「ゲゲゲの鬼太郎」の目玉おやじ役で知られる声優・田の中勇(本名・田野中勇)さんが13日、東京・世田谷区の自宅で死亡しているのを家族が見つけた。死因は心筋梗塞。77歳だった。
田の中さんは東京都出身。1960年代半ばに声優デビュー。「ゲゲゲの鬼太郎」では1968年から始まったテレビアニメを始め、映画でも一貫して「目玉おやじ」役を務めた。
「おい、鬼太郎」と極端に高い特徴のある声で親しまれ、昨年3月のアニメ版が最後の収録だった。独身の田の中さんにとって「ライフワークというより、夫婦のような存在」(所属事務所関係者)だった。
初代「鬼太郎」役の声優・野沢雅子さんは「40年以上のつきあいで、家族のような存在でした。きのう(14日)『笑っていいとも!』で鬼太郎の声を披露したときにタモリさんが『目玉おやじ』のマネをしてくれて。それが虫の知らせだったのかもしれません」とショックを受けていた。
声優としての最後の仕事は、昨年9月収録のアニメ「マリー&ガリー」(NHK教育)だった。
(「目玉おやじ」声優・田の中勇さん死去…「おい!鬼太郎」で40年以上)
心筋梗塞とは、心臓を栄養している冠動脈の血流量が下がり、心筋が虚血状態になり壊死してしまった状態です。日本全体では、約25万人の急性心筋梗塞症の発症が推測されています(その中で、約8万人が死亡しているとされています)。
冠動脈が閉塞する原因としては、冠動脈の粥状動脈硬化(アテローム硬化)による狭窄が基礎にあります。粥状動脈硬化(アテローム硬化)とは、脳や心臓などの太い動脈内にコレステロールなどが沈着し、粥状のかたまりができて血管内が細くなった状態です。
具体的には、冠動脈内膜下に形成された粥腫(血管壁にたまったコレステロールが、血管の内側にこびりついたもの)が破綻し、 血小板が凝集して冠動脈血栓の形成が起こり、結果として冠動脈が完全閉塞して起こると考えられています。
日本では心筋梗塞は欧米と比較して大変少なかったですが、食習慣や生活様式の西欧化、社会生活におけるストレスの増加、人口の高齢化などに伴って近年増加しています。増加率は若年者に低く、高齢者で高いという特徴があります。
症状としては、狭心痛(胸が締め付けられるような痛み)を生じます。「痛い」よりも「胸が苦しい」「重い感じがする」など、締め付けられる(絞扼感)を訴えることが多いといわれています。
通常、狭心症では胸痛の持続時間は数分程度でおさまりますが、安静にしていても30分以上胸痛の持続する場合は急性心筋梗塞を疑います(通常30分以上持続する前胸部の強度の胸痛や絞扼感で、恐怖や不安感を伴う)。
大多数は典型的な胸痛・絞扼感を主訴としますが、中には心窩部・背部痛呼吸困難、悪心・冷汗・失神などの非典型的な症状を訴えることもあります。典型的な急性心筋梗塞の胸痛と鑑別を要する疾患には、解離性大動脈瘤、急性心膜炎、肺塞栓が最も重要であり、次に胸膜炎、自然気胸、逆流性食道炎などがあげられます。
悪心・嘔吐などの消化器症状も伴うことがあるため、胆石症、胃・十二指腸潰瘍などとの鑑別が必要になることもあります。高齢者や脳梗塞、糖尿病を有する患者さんでは、無痛性に発症することもあります。その結果、放置してしまうケースもあります。
また、関連痛といって、疾患のある臓器以外の部位に出現する痛みが生じることがあります。具体的には、胃の痛みを中枢へと伝える神経と、心臓の痛みを伝える神経が近い位置にあるため、誤って「胃の痛み・不快感」として伝えられてしまったような状態です(共通の神経で痛覚が脳へ伝達されるために起こると考えられている)。
こうした臨床症状がみられたり、心電図で連続する2誘導以上でST上昇、またはST低下(非ST上昇型)を示し、数時間後にはQ波の出現、あるいは非Q波梗塞ではR波の減高がみられます。
まず心筋傷害を反映したST上昇、数時間後には心筋壊死を反映したQ波、その後に心筋虚血を反映した冠性T波が出現します。冠性T波は左右対称の先端の尖った深いT波で、2日〜1週間以内に出現し、数時間〜長年にわたり持続します。
血液生化学的検査では、白血球の増加は特異性がないが発症早期からみられ、その程度は重症度や予後と関連するといわれています。CPK、CK-MBは、梗塞発症後6時間以内に上昇し、3〜4日で正常値に戻ります。AST、LDHは、CPKより上昇が遅く、ASTの上昇は4〜7日間、LDHの上昇は1〜2週間続きます。そのため、これらは発症時期の推定には有用な指標となります。
ミオグロビンは、CK-MBに比し早期より上昇し、ピークは1時間後で1〜2日後には正常となります。ミオシン軽鎖Iはピーク値は発症から2〜5日であり、7〜14日後に正常化します。
最近では、心筋特異性が高いトロポニンT・トロポニンIも用いられています。トロポニンTは、発症後3〜5時間で高値になり、その後は2峰性の変動を示します。最初のピークは12時間、2番目のピークは3〜5日であり、発症後7〜10日で正常化します。
心エコーも有用であり、収縮低下を確認することがほかの疾患との鑑別に有用であったり、他の合併症の有無も判断できます。冠動脈造影は、虚血性心疾患の確定診断には非常に重要となりますが、侵襲性が高いといった難点もあります。
冠動脈造影(CAG)・左室造影法では、急性心筋梗塞の責任冠動脈病変を確定でき、引き続き梗塞サイズの縮小を目的とする再灌流療法を施行することもできます。
心筋梗塞の治療としては、以下のようなものがあります。
田の中さんは東京都出身。1960年代半ばに声優デビュー。「ゲゲゲの鬼太郎」では1968年から始まったテレビアニメを始め、映画でも一貫して「目玉おやじ」役を務めた。
「おい、鬼太郎」と極端に高い特徴のある声で親しまれ、昨年3月のアニメ版が最後の収録だった。独身の田の中さんにとって「ライフワークというより、夫婦のような存在」(所属事務所関係者)だった。
初代「鬼太郎」役の声優・野沢雅子さんは「40年以上のつきあいで、家族のような存在でした。きのう(14日)『笑っていいとも!』で鬼太郎の声を披露したときにタモリさんが『目玉おやじ』のマネをしてくれて。それが虫の知らせだったのかもしれません」とショックを受けていた。
声優としての最後の仕事は、昨年9月収録のアニメ「マリー&ガリー」(NHK教育)だった。
(「目玉おやじ」声優・田の中勇さん死去…「おい!鬼太郎」で40年以上)
心筋梗塞とは
心筋梗塞とは、心臓を栄養している冠動脈の血流量が下がり、心筋が虚血状態になり壊死してしまった状態です。日本全体では、約25万人の急性心筋梗塞症の発症が推測されています(その中で、約8万人が死亡しているとされています)。
冠動脈が閉塞する原因としては、冠動脈の粥状動脈硬化(アテローム硬化)による狭窄が基礎にあります。粥状動脈硬化(アテローム硬化)とは、脳や心臓などの太い動脈内にコレステロールなどが沈着し、粥状のかたまりができて血管内が細くなった状態です。
具体的には、冠動脈内膜下に形成された粥腫(血管壁にたまったコレステロールが、血管の内側にこびりついたもの)が破綻し、 血小板が凝集して冠動脈血栓の形成が起こり、結果として冠動脈が完全閉塞して起こると考えられています。
日本では心筋梗塞は欧米と比較して大変少なかったですが、食習慣や生活様式の西欧化、社会生活におけるストレスの増加、人口の高齢化などに伴って近年増加しています。増加率は若年者に低く、高齢者で高いという特徴があります。
心筋梗塞の診断
症状としては、狭心痛(胸が締め付けられるような痛み)を生じます。「痛い」よりも「胸が苦しい」「重い感じがする」など、締め付けられる(絞扼感)を訴えることが多いといわれています。
通常、狭心症では胸痛の持続時間は数分程度でおさまりますが、安静にしていても30分以上胸痛の持続する場合は急性心筋梗塞を疑います(通常30分以上持続する前胸部の強度の胸痛や絞扼感で、恐怖や不安感を伴う)。
大多数は典型的な胸痛・絞扼感を主訴としますが、中には心窩部・背部痛呼吸困難、悪心・冷汗・失神などの非典型的な症状を訴えることもあります。典型的な急性心筋梗塞の胸痛と鑑別を要する疾患には、解離性大動脈瘤、急性心膜炎、肺塞栓が最も重要であり、次に胸膜炎、自然気胸、逆流性食道炎などがあげられます。
悪心・嘔吐などの消化器症状も伴うことがあるため、胆石症、胃・十二指腸潰瘍などとの鑑別が必要になることもあります。高齢者や脳梗塞、糖尿病を有する患者さんでは、無痛性に発症することもあります。その結果、放置してしまうケースもあります。
また、関連痛といって、疾患のある臓器以外の部位に出現する痛みが生じることがあります。具体的には、胃の痛みを中枢へと伝える神経と、心臓の痛みを伝える神経が近い位置にあるため、誤って「胃の痛み・不快感」として伝えられてしまったような状態です(共通の神経で痛覚が脳へ伝達されるために起こると考えられている)。
こうした臨床症状がみられたり、心電図で連続する2誘導以上でST上昇、またはST低下(非ST上昇型)を示し、数時間後にはQ波の出現、あるいは非Q波梗塞ではR波の減高がみられます。
まず心筋傷害を反映したST上昇、数時間後には心筋壊死を反映したQ波、その後に心筋虚血を反映した冠性T波が出現します。冠性T波は左右対称の先端の尖った深いT波で、2日〜1週間以内に出現し、数時間〜長年にわたり持続します。
血液生化学的検査では、白血球の増加は特異性がないが発症早期からみられ、その程度は重症度や予後と関連するといわれています。CPK、CK-MBは、梗塞発症後6時間以内に上昇し、3〜4日で正常値に戻ります。AST、LDHは、CPKより上昇が遅く、ASTの上昇は4〜7日間、LDHの上昇は1〜2週間続きます。そのため、これらは発症時期の推定には有用な指標となります。
ミオグロビンは、CK-MBに比し早期より上昇し、ピークは1時間後で1〜2日後には正常となります。ミオシン軽鎖Iはピーク値は発症から2〜5日であり、7〜14日後に正常化します。
最近では、心筋特異性が高いトロポニンT・トロポニンIも用いられています。トロポニンTは、発症後3〜5時間で高値になり、その後は2峰性の変動を示します。最初のピークは12時間、2番目のピークは3〜5日であり、発症後7〜10日で正常化します。
心エコーも有用であり、収縮低下を確認することがほかの疾患との鑑別に有用であったり、他の合併症の有無も判断できます。冠動脈造影は、虚血性心疾患の確定診断には非常に重要となりますが、侵襲性が高いといった難点もあります。
冠動脈造影(CAG)・左室造影法では、急性心筋梗塞の責任冠動脈病変を確定でき、引き続き梗塞サイズの縮小を目的とする再灌流療法を施行することもできます。
心筋梗塞の治療
心筋梗塞の治療としては、以下のようなものがあります。
治療法としては、まずは対症療法中心に行いつつ病状の安定を図り、合併症の発生を厳重に管理します。通常は、アスピリン内服、酸素吸入、輸液、硝酸薬などを中心に行います。
発症6時間以内の心筋梗塞の場合、積極的に閉塞した冠動脈の再灌流療法を行うことで、心筋の壊死範囲を縮小可能であるといわれています。
経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)を行う場合や、血栓溶解療法(PTCR)、狭窄部位が3つ以上であった場合などに、緊急冠動脈大動脈バイパス移植術 (CABG) が行われる施設もあります。
経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)は、1977年にGruentzigらにより初めて行われて以来、さまざまな技術上の、あるいは器具における進歩を遂げています。
当初は、バルーンによる拡張術のみであり、経皮的バルーン冠動脈形成術(percutaneous transluminal coronary angioplasty:PTCA)とよばれていました。ですが、冠動脈ステント留置術(coronary artery stenting)、方向性冠動脈粥腫切除術(directional coronary atherectomy:DCA)、ロータブレーター、といった新しい器具の発明とそれを用いた治療が普及するにつれ、経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)と総称されるようになりました。
経皮的冠動脈形成術(PTCA:percutaneous transluminal coronary angioplasty)とは、心臓を栄養する血管である冠動脈の閉塞した箇所にカテーテルを用いて、バルーン(風船)を拡張して狭くなった冠動脈を拡げる手術です。
PTCAは約3分の1の割合で、再狭窄が数か月後に起こるのが欠点の1つとして挙げられていましたが、最近ではステントと呼ばれる小さなメッシュ状の金属チューブを動脈壁に留置することが行われています。
ステントを留置することにより、再狭窄を少なくすることができると考えられます。ステントによって、再狭窄率は15%前後にまで低減することができたと言われています。急性閉塞や再狭窄を抑制する目的で、円筒状の金属ステントを留置する手技が開発され、現在では冠動脈ステント留置術がPCIの主流となっています。
特に、2004年夏から日本に導入された薬剤溶出性ステント(drug-eluting stent:DES)は、新生内膜増殖を抑制する薬剤をステント表面にコーティングしたステントであり、再狭窄率がきわめて低いため頻用されています。
また、方向性冠動脈粥腫切除術(directional coronary atherectomy:DCA)は高速回転するカッターにて動脈硬化粥腫を切除する手技であり、入口部や分岐部病変において効果を発揮します。ロータブレーターは先端にダイヤモンドを埋め込んだドリルを高速回転させて血管を拡張するものであり、高度石灰化病変など、ほかのデバイスで拡張できない病変に有効です。
一方、冠状動脈バイパス術(coronary artery bypass grafting;CABG)は、冠状動脈の閉塞、狭窄に対して行われる外科的血行再建術です。体循環と冠状動脈の間にバイパスを作り(グラフトと呼ばれる血管を用いる)、心筋への動脈血流を増加させる方法です。
用いられるグラフトには、左右内胸動脈、右胃大網動脈、大伏在静脈、下腹壁動脈などが用いられます。長期開存性において、有茎の動脈グラフトが優れるといわれています。
バラエティ番組でもお声を聞くことがあり、大変親しまれた声優さんであったと思われます。ご冥福をお祈りしたいと思われます。
【関連記事】
急性心筋梗塞後に心室細動、入院後は経過良好−松村邦洋さん
ペースメーカー手術、冠動脈バイパス術を受けた−今くるよさん
心筋梗塞に対するPCI治療を受けていた−三國連太郎さん
発症6時間以内の心筋梗塞の場合、積極的に閉塞した冠動脈の再灌流療法を行うことで、心筋の壊死範囲を縮小可能であるといわれています。
経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)を行う場合や、血栓溶解療法(PTCR)、狭窄部位が3つ以上であった場合などに、緊急冠動脈大動脈バイパス移植術 (CABG) が行われる施設もあります。
経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)は、1977年にGruentzigらにより初めて行われて以来、さまざまな技術上の、あるいは器具における進歩を遂げています。
当初は、バルーンによる拡張術のみであり、経皮的バルーン冠動脈形成術(percutaneous transluminal coronary angioplasty:PTCA)とよばれていました。ですが、冠動脈ステント留置術(coronary artery stenting)、方向性冠動脈粥腫切除術(directional coronary atherectomy:DCA)、ロータブレーター、といった新しい器具の発明とそれを用いた治療が普及するにつれ、経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)と総称されるようになりました。
経皮的冠動脈形成術(PTCA:percutaneous transluminal coronary angioplasty)とは、心臓を栄養する血管である冠動脈の閉塞した箇所にカテーテルを用いて、バルーン(風船)を拡張して狭くなった冠動脈を拡げる手術です。
PTCAは約3分の1の割合で、再狭窄が数か月後に起こるのが欠点の1つとして挙げられていましたが、最近ではステントと呼ばれる小さなメッシュ状の金属チューブを動脈壁に留置することが行われています。
ステントを留置することにより、再狭窄を少なくすることができると考えられます。ステントによって、再狭窄率は15%前後にまで低減することができたと言われています。急性閉塞や再狭窄を抑制する目的で、円筒状の金属ステントを留置する手技が開発され、現在では冠動脈ステント留置術がPCIの主流となっています。
特に、2004年夏から日本に導入された薬剤溶出性ステント(drug-eluting stent:DES)は、新生内膜増殖を抑制する薬剤をステント表面にコーティングしたステントであり、再狭窄率がきわめて低いため頻用されています。
また、方向性冠動脈粥腫切除術(directional coronary atherectomy:DCA)は高速回転するカッターにて動脈硬化粥腫を切除する手技であり、入口部や分岐部病変において効果を発揮します。ロータブレーターは先端にダイヤモンドを埋め込んだドリルを高速回転させて血管を拡張するものであり、高度石灰化病変など、ほかのデバイスで拡張できない病変に有効です。
一方、冠状動脈バイパス術(coronary artery bypass grafting;CABG)は、冠状動脈の閉塞、狭窄に対して行われる外科的血行再建術です。体循環と冠状動脈の間にバイパスを作り(グラフトと呼ばれる血管を用いる)、心筋への動脈血流を増加させる方法です。
用いられるグラフトには、左右内胸動脈、右胃大網動脈、大伏在静脈、下腹壁動脈などが用いられます。長期開存性において、有茎の動脈グラフトが優れるといわれています。
バラエティ番組でもお声を聞くことがあり、大変親しまれた声優さんであったと思われます。ご冥福をお祈りしたいと思われます。
【関連記事】
急性心筋梗塞後に心室細動、入院後は経過良好−松村邦洋さん
ペースメーカー手術、冠動脈バイパス術を受けた−今くるよさん
心筋梗塞に対するPCI治療を受けていた−三國連太郎さん