以下は、ザ!世界仰天ニュースで取り上げられていた内容です。

イギリス中部の街・ミドルズブラ。この街にシャイで内気な1人の女子高生がいた。エイミーは、クラスの男の子たちとおしゃべりをするのが苦手でいつも一人ぼっちだった。

そんなある日、天気がよかったので日向ぼっこをしていると、気持ちよくてつい眠ってしまった。すると、白い肌が、うっすら小麦色になり翌日、学校でも何だか可愛くなったと評判になった。それはエイミーにとって初めての体験で気分が良かった。

しかし、エイミーの肌はすぐに元通りの真っ白に…。白い肌だと、自分に自信が持てない・・・そこで彼女は小麦色の肌を保つために肌を焼く事に執着し始める。しかし、彼女のこの行動がとりかえしのつかない事態を招いた。

1日2回のペースで、2年間肌を焼き続けたエイミーはある日突然肌が焼けるように痛くなる。彼女は毛孔性紅色粃糠疹(もうこうせいこうしょくひこうしん) という4万人に1人とも言われる珍しい皮膚疾患を発症してしまったのである。

この病気は全身に赤い発疹ができ、その後、皮ふがボロボロに崩れていく。また将来的に皮ふガンを発症するリスクが高く治療法に決め手がなく完全に治すことがむずかしい。19歳になったエイミーは肌を焼き続けたことをとても後悔し、今もこの病気と闘っている。

毛孔性紅色粃糠疹とは


毛孔とは、皮膚の表面にある、毛の生える小さな穴であり、要は毛穴のことを指します。この毛孔に角化異常が起こり、その病態を中心にした皮膚疾患(炎症性角化症)のことを、「毛孔性紅色粃糠疹」と言います。

「毛孔性紅色粃糠疹」は、別名「ドベルジー病」と言います。原因は不明で、血中ビタミンAの低下や暗順応障害を伴うことがあります。遺伝性であることもあり、その場合は常染色体優性遺伝の遺伝形式をとります。

毛孔一致性の角化性丘疹が特徴であり、肘頭部(ひじ)、膝蓋部(ひざ)に境界明瞭な紅斑を生じ、その上に毛孔一致性の角栓(角質が厚く楔状に付着した状態)を伴った丘疹がみられます。しばしば、乾癬(慢性の皮膚角化疾患)のような状態になります。紅斑の周辺に毛孔一致性角化性丘疹がみられます。

病理組織検査では、毛孔の拡大とその中に角化物が詰まる(角栓形成)ようにみえます。その周囲は不全角化(錯角化)を伴った過角化になります。乾癬と異なって多核白血球の浸潤はなく、真皮には毛細血管拡張とリンパ球、組織球の浸潤がみられます。

毛孔性紅色粃糠疹の治療


治療としては、以下のようなものがあります。
治療としては、ビタミンA(チョコラAなど)内服、サリチル酸ワセリン外用による保湿などが行われます。ビタミンD3軟膏外用、レチノイド内服(ビタミンAとその類縁体の総称)を行うこともあります。

他にも、PUVA療法、Re-PUVA療法も有効であるといわれています。PUVA療法とは、ソラレンのもつ光毒性反応を利用した光化学療法です。PUVAとはソラレンと長波長紫外線UVAを組み合わせた造語で"プバ"と読まれます。8-メトキシソラレンもしくはその誘導体を内服または病変部に外用した後にUVAを照射することで治療を行います。

根本的な治療法が現在のところないため、治療も難しいと思われます。日焼けが果たして本当に直接的な原因かどうかは分かりませんが、いずれにせよ、できれば過度な日焼けは避けていただく方が良いかと思われます。

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