1990年代の全日本プロレスで、トップ外国人レスラーとして活躍したスティーブ・ウイリアムスさんが30日、咽頭がんのため米国で死去した。49歳だった。

ウイリアムスさんは04年にがんを公表し、奇跡的な復活を目指して闘病。09年10月に東京・新宿で引退試合を予定していたが、直前で中止になっていた。全日本時代の94年、3冠ヘビー級王座を初奪取した当時の相手だった三沢光晴さんが亡くなった年の最後に、後を追うように逝った。

復帰からわずか5カ月後の暗転だった。
ウイリアムスさんは7月19日、IWAジャパンの新宿大会で5年ぶりに復帰し、ヘルアントマシン2号をオクラホマスタンピードでKO。「10・25新宿大会で引退試合を行います。家族と話し合って決めました」と発表したが、体調が悪化。再来日はならなかった。
(S・ウイリアムスさん死去…奇跡ならず)

上・中咽頭癌とは


喉頭は気道の一部であり、食物の通路と呼吸のための空気の通路との交差点である咽頭の奥で、空気専用通路の始まりの部分を指します。咽頭に開いた空気の取り入れ口で、吸気では下の気管へ空気を送り、呼気では気管からの空気を咽頭に送ります。

咽頭とは、鼻腔および口腔、食道および喉頭との間にある筋肉で構成された管を指します(ちなみに喉頭とは、食物の通路と呼吸のための空気の通路との交差点である咽頭の奥で、空気専用通路の始まりの部分を指します)。

咽頭は鼻に近いほうから上咽頭、中咽頭、下咽頭と下がっていき食道に続いていきます。

上咽頭癌とは、上咽頭から発生する上皮性悪性腫瘍です。未分化型扁平上皮癌が多い。中国南部、香港などの中国人に多く、発症にEBウイルスの関与が示唆されています。また、細胞性免疫能の低下が多くの例でみられます。

症状として鼻閉や鼻出血のほか耳管閉塞による滲出性中耳炎のための伝音難聴や耳閉感、耳鳴があり、頸部リンパ節転移に伴う頸部腫脹が多いです。進行すると頭蓋底浸潤による頭痛や下位脳神経麻痺(複視、顔面知覚異常、嗄声など)もみられます。診断は、症状より本疾患を疑うことが第1で、上咽頭を直接ファイバースコープなどで視診し生検で癌細胞を証明します。

中咽頭癌とは、中咽頭から発生する上皮性悪性腫瘍です。組織型は扁平上皮癌が多く、その他、未分化癌、腺癌、腺様嚢胞癌などがみられます。部位により側壁型(口蓋扁桃部)、前壁型(舌根部)、上壁型(軟口蓋部)、後壁型に分類されます。

発癌因子は不明ですが、男性に多く、喉頭・口腔・食道などとの重複癌が多いので、外的因子の関与が示唆されます。初期には咽頭違和感・咽頭痛・嚥下痛が、腫瘍が腫大すると構音障害・嚥下障害・呼吸困難などが出現する。

生検による診断確定後、画像診断により原発巣・頸部リンパ節転移・遠隔転移の拡がりを診断します。初診時頸部リンパ節転移の頻度は50%以上です。遠隔転移は肺、肝、骨に多いです。

下咽頭癌とは


下咽頭癌とは、以下のようなものです。
下咽頭癌は50歳以上の高齢者で多く、性別は男性が90%以上を占めます。原因としては、男性の方が女性より4〜5倍ほど多く、喫煙や飲酒などの刺激が大きく関係していると考えられています。

ほかの頭頸部癌でも喫煙と飲酒はリスクファクターとなるので、食道癌やほかの頭頸部癌との重複癌も高率となります。女性では、鉄欠乏性貧血を伴うプランマー-ヴィンソン症候群、また頸部への放射線治療の既往も原因となります。

下咽頭癌は、進行型が多いため、頭頸部癌の中でも治療成績が特に不良であることで有名です。初診時に50〜60%の症例は、頸部リンパ節転移を伴っているというデータもあります。

初期症状は咽頭の異物感やイガイガ感で、「食事をしている時に、食べ物がひっかかる感じ」「飲み込むときに痛い」といったものがあります(早期には特徴的な臨床症状に乏しい)。

進行期では耳に放散する嚥下時痛や嚥下困難、嗄声や誤嚥、さらに頸部リンパ節腫脹を来します。頸部腫瘤が初発症状となることもあります。進行すると咽頭痛、嚥下痛、嗄声(声が掠れる)、耳放散痛、血痰、頸部腫瘤、さらに嚥下障害や呼吸困難などの症状が加わってきます。

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