「もしかして病気かも…!?」そう思った時、病院に行く前に症状や思い当たる病名でネット検索をする人も多いのでは? そこで2009年「gooヘルスケア」内で検索された数々の病名をまとめたところ、《インフルエンザ》が1位という結果になりました。いまだ流行に衰えの見られない「新型インフルエンザ」の情報を集めるためネット検索をした人は、やはり多かったようです。

感染力は強い一方で重症化するケースは少ないと言われている新型《インフルエンザ》ですが、妊婦や乳幼児、特定の持病を持った人は症状の重くなるリスクが高いそうなので注意が必要。どこにとんでいるかわからないウイルスは確かに怖いですが、《インフルエンザ》はウイルスが手に付着しただけで感染することはなく、ウイルスが付着した手で口や鼻、目などの粘膜を触れることで感染するのだそう。そのため、丁寧かつこまめな手洗いとうがい、人ごみに出かけないなどの基本的な予防策はやはり有効です。

2位の《ヘルペス》は、昨年の同ランキングで1位だった病名。ウイルス性の皮膚疾患である《ヘルペス》は、口元や口腔内、体などに発疹や水ぶくれなどが出るのが一般的な症状です。過労や精神的ストレスなどで症状が出ることも多いため、大人でも悩んでいる人の多い病気です。昨年は20位以降だった《卵巣腫瘍》や《子宮筋腫》など、女性特有の病気も今年は10位以内に多数ランク・インしました。

ネット上で同じ病気に悩む人の記事を読んだり、病気の原因や症状について書かれたサイトを見たりすることは、病気への理解を深める第一歩。一方で玉石混淆の情報がまだまだ多いネット上の情報をやみくもに信頼することは、リスクも伴います。病気の気配を感じたら、やはり一度は医療機関で医師に診てもらいましょう。
(今年もっとも検索された病名ワードランキング)

インフルエンザ


インフルエンザとは、A型(香港型H3N2・ソ連型H1N1)およびB型インフルエンザウイルスの感染による急性呼吸器感染症です(C型は小児期に感染し、呼吸器感染症の原因となる。ただし、明確な流行の形をとらない)。

1〜2日の潜伏期の後、突然の発熱(>38℃)、頭痛、全身の筋・関節痛などで発症し、鼻汁・鼻閉や咽頭痛、咳嗽などの呼吸器症状を呈します。

通常は、約1週間の経過で自然に軽快しますが、高齢者や慢性肺疾患などの基礎疾患をもつ患者では肺炎球菌やインフルエンザ桿菌などによる二次性の細菌性肺炎を、小児では中耳炎を合併する場合があります。乳幼児における急性脳症は予後不良(死亡率15〜30%)といわれています。

A、B型では、粒子表面に赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)が存在します。A型インフルエンザウイルスにはHA(赤血球凝集素)とNA(ノイラミニダーゼ)の変異が特に多く、年によって流行するウイルスの型はかなり異なります。そのため、A型は世界的に大流行が起こる可能性が高いと言われています。

インフルエンザの臨床経過としては、潜伏期 1〜2日後に悪寒、発熱、頭痛、腰痛、倦怠感など全身症状が突然発現し、呼吸器症状は若干遅れます。39〜40℃の発熱が 3〜5日持続し、急速に解熱しますが、倦怠感などが残ります。筋肉痛や関節痛、悪心・嘔吐、下痢、腹痛もあり、下気道への進展例は咳、痰、胸痛などが生じます。

身体診察としては、顔面紅潮、結膜充血、鼻咽頭粘膜発赤・腫脹、咽頭後壁リンパ濾胞腫大がみられます。通常は打聴診に異常はないですが、気道の細菌二次感染例では胸部ラ音が聴取されます。

検査所見としては、血液検査では白血球数やCRPは上昇しないことが多く、白血球数はむしろ減少傾向し、細菌二次感染例では増加します。

診断には抗原検出迅速診断キットがきわめて高感度で有用であるといわれています。ただ、偽陰性の場合もあるため、流行時期における特徴的な症状などから臨床的診断を行うこともあります。

ヘルペスとは


ヘルペスとは、以下のようなものがあります。
ヒトを自然宿主とするヘルペスウイルスには、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、同2型(HSV-2)、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)、EBウイルス(EBV)、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)、同7型(HHV-7)、同8型(HHV-8)の8種類が現在知られています。

単純ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルス1型、2型の初感染または潜伏ウイルスの再発によるヘルペス(疱疹)です。疱疹とは小水疱が多発した状態を意味し、始めは浮腫性紅斑、次いで紅斑上に小水疱が集簇し、膿疱、びらん、痂皮を形成して1〜2週間で治癒します。

1型は口唇ヘルペスや角膜ヘルペスの原因ウイルスであり、2型は性器ヘルペスを起こすとされますが、日本では1型による性器ヘルペスも多いです。ウイルスは初感染後、三叉神経節(1型)や仙骨神経節(2型)に潜伏感染し、免疫成立後も終生存続し、折に触れて再活性化されウイルス排出や回帰発症を繰り返します。

水痘罹患後、その原因となる水痘・帯状疱疹ウィルス(varicella-zoster virus; VZV)が知覚神経節内(三叉神経節、脊髄神経節)に潜伏します。この水痘・帯状疱疹ウィルスが再活性化し、その知覚神経分布領域に水疱を生じることで帯状疱疹は起こります。そのため、疼痛を伴う発疹が神経支配領域に一致して、帯状に出現してきます。

50歳以上の高齢者に多く、誘因としては過労や老化のほか、外傷、悪性腫瘍、自己免疫疾患、重症感染症、免疫抑制剤や抗腫瘍薬による治療、放射線療法などが問題となります。

経過としては、神経痛様の疼痛(ピリピリした痛みです。顔を洗うといった、軽く触れることでさえ痛いそうです)が先行し、その部位に浮腫性紅斑や紅色丘疹が出現します。しだいに水疱、膿疱、痂皮(かさぶた状になる)と変化し、約3週間で治癒します。

合併症として帯状疱疹後神経痛(post-herpetic neuralgia:PHN)が、およそ3%の率(加齢とともに増加)で発生し、問題となります。これは、神経変性によるもので、耐えがたい痛みが残ることもあります。

また、Ramsay Hunt(ラムゼー・ハント)症候群といって、顔面神経の膝神経節が侵されると、顔面神経麻痺による閉眼困難や内耳障害(耳鳴り,難聴,眩暈)、舌に疱疹が生じて味覚障害を伴うこともあります。

ネット検索により、自分の知りたいことを手軽に調べられるようになりました。その一方で、「この症状なら大丈夫だろう」などと過信してしまう可能性を生んだこともまた、否定できないのではないか、と思われます。まずはそれぞれの科などに受診し、しっかりと診察や検査を受けることも忘れないようにお願い致します。

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