2001年に凍結しておいた受精卵で2人目を妊娠していると今年8月に発表したセリーヌ・ディオンが、現在、お腹に赤ちゃんはいないと家族関係者がインタビューで語った。

WENNによると、「セリーヌとレネ(アンジェリル)は赤ちゃんを作ろうとがんばっていますが、現在は妊娠していません」と家族関係者がイン・タッチ誌に語ったという。セリーヌの妊娠はスポークスマンによって正式に発表されたものだったが、今回の報道に対してはコメントを出していない。セリーヌは体外受精で2001年に息子のレネ・チャールズくんを出産している。

セリーヌの夫レネもジャーナル・ド・モントリオール紙に、妻が妊娠していないことを語っている。それによると、受精卵が着床したと思っていたが、残念ながら成功しなかったとコメント。「数日後にダメだったことを知り、二人ともとてもショックを受けました」と語り、現在も体外受精での妊娠を試みていると言っている。
(流産?2人目を妊娠したと発表したセリーヌ・ディオン、現在は妊娠していないと家族が明かす)

体外受精とは


体外受精(IVF;In Vitro Fertilization)とは、不妊治療の一つで、通常は体内で行われる受精を体の外で行う方法です。受精し、分裂した卵(胚)を子宮内に移植することを含めて体外受精・胚移植(IVF-ET)といいます。

一方、人工授精とは、排卵日に合わせて女性の体内に精子を注入する治療です。精漿成分や病原体の除去や、運動良好精子の濃縮を行い注入することになります。

体外受精の流れ


体外受精の流れとしては、卵子を採取し(採卵)、体外で精子と受精させ(媒精、顕微授精)、培養した胚を子宮腔に戻します(胚移植)。

具体的には、まず複数の成熟卵子を採取するため、内因性ゴナドトロピンをGnRHアゴニストで抑制しつつFSH/hMG製剤にて卵胞発育を促します(スプレキュア点鼻液や、リュープリンなど)。主席卵胞径が18mmに達したら、FSH/hMG製剤を終了し、LHサージの代用となるhCG製剤を投与して卵成熟を促します。

hCG投与の34〜36時間後に、採卵を行います。局所麻酔または静脈麻酔のもと経腟超音波ガイド下に卵胞を穿刺し、卵胞液とともに卵子を吸引します。

卵子を2〜4時間培養した後、最終運動精子濃度が10万/mL程度になるよう精子浮遊液を加えて媒精します。顕微授精では、第2減数分裂中期に達した成熟卵に対してICSI(卵細胞質内精子注入法)を行います。

ICSI(卵細胞質内精子注入法)とは、精子を不動化し、細いガラス管に捕らえてホールディングピペットで把持した卵の細胞質内に1個の精子を注入する方法です。他の顕微授精法に比較し、この方法は受精を得る確率が高く、広く用いられるようなっています。

さらに、以下のように続きます。
2前核期胚(前核が2個見えれば、正常に受精した状態とされる)を受精後3日間は初期胚培養液で、4日目以降は後期胚培養液で培養します。初期胚培養液は高乳酸、低−無グルコースで非必須アミノ酸が添加され、後期胚培養液は高グルコースで必須アミノ酸と非必須アミノ酸を含みます。

胚盤胞の孵化が始まる6日目以降の胚移植では妊娠率が低下するので、現在では臨床的に培養期間は5日間が限度であるといわれています。

次に、胚移植を行います。カテーテルに形態良好胚を入れ、経頸管的に子宮腔に注入します。移植胚数は原則的に1個とされています(多胎妊娠を防止するため)。移植後にhCG製剤かプロゲステロン製剤を投与します。

胚移植後、着床が起こります。着床とは、受精卵から初期発生を経て形成された胞胚が、子宮に達してから子宮内膜に触れ、そこへ侵入し結合するまでの過程を指します。

受精後6〜7日目に着床します。受精卵が子宮内膜(分泌期の子宮内膜)に触れると、肺胞の表面は多核の合胞体栄養細胞とそれを裏打ちする細胞栄養層(栄養細胞層)の2層に分化します。

合胞体栄養細胞は子宮内膜上皮を貫通して内膜間質へ侵入し、浸潤を起こし次第に内膜内に埋没していきます。その後、受精後約12日で着床が完了します。

上記の例では、着床しなかったようです。体外受精で不妊治療をおこなっている方は多いようです。妊娠しなかったときの精神的・肉体的なケアをしっかり行っていただければ、と思われます。

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