みんなの家庭の医学」にて、以下のような内容が記されていました。

肩こりが職業病のようなネイリストでありながら、肩こり知らずの門田慶子さん。一体彼女は、どうして肩がこらないのか?肩こり解消プロジェクトでは、門田さんの日常を密着取材。2人の専門家に分析して頂きました。

整形外科の名医、夏山元伸先生(関東労災病院整形外科部長)がまず注目したのは、歩き方。実は門田さん、姿勢がきれいに見えるよう、白線や道路の継ぎ目などを目安に、いつもまっすぐ歩くことを心がけているのだとか。この歩き方によって、頭の重さが左右にバランスよく分散され、肩こりの予防になっているというのです。

続いて、先生が目を付けたのは、門田さんが毎週趣味で通っている着付け教室。なんと着物の着付けの動作が肩のストレッチになっているというのです。着付けのどの動きがどう肩にいいというのでしょうか?

筋肉の専門家、畑幸彦先生(信州大学医学部附属病院リハビリテーション部准教授)が注目したのは、後ろに回した帯をひく動き。なんとこの動き一つで、僧帽筋や三角筋など、肩こりと大きな関係がある5つの筋肉が同時にストレッチできていると言うのです。

そしてもう一つ、着付け中の振り返りの動作は、僧帽筋のほか、首と肩をつなぐ肩甲挙筋のストレッチに。門田さんは、着付けによって肩周辺の筋肉を知らず知らずのうちにストレッチしていたのです。そのため、筋肉の柔らかさが保たれ、前かがみの姿勢を続けても、肩こりになりにくい身体になっていたと考えられます。

というわけで、今回、門田さんから学んだ、肩をかるラクにするポイントはこちら

・門田さんから学んだ、肩のかるラクポイント
1.左右のバランスを保ち、正しい姿勢で歩く
2.着付けの動きで、肩周辺の筋肉を柔らかくする


肩こりとは


「肩こり」とは、「頚の後ろから肩の上方、肩甲骨付近に生じる、ときに痛みを伴う、疲労感のような不快感」ということができるのではないでしょうか。肩の「こり」「はり」「つっぱり」「重苦しさ」「刺さる感じ」「板が一枚のっているような感じ」などの症状の表現がみられます。

これらの愁訴を有する人々は、国民生活基礎調査によると、年齢別有訴者のなかで、男性では15〜74歳で2位、女性では15〜64歳では1位、65〜74歳では2位であったそうです。しかしながら、医療機関を受診する人は少なく、多くは家庭での湿布などの療法で我慢していることが多いです。

肩こりは、頭部を支えるため、あるいは上肢をある位置に保つために肩甲帯の筋肉が緊張したり、肩関節の拘縮に伴う肩甲帯の筋の過剰な伸展によって生じるものと考えられていますが、ときに神経、筋肉、内臓のさまざまな異常により引き起こされることがあります。

原因としては、同一姿勢での長時間の仕事、とくに手作業など下を向いて行う作業、コンピュータを使用した細かな作業、書字作業、長時間の運転などがあります。他にも、肩の疾患に伴う肩こりもあります。肩の運動により、痛みが生じる時、これを回避しようとして筋の異常収縮を来すことがあります。また腱板断裂、石灰性腱炎など器質的異常によるものもあります。

治療としては、以下のようなものがあります。

肩こりの治療


まずは、筋の緊張を解除するような治療を行います。保存的療法としては、
1)温熱療法
2)マッサージ
3)痛みの原因となっている部位への注射(ただし頻回の注射は勧められない)
4)運動療法:頚部および肩甲帯の筋のストレッチとバランスのとれた自動および抵抗運動
5)東洋医学的治療(鍼など)

があります。

保存的療法で筋の緊張がとれないときには、手術的療法も検討されます。まれに、手術としては肩甲骨上角の切除術が行われることもあります。

まずは姿勢に気をつけたり、ストレッチを行うなど、できることからやってみるのが良さそうです。

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