劇作家・つかこうへい氏(61)が肺がんのため入院していることが25日、明らかになった。報道各社にファクスで公表した。

現在、抗がん剤治療を受けているという。つか氏作・演出の舞台「飛龍伝 2010ラストプリンセス」(東京・新橋演舞場、2月3日開幕)は、病院でけいこのビデオを見て演出の指示を出しており「昨日今日で、ほぼ完ぺきなものができあがっております」とコメント。予定どおり上演される。

楽しみにしていた「飛龍伝」の開幕を控え、病に倒れていた。つか氏は昨年12月9日に行われた同舞台の製作発表も欠席。「体調不良のため」としていたが、関係者によると「昨秋ごろには告知を受けていたのではないか」という。

病気を隠し今月6日からのけいこには参加していた。別の関係者は「大声を出したり、セリフを書き換えたり、普通にお元気でした」と証言。「病気のことは全く感じられず、いつもどおりのつかさんでした」という。だがその後、中旬くらいから姿を見せなくなった。この時期に体調を悪化させて入院したとみられる。つか氏がけいこを欠席することは珍しいことではなかったが、不在が続き最近になって出演者の間から心配する声があがっていたという。

つか氏はファクスを通じ「キャスティング等、全て決まった後の肺がんの告知でございましたので、まことに辛うございました」と心境を告白。「病院で抗がん剤投与の治療中でございます」と報告した。

現在は演出助手に毎日けいこのビデオを病室に運ばせ、病床からセリフの書き換えなどを指示。「昨日今日で、ほぼ完ぺきなものができあがっております」と来月3日開幕にGOサインを出している。
(つかこうへい氏肺がん…昨秋ごろ発覚か)

肺癌とは


肺癌とは、気管支および肺実質から発生した上皮性悪性腫瘍で、一般にその生物学的特徴から、小細胞癌と非小細胞癌に分けられます。非小細胞癌とは、主に腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌からなります。

肺癌は非小細胞癌(腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌)が約85%、小細胞癌が15%を占めます。病因は喫煙による影響が最も強く、発症危険率は喫煙本数と比例するといわれています。喫煙指数(1日に吸う本数 × 年数)が800を超えると肺癌の危険が高くなるといわれています。

肺癌の場所による分類としては、区域気管支より中枢側に発生したものを中枢型、末梢側に発生したものを末梢型といいます。中枢型には扁平上皮癌と小細胞癌が目立ち、男性例が多く、喫煙との関連が高いです。一方、末梢型では腺癌が目立ち、女性が比較的多く、喫煙との関連は低いといわれています。

肺癌は多彩な症状を示します(早期では無症状のことが多く、進行期になると多彩な症状)が、肺門型(気管が肺に入る入口付近)の肺癌では咳・痰などの症状が出やすく、肺野型(肺門から離れたところにできた癌)では無症状・健診発見が多いと言われています。

咳、痰などの症状がある場合、まずは胸部レントゲン写真撮影を行います。次に、癌かどうか、あるいはどのタイプの肺癌かを調べるため、喀痰細胞診、穿刺吸引細胞診などによる細胞診、気管支鏡や経皮的肺生検(CTガイド下肺針生検)などを行って組織診を行います。

胸部CTでは、単純胸部X線で描出できない小結節、肺門、縦隔リンパ節転移、隣接臓器浸潤、胸膜播種、他臓器転移を明確に描出することができます。CT画像でみられる悪性病変の特徴は、胸部X線の場合と同様ですが、さらに鮮明な画像が得られます。肺野末梢型の孤立結節影の画像上の鑑別診断には、thin slice CTが有用です。

らせんCT(ヘリカルCT、スパイラルCT)は、CT寝台を移動しながら連続スキャンに画像を得る方法です。撮影時の設定により、肺野陰影の存在診断,陰影の質的診断などを目指した診断が可能となります。また、寝台を止めてスキャンした場合、CT断面の透視画像となり、生検などの場合に用いられます。

気管支ファイバースコピーは、咳、痰、血痰などの症状で肺癌が疑われる症状を有する場合、または胸部画像診断で肺癌が疑われる場合が対象となります。こうした場合、さらに生検が行われ、組織学的に検査が行われることもあります。また、経皮的肺生検(CTガイド下肺針生検)が病理学的な診断に用いられることもあります。ほかにも、ファイバースコピーあるいは透視下、CTガイド下針生検で診断のつかない場合、VATS生検や開胸生検を行い確定診断を得ることもあります。

血液検査や胸水検査で、腫瘍マーカーが測られることもあります。腫瘍マーカーとは、腫瘍細胞などが産生する物質で血液を中心とする体液、排泄物組織などに見い出され、腫瘍の存在、性状、進展度を示唆する蛋白質です。

肺癌では、CEA、NSE、Pro GRP、CYFRAなどが上昇する場合があります。通常、血漿または血清中の濃度を検討することが多いです。

ですが、いずれも特異性、感受性に問題があり、特定診断に用いることはできません。主として治療効果判定や再発の有無のチェックに用いることが多いです。

肺癌と抗癌剤治療


化学療法による治療としては、以下のようなものがあります。
肺癌の治療法としては、主に3種類のものがあります。外科療法、放射線療法、抗癌剤による化学療法です。治療法の選択は、癌組織型、進展度(staging)、performance status(一般全身状態)、肺肝腎などの主要臓器機能、合併症の有無、により左右されます。

小細胞肺癌は、早期に転移をみることが多く、放射線治療の観点から一照射野か否かの基準として、「限局型」(limited disease; LD)、「進展型」(extensive disease; ED)の分類が用いられることが多いです。化学療法と放射線療法が基本となります。

小細胞肺癌の場合、多くの場合癌は縮小し、消失することもあります。しかし、小細胞肺癌は早くみつかっても既にほかの臓器へ転移していることが多く、治療がよく効いた後も再発する場合も多いです。

抗癌剤には、現在、エトポシド、シスプラチン、カルボプラチン、塩酸イリノテカン、アムルビシンなどの薬剤が主に使われており、シスプラチン/カルボプラチン+エトポシド、シスプラチン+トポテシンなどの組み合わせもしくはアムルビシン(カルセド)単剤などで用いられます。

非小細胞肺癌の場合、通常はI期からIIIA期の一部が手術の対象となります(N2 症例に対する手術単独の治療成績は不良であり、集学的治療の対象)。IIIB期症例に対しては、プラチナ製剤を含む化学療法と胸部放射線治療の併用療法が標準であり、IV期は化学療法などが用いられます(ただし、治療意義は生存期間の延長と癌に伴う症状の緩和)。

非小細胞癌に対して用いられる主な抗癌剤は、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、マイトマイシンC、ビノレルビン、イリノテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、ゲフィチニブなどがあります。これらの抗癌剤は単独で用いる場合もありますが(単剤療法)、2種類以上の抗癌剤を組み合わせて用いる場合が多い(併用療法)です。

闘病中であっても、未だに精力的にお仕事へ打ち込まれているそうです。その姿に鼓舞される同病の方もいらっしゃるかとは思われますが、その一方で是非ともあまり無理はなされないで欲しいと思われます。

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