以下は、ザ!世界仰天ニュースで扱われていた内容です。

イギリス生まれのローリー少年もまた重度のピーナッツアレルギーであった。ほんの僅かでもピーナッツの成分を口にすれば呼吸困難に陥り、命の危機に迫られる。

しかしどんなに注意しても防ぎきれないこのピーナッツアレルギー。飛行機の機内食や生活必需品に含まれるシャンプーやせっけんなど。幼き頃から様々な 形でピーナッツが彼を襲った。

そんなローリーを仰天スタッフが訪ねてみると、彼はピーナッツをパクリと食べてしまった。ローリーは僅かでもピーナッツを口にすると命が危ないはず・・・一体彼の身に何が起きたのか?

それは“経口脱感作療法”という治療法であった。専門医の指導のもと、ほんの僅かな、アレルギー反応が出るか出ないかの量のピーナッツを毎日摂取する事で、ピーナッツ成分から体を慣らしていくのだという。

摂取する量を少しずつ増やして、徐々にピーナッツを食べても平気な体作りをしたローリーはなんと今では32粒のピーナッツを食べる事が出来るのだという。今後は世界を回って色々な料理に挑戦したいと彼は嬉しそうに語っている。

食物アレルギーの診断


食物アレルギーの診断は、まず詳細な問診と食物日誌により原因抗原を推定し、症状の起こり方を把握します。問診のポイントは、症状を起こす食品の種類と摂取量、症状発現までの時間、再現性の有無、症状を起こす他の条件(運動、感冒)などの有無を確認します。

検査としては、血液一般検査(好酸球数など)、血清IgE値や抗原特異的IgE抗体、皮膚テスト、ヒスタミン遊離試験などを参考とします。

原因抗原の確定のためには、推定される食品を除去し症状の改善を確認します(食物除去試験)。その後、推定される食品を負荷し、症状の誘発を確認します(食物負荷試験)。

食物負荷試験はアナフィラキシーなどの重篤な反応を引き起こすこともあるため、専門医による実施が勧められます。

アナフィラキシーとは、外来物質の侵入が原因となり、それに対する急激な生体反応の結果、循環器系や消化器系、呼吸器系、皮膚などの広範な臓器が障害を受ける状態を指します。これが重篤となり、循環・呼吸不全に陥る場合をアナフィラキシーショックといいます。

もともとは、IgE抗体による即時型アレルギー反応によって起こるものとされていましたが(狭義としては、こちら)、同様の症状・経過をとるそれ以外の病態(こちらは、アナフィラキシー様反応と呼ぶこともある)も、広義のアナフィラキシーショックと呼ぶようになっています。

簡単に言ってしまえば、劇症型のアレルギー反応であり、入ってきた異物に身体が過剰に反応し、あらゆる場所が腫れ上がってしまい、最悪の場合、呼吸困難で死に至ることもあります。

1)蕁麻疹、2)気管支喘息様症状、3)血圧低下が典型的な症状であり、原因となる食物、薬剤、ハチ毒などの抗原侵入後、数分以内(抗原侵入5分以内)に症状が発現することが多いです。食物摂取後の体操や、ジョギングなどの運動が誘発する場合もあるため、こうした情報をしっかりと鉢合わせた周囲の人が伝えることが救命において重要です。

初期症状として、皮膚の痒み、口唇や手足のしびれ感、四肢の冷感、心悸亢進、喉頭違和感、悪心、腹痛などが起こります。さらに進展して、ショック症状を呈すると、顔面蒼白、喘鳴、呼吸困難、意識消失、血圧低下などをきたし、非常に危険な状態になります。

減感作療法とは


上記で行われた、食物アレルギーの治療としては、以下のようなものです。
減感作療法とは、アレルギー性気管支喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症で原因アレルゲンを回避できない場合、ハチアレルギーで次回刺傷時にアナフィラキシー・ショックに陥る危険性の高い場合に行う免疫療法です。

原因アレルゲンの抽出液を順次濃度と量を増しつつ、皮下注射などを繰り返してゆき、そのアレルゲンに対する過敏性を低下させます。

この投与間隔は通常週1〜2回であるが、連日(1日に複数の場合もある)行うことにより短期間内に維持量に達する急速減感作療法もあります。奏効機序としては、IgE抗体の減少、遮断抗体の出現、肥満細胞の反応性の低下などが考えられています。

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