俳優で歌手の中村雅俊(58)が5日、全国ツアー「Now&Forever」の最終公演を東京・中野サンプラザで行った。

ステージ序盤、客席を埋めた約2200人の“おとなしめ"な反応に「みんな、ちょっと固いんじゃないの? もっとリラックスして、手拍子とかしてもいいんですよ」と呼びかけると同時に、。「最近、厚着もしないのによく汗をかくので、更年期障害のような気がしています」などと冗談を連発してファンの心を和ませた中村。
(中村雅俊最終公演で23曲2200人酔わせた)

男性更年期とは


更年期障害とは、更年期(閉経の前後約5年)に現れる多種多様の症候群で、器質的変化に相応しない自律神経失調症を中心とした不定愁訴を主訴とする症候群を指します。

症状としては、熱感、のぼせ、心悸亢進、発汗、不眠などを中心とした自律神経失調症状と、不安感、抑うつ、恐怖感、疲労感などの精神神経症状の2つに大別されます。

原因としては、性腺機能の変化が視床下部の神経活動に変化をもたらし、神経性・代謝性のさまざまな生体変化を引き起こすことによると考えられています。一方で、更年期では、心理的・社会的にも不安定な時期であるため、その発現には社会的・心因的要因も大いに関与するといわれています。

更年期といえば、女性だけのものかと思われるかも知れませんが、男性にも更年期障害は存在します。男性更年期障害(PADAM:Partial Androgen Deficiency in Aging Male)と呼ばれます。

男性において、中年期から初老期にかけて男性ホルモン分泌低下などの内分泌環境の変化に伴う種々の不定愁訴を訴える時期がみられることがあります。しかし、女性の閉経のように明確な徴候はなく、症状も多様であり、年齢も個人的ばらつきが大きいという特徴があります。

加齢に伴うアンドロゲンの低下による諸症状が生じてくると言われており、女性の更年期障害とも症状が似ているそうです。漫画家のはらたいらさんが、PADAMであることを告白したことがあります。

臨床症状としては、疲労感、集中力低下、体力(筋力)低下、抑うつ、意欲の低下、性欲低下、勃起障害、自律神経失調症など、多彩です。

男性更年期の治療


治療としては、以下のようなものがあります。
治療法としては、男性更年期障害は男性ホルモン(テストステロン)の減少が引き金になっていると考えられているので、その補充を行います。カウンセリングを行うとともに、男性ホルモンの低下症例にはホルモン補充を行います。ホルモン補充に関しては、前立腺癌では癌の増殖を促してしまうため、あらかじめ確認する必要があります。また、お酒やタバコを控え、運動をする習慣を持つことも重要です。

国内で認可されている男性ホルモン薬は、注射薬のエナント酸テストステロンがあります。125〜250mgを2〜4週に1回筋注します。副作用として多血症が挙げられていますので、採血し、男性ホルモンと一緒に血色素濃度を測定する必要があります。

ただ、男性ホルモンは前立腺癌を悪化させたりする恐れがありますので、こうした病気がない人が治療の対象となります。

男性においても、更年期障害は起こりうるものであり、こうした症状がみられることはあります。治療を行うことで、緩和することも可能であるとも考えられ、泌尿器科受診をされるとよろしいかもしれません。

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