女優の西田ひかる(37)は、先月30日に第2子となる男児を出産。西田は貿易会社に勤務する夫の赴任先、米カリフォルニアの病院で現地時間10月30日午前2時37分に、4235グラムのビッグベビーを出産。

「長男(3歳、3885グラム)以上に大きい男の子でびっくり。2人になって、また新しい体験ですが、楽しく育てていきたい」と喜びを噛みしめた。
(西田ひかる、ビッグベビー出産「びっくり」)

巨大児とは


巨大児とは、在胎週数を問わず、奇形などの肉眼的異常のない出生体重4,000g以上の児を指します。ICD-10では4,500g以上の児についてのみ超巨大児(exceptionally large infant)と定義しています。

男児にやや多い。その分娩は難産が多く、吸引・鉗子分娩や帝王切開の頻度が高く、児の分娩外傷や仮死、母体の産道裂傷や出血量増加を起こしやすいです。

肥満妊婦や妊娠中の過体重増のときに多いです(母の30%以上に耐糖能異常があり、児は出生後低血糖を起こしやすい)。巨大児出産既往歴や家族歴、過期産と関連性が強いといわれています。

BMI(Body Mass Index)が妊娠初期で24、中期で26、末期で28を超える場合は肥満妊婦とみなされ、巨大児の発生に注意が必要となります。

巨大児の問題点


巨大児の場合、肩甲難産が起こることがあります。児頭が娩出した後、肩甲娩出に際し特に何らかの手技を要するものを肩甲難産と診断します。巨大児のリスクファクターとしては、糖尿病:Diabetes,肥満:Obesity,過期妊娠:Postterm,母児体重増加過多:Excessive fetal or maternal weight(まとめて“DOPE”)が知られています。

分娩進行中に自然経腟分娩が困難であることが判明した場合、器械分娩や帝王切開の態勢、遷延分娩や肩甲難産の結果生じうる母児双方の異常への対処ができる施設にて出産することが望まれます。

巨大児である場合、遷延分娩や肩甲難産の結果、母体では広範囲の軟産道裂傷や血腫、あるいは子宮収縮不全により産後出血量増大の危険があります。

出生児は仮死、分娩障害(上肢神経麻痺、鎖骨や上腕骨骨折)、低血糖、低Ca血症、高ビリルビン血症などの異常をきたす頻度が高くなりえます。

必要となる検査・処置


必要となる検査・処置としては、以下のようなものがあります。
超音波計測による児体重推定式は10〜15%程度の誤差を伴うため、予想体重が3,500〜3,600gを超えるときは巨大児の可能性があると考えます。また、超音波計測上、胎児腹部の発育過多の指標として、
1)妊娠32、36および40週のHC/AC比がそれぞれ0.95、0.90、0.85を下回る
2)妊娠21週以降のFL/AC比が21.0%未満

などの数値が提唱されています。また、子宮底長計測は35cmを超えるときは巨大児の可能性があります。

また、母体の耐糖能評価も重要です。妊娠糖尿病を見落とさないために,随時血糖測定などの方法で全妊婦を対象に糖代謝機能異常のスクリーニングを行うことが望ましいです。

耐糖能異常妊婦に対する食事療法やインスリン療法による管理は、その開始が遅いと巨大児発生を予防し得ないため、母体耐糖能評価は妊娠24週前後までに行うべきとされています。

既に巨大児が疑われる症例においても、分娩様式決定や新生児合併症予測の一助とするために、75gOGTTなどによる母体耐糖能評価が必要です。

巨大児の疑われる症例では、CPDや回旋異常のほか、母体糖尿病合併や肥満、または続発性微弱陣痛による分娩第一期遷延などの条件を考慮して、帝王切開術適応を決定します。また、出産後の新生児の上記のような合併症に関する対処も必要となります。

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