日本テレビ系の演芸番組「笑点」の司会者として親しまれた落語家・三遊亭円楽さんが、29日午前8時15分、都内で肺がんのため死去した。76歳。05年に脳梗塞(こうそく)を患い、その後胃がんや肺がんを手術するなど晩年は病気との闘いの連続だった。葬儀は近親者のみで行い、後日お別れの会を開く予定。喪主は妻和子さん。

最もお茶の間に親しまれた円楽さんが亡くなった。晩年は病気との闘い。腎臓を悪くし人工透析が欠かせず、2005年には脳梗塞で入院。07年10月に胃がん、昨年4月には肺がん手術を受けていた。同年12月にはいったん完治したと診断されたが、今年5月に再発。9月に入院し肺の水を抜くなどの処置を行ったが、その3日後にはまたも脳梗塞を起こし、右半身が不自由になっていたという。

今月23日に退院したが、家族と最後の時を過ごすための“覚悟の退院"だったようだ。円楽さんは東京都中野区の長男・吉河寛家氏(44)の自宅に身を寄せ、25日にはNHKの大河ドラマ「天地人」を見るなど穏やかに過ごしていた。ただ、孫娘から「ディズニーシーに連れて行って」とせがまれても返答することはなく、自らの死期を悟っていたようでもあったという。

28日になって38度の発熱があり、家族が医師に相談。翌29日の午前7時半に医師が訪れたが、そのわずか45分後の午前8時15分に円楽さんは息を引き取った。長男によると、最後は夫人、長男の家族4人らが見守る中、呼吸がだんだん薄れていくように穏やかに亡くなったという。
(「笑点」元司会者・三遊亭円楽さん逝く)

肺癌とは


肺癌とは、気管支および肺実質から発生した上皮性悪性腫瘍で、一般にその生物学的特徴から、小細胞癌と非小細胞癌に分けられます。非小細胞癌とは、主に腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌からなります。

肺癌は非小細胞癌(腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌)が約85%、小細胞癌が15%を占めます。病因は喫煙による影響が最も強く、発症危険率は喫煙本数と比例するといわれています。喫煙指数(1日に吸う本数 × 年数)が800を超えると肺癌の危険が高くなるといわれています。

肺癌の場所による分類としては、区域気管支より中枢側に発生したものを中枢型、末梢側に発生したものを末梢型といいます。中枢型には扁平上皮癌と小細胞癌が目立ち、男性例が多く、喫煙との関連が高いです。一方、末梢型では腺癌が目立ち、女性が比較的多く、喫煙との関連は低いといわれています。

小細胞癌は、原発性肺癌の15%を占め、きわめて悪性度が高く、発見時にすでに遠隔臓器への転移や肺門縦隔リンパ節転移をみることが多いといわれています。

小細胞肺癌は、重喫煙者で男性に多いです。多くは肺門型(縦隔のある中心部付近に発生しやすいです。ちなみに肺門とは、左右の肺の内側面中央にある部分で、第5から第7胸椎の高さに相当する)で、区域枝から亜区域枝の上皮の基底膜近辺に発生し、気管支粘膜下を長軸方向に浸潤増殖するという特徴があります。

非小細胞肺癌の腺癌は、肺癌全体の約40%を占め、最も頻度の高い組織型です。女性肺癌の80%は腺癌であり、非喫煙者が多いです。ほとんどの症例で気管支肺胞系の末梢に発生し、孤立結節型の増殖を示し、画像上、結節影を形成します。

腫瘍細胞は、肺胞細胞を置換して隣接する肺胞、小葉へと進展します。腺癌の特殊型である細気管支肺胞型は円柱状の腫瘍細胞が肺胞壁に沿って増殖し、新たな腫瘍間質の形成がみられず、臨床的には多量の喀痰を伴い、しばしば肺炎や間質性肺炎と誤診されることもあります。

扁平上皮癌は、腺癌に次いで発生頻度の高い癌で約35%を占めます。多くは重喫煙者で男性に多いです。発症部位は肺門部の主気管支や葉気管支に多く、気管支上皮を癌組織で置換しながら進展し、気管支内腔の狭窄や閉塞をきたします。腫瘍の中心部は壊死を起こしやすく、空洞を形成することも多いです。

肺癌の治療とは


肺癌の治療としては、以下のようなものがあります。
肺癌の治療法としては、主に3種類のものがあります。外科療法、放射線療法、抗癌剤による化学療法です。治療法の選択は、癌組織型、進展度(staging)、performance status(一般全身状態)、肺肝腎などの主要臓器機能、合併症の有無、により左右されます。

小細胞肺癌は、早期に転移をみることが多く、放射線治療の観点から一照射野か否かの基準として、「限局型」(limited disease; LD)、「進展型」(extensive disease; ED)の分類が用いられることが多いです。化学療法と放射線療法が基本となります。

非小細胞癌の場合、I期〜IIIa期の一部が対象となりますが、化学療法の併用が必須とされ、通常3〜4コースの併用化学療法が行われます。手術成績は、?期での5年生存率60〜70%、?期30〜40%です。しかし、心臓や肺の機能障害がある場合は手術ができないこともあります。

放射線療法は、小細胞肺癌の場合、全身状態がよく、70歳以下で、限局型が対象であり、抗癌剤(シスプラチン CDDP+エトポシド VP-16など)との同時併用治療が行われます。放射線治療の総線量は50〜55Gyであり、成績として、中間生存期間が14〜18ヶ月、2年生存率30〜40%、5年以上生存率は15〜20%となっています。

非小細胞癌の場合、手術できないI期からIIIa期、胸水を認めないIIIb期が対象となります。肺癌の場合、通常は身体の外から患部である肺やリンパ節に放射線を照射します。一般的に1日1回週5回照射し、5〜6週間の治療期間が必要です。最近では、1日2回週10回、あるいは1日3回週15〜21回照射する多分割照射も試みられています。

その他、化学療法も行われます。抗癌剤治療は、小細胞肺癌では有効であり、多くの場合癌は縮小し、消失することもあります。ですが、小細胞肺癌は早くみつかっても既にほかの臓器へ転移していることが多く、治療がよく効いた後も再発する場合も多いです。

非小細胞肺癌では、現時点では第IV期を対象とした抗癌剤併用療法成績からは、平均生存期間8〜10ヶ月、奏効率30%、1年生存率30〜40%の成績であり、どのような組み合わせをしてもほとんど差が認められない状態です。

非小細胞癌に対して用いられる主な抗癌剤は、シスプラチン(ランダ)、カルボプラチン(パラプラチン)、パクリタキセル(タキソール)、エトポシド(ラステット)ドセタキセル、ゲムシタビン、ゲフィチニブ(イレッサ:内服)などであります。これらの抗癌剤は1種類で用いる場合もあるが(単剤療法)、2種類以上の抗癌剤を組み合わせて用いる場合が多いです(併用療法)。

まずはシスプラチン(ランダ)、カルボプラチン(パラプラチン)などの白金製剤ともう一種(タキソールなど)を組み合わせて用いることが多いです。効果がみられれば継続、みられなければ別種の抗癌剤へと変更します。

笑点でお姿を見られなくなった日から、かなりの年月が経っていました。あの柔和な笑顔が思い出され、ふと、寂しくなりました。ご冥福をお祈りしたいと思われます。

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