ヨルカ×ヨルタに以下のような相談(2〜3日で月経が終わってしまうんです。【ヨルコヨルタ】)が寄せられていました。
私は、月経がとても軽いようで、2日〜3日くらいで終わってしまいます。月によっては1日で終わってしまうことも。いつからそうなったかは、覚えていません。 気づけばそうなっていました。特に体調が悪いとかどこかが痛いなどの症状もないので、そのままでいたのですが、何か病気のサインだったりしますか?(27歳女性)

この相談に対して、産婦人科医の須藤なおみ先生は以下のようにお答えになっています。
月経量が少なめでも、ちゃんと排卵していればあまり問題はありませんよ。ただ、少量の出血が1〜2日で終わってしまう時は、排卵せずに月経が来てる可能性が高いので要注意。自覚症状が特になくても、卵巣の働きが悪くなってきてるサインかもしれないから、ちゃんと確認した方がいいでしょう。

排卵の有無をチェックするには、まず基礎体温をつけること。 2〜3ヶ月つけてみて、ちゃんと低温気と高温期に分かれていれば心配ありません。逆に、ずっと低温期が続いているようなら早めに婦人科に行った方がベター。無排卵の状態を放置していると将来妊娠しにくくなってしまうこともありますからね。

正常月経の持続日数は3〜7日ですが、2日以内と異常に月経持続日数が短いものを過短月経いいます。このような女性では経血量も少ない過少月経のことが多いです。子宮発育不全や無排卵症、黄体機能不全を合併することが多いです。

排卵障害とは、排卵がみられない状態を指します。無月経のうち、子宮性無月経以外はすべて無排卵となります。また、月経は周期的あるいは不規則に発来していても無排卵のことがあります。

無排卵では、月経は周期的といっても3週間程度の短い周期となり、これは無排卵周期症といわれています。

また、排卵障害の特殊型として排卵はあっても妊娠に結びつきにくい不完全な排卵があります。これは黄体機能不全とよばれており、排卵に先行する卵胞内での卵子の成熟過程に軽度の障害があると考えられています。

無月経の病態診断には、内分泌検査が必要となります。卵巣自体に病変があれば血中ゴナドトロピン値は上昇しエストラジオール値は閉経女性レベルとなります。

Kallmann症候群、神経性食欲不振症などの視床下部の障害、下垂体の障害ではゴナドトロピンは低値をとり、GnRHを負荷してもゴナドトロピンの分泌をみません。これらの疾患ではエストラジオールも著しく低値となります。

これ以外の視床下部性無月経では、ゴナドトロピンレベルはほぼ正常に保たれており、GnRH負荷試験でその血中濃度は増加します。また、エストラジオール値は低下またはほぼ正常範囲に保たれています。

高プロラクチン血症では、血中プロラクチン値が15ng/mL以上となりますが、無月経の直接的原因となるのは30〜50ng/mLを超えていることが多いです。

多嚢胞性卵巣症候群ではLH値は軽度上昇しており、GnRH負荷試験に対し、LHの過剰な反応性増加をみます。他方、FSH値は正常または正常下限であり、GnRHへの反応性は正常となります。また、血中エストラジオール値は正常です。多嚢胞性卵巣症候群に特有の所見として、超音波検査で両側の卵巣が多嚢胞状に腫大していることであります。

こうした無排卵以外に、以下のようなことが考えられます。
また、ホルモンバランスが悪くて、子宮の中にたまった内膜がちゃんとはがれて出てきていない場合も、しっかりした出血が来なかったりします。 こういったケースだと、子宮体癌になるリスクが高くなるのでちゃんとホルモン剤で治療しないと危険です。

ピルを3〜6ヶ月飲むことで卵巣の働きや排卵のリズムが改善することもあるので、早めに婦人科で相談してみることをお勧めしますね。

月経の出血量が異常に少ないものを、過少月経といいます。正常月経の経血量は20〜140mLですが、20mL以下のものをいいます。

臨床的には、患者さんの訴えで判断されるのでそれほど厳密ではないですが、一般に、月経持続日数が3日以内のものは過少月経と判断されます。

治療としては、卵巣性無月経では卵巣機能の回復は望みがたく、欠落しているエストロゲンの補充療法を行います。排卵誘発が可能であり、妊娠は十分期待できます。挙児の希望がなければ、卵巣機能の低下度に応じてホルモンの補充を行います。

多嚢胞性卵巣症候群に代表されるエストロゲン分泌はほぼ保たれていますが、排卵を欠く病態には、子宮内膜過形成、子宮内膜癌の発生リスクが高まるので、それに対して子宮内膜の保護が必要となります。

視床下部性無月経のうち過度のダイエット、ストレス、肥満などによるもの、薬剤性の高プロラクチン血症などは適切なアドバイスで原因が除去されれば月経が正常化することが多いです。

まずは、月経異常に関する検査を行い、その上で治療を検討することなどが勧められると思われます。

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