「1週間のごぶさたでした」の名調子で知られ、横浜にぎわい座の館長も務める司会者の玉置宏さん(76)が体調不良でダウンし、神奈川県内の病院に入院したことが5日分かった。関係者によると、脳幹出血で重体という。

横浜市内の自宅では5日、留守を預かっているという女性が「にぎわい座が窓口になっております」と応対。にぎわい座は「体調不良とは聞いておりますが、詳しいことは分かりません」としている。

玉置さんは明治大学卒業後の56年、文化放送入社。同社第1号男性アナウンサーとしてキャリアをスタート。58年にフリーに転じ、司会を中心にテレビやラジオ、舞台で活躍。同年から19年続いたTBS「ロッテ歌のアルバム」、67年スタートの「象印スターものまね大合戦」などの冒頭あいさつ「1週間のごぶさたでした」は当時の流行語になった。
(名司会者の玉置宏さん 脳幹出血で重体か)

脳出血とは


脳出血とは、何らかの原因によって脳の動脈が破れて出血し、脳実質内に出血(血腫)を形成したものです。微小動脈瘤の破裂が起こり、それに続いて二次的に発生する静脈破綻などが原因となって脳出血を起こします。

脳血管障害の3大疾患である、脳梗塞、くも膜下出血とともに、脳内出血はその内の1つです。富山県、岩手県脳卒中統計では、年間10万人当たり50名前後との報告が多く、脳卒中全体の25〜30%前後を占めています。

以前は日本での発症率が、欧米諸国に比べて高い傾向にありましたが、生活環境の変化や高血圧管理の普及とともに、減少しつつあります。全体の発生数および重症例は近年明らかに減少傾向にあります。年齢別発症率では、60〜70歳代にピークがあり、男性に多いという特徴があります。

原因としては、高血圧性脳出血が60〜80%であるといわれています。その他、脳動脈瘤、脳動静脈奇形、血管腫、脳アミロイド血管障害、脳腫瘍、出血性素因などがあります。

高血圧症以外明らかな原因病変がない出血では、部位別頻度で被殻40〜60%、視床20〜30%、脳葉、小脳、橋が各々5〜10%となっています。被殻出血では、対側の片麻痺、言語障害(失語症、構音障害)、眼症状(病巣を睨む共同偏視)が特徴的です。

特に若年者の出血では、脳動静脈奇形などが疑われます。脳葉出血や小脳出血をきたし、血管撮影でも確認できないoccult AVMが出血源となる例も多いといわれています。

脳動脈破裂は突発性頭痛で発症する例が多いです。動脈瘤が脳組織に癒着、埋没するような形態の場合、出血はくも膜下出血よりも脳内出血が主体となります。中大脳動脈、前大脳動脈動脈瘤で多くみられます。

高血圧の既往を有する例が多く、日中、労作時の発症することが多く、症状としては、突発性の意識障害、局所脳神経症状で発症します。神経症状としては、片麻痺や言語障害(失語症、構音障害)、眼症状(瞳孔変化、共同偏視、眼振)などがみられます。

また、頭痛やめまい、嘔吐のみの発症例(小脳出血、皮質下出血など)もあります。症状としては、持続性または進行性に推移します。再出血による急激な増悪もあります。

脳幹出血とは


脳幹部(中脳、橋、延髄)の出血を、脳幹出血といいます。橋に最も多発します。

この出血は急性発症で、重症例では昏睡状態、四肢麻痺、除脳硬直、呼吸障害、過高熱、両側縮瞳を示し、死亡率は30〜72%となっています。

出血の大小により重症から軽症まで種々の程度の意識障害、四肢麻痺、脳神経症状、自律神経症状、および精神症状を示します。

脳出血の治療


脳出血の治療としては、以下のようなものがあります。
治療としては、一般的に脳圧降下薬(脳浮腫の除去)としてグリセオール、マンニトールなどが用いられ、止血薬(血管強化薬および抗プラスミン薬)が用いられることもあります。

出血と診断された場合には、積極的な降圧をすべきであると考えられます。収縮期圧が180mHg以上、拡張期圧が105mmHg以上であれば、注射薬による降圧を行います。目標は最高血圧150mHg前後です。ニトログリセリン(ミリスロール)や塩酸ジルチアゼム(ヘルベッサー)、塩酸ニカルジピン(ベルジピン)などを用いることがあります。

ただし、ベルジピンは、頭蓋内出血が止まったことを確認して使用するべきとされています(一般的には発症6時間後)。同時に脳圧降下薬の投与が望ましく、グリセオールを用います。

一般的には、脳幹部出血では、外科治療の適応はありません。そのため、上記のような内科的治療が主体となると考えられます。

脳出血のリスクファクターとしては、高齢、性別(男性)、高血圧、飲酒、血清低コレステロール値などがあげられます。こうしたものがみられる方は、是非ともお気を付け下さい。

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