反復運動過多損傷(RSI、Repetitive stress injury)とは、パソコンやテレビゲーム、携帯電話を長時間操作する人に多い症状である。欧米では数年来デジタル系アイテムの普及による弊害として問題視されてきた。

また、テニスをはじめとするいくつかの「特定行動を繰り返す運動」でもRSIの原因となる場合がある。小児の健康医療サービスを提供する非営利団体ヌムール財団(The Nemours Foundation)ではHealthDayを介し、RSIの症状をリストアップしている。これらの傾向が確認できれば、RSIになっている可能性があるというわけだ。
・手根管症候群。具体的には手首の「骨」と「じん帯」でつくられる狭い部分が腫れて起きるもの。

・あごの部分の椎間板が圧迫されて生じる「頸椎神経根障害」。肩を使い電話の受話器を耳に当てる姿勢を繰り返していると、起きることがある。

・「テニス肘(ひじ)」。いわゆる上顆炎。

・神経節嚢胞。関節、腱からゼリーのような物質がもれて手首に「こぶ」ができる障害。

・反射性交感神経性ジストロフィー。手の乾燥やふくらみ、筋力の低下などを伴う疼痛性障害。

・腱炎。骨と筋肉をつなぐ「腱」が炎症を起す。

「症状」というよりはそれぞれ個別ですでに病気・怪我に近いものが多く、RSIと判断される云々以前の問題として医者に相談した方が良い内容のものが多い。

(スポーツだけでなくパソコンやケータイでも…反復運動過多損傷(RSI)とは)

手根管症候群とは


手根管は手掌基底部(手のつけ根)に位置し、4つの手根骨(舟状骨、月状骨、三角骨、豆状骨)と横手根靭帯で囲まれたトンネルです。このトンネルの中を正中神経と9本の腱が通過しており、手根管内の圧が高くなると、正中神経が圧迫されて手関節より末梢に神経症状が出現します。これを「手根管症候群」といいます。

患者さんの約7割は女性で、40〜60歳代に好発します。女性では手根管の隙間が男性に比べて狭く、また、家事、育児、編み物・裁縫など手を酷使する機会が多いため多発するとも言われていますが、原因が明らかでないことも多いです。

職業的には、反復的に手首を動かす仕事(たとえば、研磨、マッサージ、長時間のキーボード操作、楽器の演奏家など)の人に多いです。

また、橈骨遠位端骨折(Colles骨折)、腱鞘滑膜炎(関節リウマチ、結核など)、腫瘍(ガングリオン、脂肪腫など)、月経前・妊娠中の浮腫、閉経後、多発性骨髄腫や長期間の血液透析などによるアミロイド沈着、糖尿病、痛風、甲状腺機能低下症(粘液水腫)、末端巨大症などが原因となることもあります。

正中神経の支配領域は母指から第4指(薬指)橈側までであり、この領域に痛みを伴う異常感覚(しびれ感など)や感覚鈍麻が生じます。

しびれは夜間、特に明け方に多く、しびれによって目覚めることもあります。手を振ると少し楽になります。日中は手を使う動作・仕事で増悪します。第5指や第4指(尺側)には症状を認めません。

手関節を屈曲位に保ち、1分以内に症状が増悪(Phalenテスト陽性)すれば本症を強く疑います。また、手根管部を圧迫・叩打すると末梢にしびれ・痛みが放散します(Tinel徴候)。

運動症状として、握力の低下、第1指の対立運動(第1指と他の指を付ける運動)が困難となり、経過が長い症例では母指球筋の萎縮が認められる。診断は、神経生理学的に感覚神経遠位潜時の延長あるいは運動神経遠位潜時の延長を確認しあます。また、MRIによる評価も有用であると報告されています。

手根管症候群の治療とは


手根管症候群の治療としては、以下のようなものがあります。
原因が明らかで内場合、無治療でも自然寛解する症例が少なくないです。しかし、神経への圧迫が進行して感覚機能が低下し、しびれや痛みが治ったように錯覚することもあるので注意が必要です。

軽症では、局所の安静、消炎鎮痛薬やビタミンB12の内服、手根管内へのステロイド薬注射などの保存的療法で経過をみることもあります。

ただ、1〜3ヶ月の保存的療法で効果が認められない場合には、筋萎縮が出現・進行する前に手術療法を積極的に考慮します。保存療法に終始して、手術の時期を逸しないよう適切な判断が重要です。

神経生理学的検査で正中神経に明確な神経圧迫所見のある例では、観血的に横手根靭帯を切開し、手根管を開放します。通常、外来にて関節鏡視下で手術可能となります。筋萎縮が高度になる前に手術を行えば、感覚・運動障害の回復は早いです。

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