日本ハムは10日、ダルビッシュ有投手(23)が右手人さし指中節骨を疲労骨折していたと発表した。9日に札幌市内の病院で精密検査を受け、診断された。骨折は微小で来季への影響もないが、1日の日本シリーズ第2戦では、巨人打線を相手に6回2失点で勝利したばかりだけに、衝撃的な事実が発覚した。

ダルビッシュは、日本シリーズへ向け10月28日に札幌ドームでブルペン投球をした際に、人さし指の途中の二つの関節の間にある中節骨に、多少の痛みを感じるようになった。42日ぶりの実戦登板となった1日の日本シリーズ第2戦では、シーズン中からの左臀部に加え指の痛みと闘いながら、巨人・亀井の2ランのみに抑えた。

球団関係者によると、登板後、さらに痛みが増したという。試合では左臀部への負担を軽減するため、左足を踏み出す歩幅を狭くした。この投球フォームで球威を補うには、通常より腕や指の力でカバーする必要があり、余計に指への負担が掛かったものと見られる。

驚くべきことに、ダルビッシュは周囲には一切、痛みを漏らしていなかった。同僚、梨田監督、吉井投手コーチはもちろん、ほぼ付きっきりで指導や治療を担当した中垣チーフトレーナーにさえも知らせなかった。
(ダル骨折していた…G斬り時は既に痛み)

中節骨骨折とは


親指を除く指の骨は、手関節側から基節骨、中節骨、末節骨といいます。中節骨は、手および足の第2〜第5指の指骨のうち、中間にある骨を指します。基節骨との間でPIP関節、末節骨との間でDIP関節をつくります。

中節骨の骨折では、頸部の骨折は骨頭が回転転位をするため整復を必要とすることが多いです。骨幹部骨折は、浅指屈筋腱付着部の遠位あるいは近位かで、それぞれ掌側あるいは、背側凸の変形を示します。

球技スポーツにおける突き指外傷により、PIP関節が過伸展され、掌側板が中節骨基部付着部を引き剥がした骨折もあり、これを「指PIP関節掌側板性剥離骨折」と言います。これは、不顕性骨折の形をとることがあり、特に10歳代の成長期の骨は橈屈性があるため、骨折後全く元の位置に戻ってしまって不顕性となります。

指PIP関節掌側板性剥離骨折では、PIP関節掌側に皮下出血を伴う腫脹、圧痛を認め、PIP関節を過伸展すると疼痛が強いことが特徴です。

中節骨骨折の治療


中節骨骨折の治療としては、以下のようなものがあります。
整復固定位が保持できれば、ギプス治療も可能ですが、慎重なX線コントロールが必要となります。基部の骨折は近位指節間関節の脱臼を伴うことが多いので、手術治療を必要とする場合が多いです。

指PIP関節掌側板性剥離骨折では、アルミ・シーネ固定2〜3週の後、自動運動を開始するといったことがおこなわれます。

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