元「モーニング娘。」の保田圭は、扁桃腺を摘出し1週間入院していたと2009年9月20日のブログで明かした。

デビュー当時から慢性扁桃炎で、年に何回も40℃近い熱が出て困っていた。次の舞台まで時間があるので、手術で摘出してもらったそうだ。扁桃腺はかなり肥大しており、まだ喉に大きな穴が2つあいている。「不思議な感じ」で、痛みもかなりある。

「大好きなポテチやお肉ビールはもちろんしばらく禁止なのです。あぁ〜ポテチが恋しいよぉ」
当分はおかゆ生活が続きそうだ。
(保田圭、扁桃腺を摘出し入院していた)

慢性扁桃炎とは


扁桃は、そもそもアーモンドの種子の形に似ているため、アーモンドの別称である「扁桃」と命名されました。口蓋弓の中間にある陥没に位置する口蓋扁桃と舌根にある舌扁桃、咽頭円蓋にある咽頭扁桃はまとめてワルダイエルの咽頭輪と呼ばれます。

慢性扁桃炎は、急性炎症の反復を原因とする慢性化した口蓋扁桃の炎症を指します。喫煙、塵埃といった持続する物理・化学的刺激、慢性副鼻腔炎なども誘因となります。

ふだんの症状はないかあっても軽度で、咽頭不快感、異常感、微熱などがみられ、急性炎症を反復します。所見としては、扁桃の表面は肥厚し凹凸が著しく、前口蓋弓から軟口蓋にかけて発赤がみられます。腺窩内に膿栓をしばしば認め、圧迫すると膿汁が流出します。

急性炎症を起こすと、悪寒戦慄を伴う高熱を発し、咽頭痛、嚥下痛を伴うことがあります。食事摂取が困難となり、全身倦怠感、頭痛、関節痛、頸部痛も伴います。耳への放散痛もみられることはあります。

急性扁桃炎であっても、合併症を起こさなければ約1週間で軽快します。ただ、原因としてはウイルス性(ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルスなどがあげられる)の扁桃炎が最も多いです。

慢性扁桃腺炎の治療について


慢性扁桃腺炎の治療としては、以下のようなものがあります。
ウィルス性の扁桃炎には特効薬はなく、補液、栄養管理、消炎鎮痛といった対症療法がとられますが、細菌感染の併発が多いので抗生物質投与は必要となります。この場合の投与日数は5〜7日間程度です。EBウイルス感染が疑われるときには、ペニシリン系は皮疹を誘発するので避けます。

また、現在の扁桃炎の反復に対しての扁桃摘出術の適応は論議のあるところですが、幼児期の扁桃炎による熱性痙攣誘発については絶対的適応とし、習慣性扁桃炎(年に4〜5回以上程度)、扁桃周囲膿瘍反復は相対的適応とみなされています。
 
習慣性扁桃炎の扁桃炎罹患回数からの定義はなされていませんが、おおよそと了解されています。扁桃摘出をするとその後の発熱、咽頭痛の発作は激減してきます。しかし、長期経過をみると、小児では扁桃摘出にかかわらず、2年すると発熱・咽頭痛発作の罹患頻度は同じになります。ただし、9歳以降になっても反復する例、特に成人例では自然軽快はまずありません。

したがって、思春期以後の習慣性扁桃炎は摘出術の適応となり、保田さんも摘出なさったようです。しばらくの間はゆっくりと静養なさって頂ければ、と思われます。

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