京都のMF佐藤勇が長期離脱する可能性が出てきた。佐藤勇は19日の磐田戦で下顎(がく)骨骨折の重傷を負い20日に京都市内の病院で手術した。全治約3週間と発表されたが、現在は入院中で固形物をとることができずに流動食で栄養を補給している。

21日に見舞い、佐藤勇と筆談で会話した加藤監督は復帰について「本人は(10月18日の)千葉戦に出たいと言ってるけど、そんなに簡単じゃない」と復帰は10月下旬以降にずれ込むとの見方を示した。
(会話できない…佐藤勇あご骨折で長期離脱も)

下顎骨骨折とは


顔面骨は、11種18個の骨で構成されています。臨床的には上1/3、中1/3、下1/3に区別されます。顔面骨骨折の7割強は、交通外傷によるといわれています。顔面骨骨折において、最も頻繁にみられるのは鼻骨骨折で、次いで眼窩吹き抜け骨折であるといわれています。

下顎骨とは、下顎の本体をなすU字形の骨です。前方部は下顎体、後方部は立ち上がって下顎枝となります。下顎体の上面には歯列を収めるための歯槽があり、下顎枝の後上端部の下顎頭は、側頭骨の関節窩との間に顎関節を作ります。

下顎骨骨折は、直達力または介達力によって起こります。骨折の部位別頻度は関節突起(37%)が最も多く、オトガイ(頤)部(24%)、体部(21%)、角部(12%)、下顎枝(3%)、筋突起(2%)の順となっています。

症状としては、
1)顔面下1/3の変形
2)顎運動の障害
3)咬合の不正
4)知覚異常
5)疼痛、轢音

などがあります。

診断は、一般には下顎の変形、開口障害、咬合不全、痛みなどから診断がつきますが、X線撮影で頭蓋骨正面・側面、Waters法、パノラマ撮影、断層撮影などを行います。

下顎骨骨折の治療


治療としては、以下のようなものがあります。
治療目標としては、咀嚼に有用な咬合の回復が重要となります。つまり、食事やかみ合わせの問題が下顎骨骨折では大きいわけです。

手術としては、上下顎間歯牙結紮固定法、Kirschner鋼線固定法、プレート固定法、創外固定法などが行われます。

しばらくは物を食べられず、流動食の生活となってしまうかとは思われますが、しっかりと静養なさって、復帰していただければ、と思われます。

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