RHYMESTERの宇多丸が1月2日(土)放送のTBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」にて、今月上旬に声帯ポリープの除去手術を受けることを明かした。

このポリープは、歌手やタレントなど喉を使う職業にしばしばみられる症状のもので、本人はいたってライトにとらえているとのこと。RHYMESTERとして4年ぶりのニューアルバム「マニフェスト」を2月3日にリリースすることや、4月23日からの全国ツアーなど今後のスケジュールを考慮して、医師や関係者と相談の上、手術を決断したという。

宇多丸は術後1週間は自宅にて療養。レギュラー番組には声出しを控えながらも、筆談などで参加する予定だ。
(RHYMESTER宇多丸が声帯ポリープ除去手術へ)

声帯ポリープとは


声帯(喉頭)ポリープは、声帯膜様部(発声に関与する、声帯の前2/3の部分)中央の声帯縁に好発するイボ状の腫瘤です。

多くは一対の声帯の片方に生じ、形は半球状や球状、円錐状などです。表面は平滑(デコボコしていなく、スムーズ)となっている、といった特徴があります。

声帯ポリープは、職業的に声をよく使う人に多くなっています。声の酷使による声帯の機械的刺激過多に炎症や喫煙が加わり、声帯粘膜の血液循環障害が生じ、血腫や浮腫形成からポリープ病変に発展すると考えられています。

特に、低いピッチでの過緊張性発声(必要以上にのどに力を込めて発声する状態)が原因となることが多いようです。過緊張性発声によってポリープを生じ、ポリープがあって声を出しにくいので、さらに過緊張性発声をしてしまう…という悪循環があるため、ポリープがなかなか治らない、ということになってしまうようです。

症状としては、嗄声(声の音質の異常で、嗄れた声になってしまう)が主だったものです。声を出すとき、左右の声帯が発声時内転して真ん中で近づき、下方からの呼気流によって振動します。つまり、この声帯が震えることと後きちんと閉鎖した上で震えることできれいな声が出ます。

ここにポリープ、つまり声帯の突出物があると声帯がきれいに閉じず、嗄声という『声の嗄れ』が起こるというわけです。

声帯ポリープの除去手術とは


声帯ポリープの除去手術とは、以下のようなものを指します。
治療としては、まず手術の前に、小さなポリープでは、沈黙療法(声を使わない)や音声指導(あまり声帯に負荷がかからないようにする)による保存的治療が有効です。ただ、歌手や教師などで急激に発症した場合は、応急処置として副腎皮質ステロイド薬の投与と吸入治療を行うこともあります。

保存的治療に抵抗したり、患者さんが音声改善を希望する場合には手術が行われます。たとえば、間接喉頭鏡下に喉頭鉗子を用いたり、処置用喉頭ファイバースコープを用いて、ポリープを切除する外来手術や、全身麻酔で喉頭顕微鏡下手術(ラリンゴマイクロサージリー)を行ったりします。

外来手術では、間接喉頭鏡下に喉頭鉗子を用いて、または処置用喉頭ファイバースコープを用いて、ポリープを切除します。喉頭反射が起きないように十分に表面麻酔することが重要です。適応は有茎性ポリープに限られ、患者の協力と術者の熟練が必要です。

喉頭顕微鏡下手術では、一般的には数日の入院で全身麻酔下に行います。直達喉頭鏡による歯牙の損傷を避けるため、歯牙プロテーゼを作製する場合があります。

原則として術後1週間は、発声禁止となります。退院後は、外来で声の安静・衛生の指導や、音声訓練を行い、再発を予防する必要があります。

声をよく使う方は、こうした声帯ポリープが出来てしまいがちなようです。このことを機会に、声の出し方の見直しや、声の出し過ぎに注意することが必要かと思われます。

【関連記事】
声帯ポリープで除去手術を受ける−「我が家」杉山裕之さん

ボーカル1人脱退、ベーチェット病、声帯ポリープ…受難続きのEXILE