピン系睡眠導入薬や抗不安薬などを併用します。
「人生、生きてる間は迷宮の中です。ただ、同じ迷宮なら暗いより明るい方がいい、寒いより温かい方がいい、それは絶対に間違ってないんです。だから諦めちゃいけない。ボクは10年という長い間、深くて暗い迷宮でもがき苦しんでいましたけど、諦めることは絶対にしなかった。時々負けそうになったけど、諦めなかった。人生は謳歌するものだと信じて闘ってきました。諦めたらそこで終わりです」

統合失調症は、完治は難しく、生涯にわたって服薬治療を継続していくことが必要となると考えられます。ですが、是非とも人生を悲観せず、病気とともに歩みながら人生を楽しみ、謳歌していただければ、と願っております。

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