歌手、和田アキ子(59)が、今月1日に大腸ポリープの切除手術を受けていたことが13日、分かった。自身がパーソナリティーを務めるニッポン放送「アッコのいいかげんに1000回」(土曜前11・0)で明かした。

番組内でアッコは「実は大腸ポリープの手術をしまして、8個取ったんです。8個も!」と告白。1回の手術ではうまくいかず、2回受けたといい、「本当に大変だった」と振り返った。

特に食事制限は厳しく、当日の2食目に出されたレトルトのおかゆは「米が10粒しかなくて、数えましたよ!腹が立って」と苦笑い。

2週間のアルコールや運動が禁止され、3日間の入院を促されたが、「勘弁してください」と断り、芸能界きってのタフネスぶりを見せつけた。アッコは07、08年にも大腸ポリープの切除手術を受けている。
(和田アキ子、大腸ポリープ8個切除していた)

和田アキ子さんは、2007年4月に3個、2008年11月に7個、大腸ポリープを摘出されているそうです。いずれも、非腫瘍性のポリープだったそうです。

大腸ポリープとは


大腸ポリープとは、大腸粘膜の限局性の隆起性病変を漠然と指しています。あくまで、肉眼的な限局性隆起の総称です(内腔への限局性突出物をさす形態学的用語であり、病理学的組成を表すものではない)。

組織学的な性状を規定しないため、良性(腺腫、過形成性ポリープ、若年性ポリープ、炎症性ポリープなど)であったり、悪性(癌腫、悪性リンパ腫など)の場合もあります。

ポリープが多数存在する状態をポリポーシスといいます。ポリポーシスには、組織学的に性質の異なる種々の疾患が含まれています。

疾患によってポリープの数も全く異なっています。例えば、数十個の腺腫が大腸に存在する場合、多発性腺腫と呼び、孤立性腺腫と大腸腺腫症の間に位置づけられており、通常ポリポーシスの範疇のなかには含まれません。

大腸ポリポーシスは、遺伝性と非遺伝性に分けられます。遺伝性のものとしては大腸腺腫症、若年性ポリポーシス、ポイツ-ジェガース症候群、カウデン病(全消化管に過誤腫性と過形成性変化が混在するびまん性のポリープがあり、随伴病変として顔面四肢末端の多発性丘疹、口腔内粘膜の乳頭腫、乳腺・甲状腺・卵巣の腫瘍、および血管腫がある)などがあります。

非遺伝性のものには、炎症性ポリポーシス、良性リンパ濾胞性ポリポーシス、化生性あるいは過形成ポリポーシス、およびクロンカイト-カナダ症候群(腺管の嚢胞状拡張と粘液貯留のみられるポリープが胃・小腸・大腸にびまん性あるいは散在性に発生し、随伴病変としては全身のびまん性色素沈着、脱毛、爪甲の萎縮ないし脱落のみられる疾患)などがあります。

ポリープには、良性も悪性も存在することになりますが、悪性と判明した時点で、それらは癌、肉腫(悪性リンパ腫も含む)に分類され、ポリープから除外されます。

また、良性非上皮性の場合は粘膜下腫瘍と称されるので、結局、良性上皮性突出物をさすことになります。ただ、それでも腫瘍性、炎症性、過誤腫性、過形成性、その他に分かれ、腫瘍性では腺腫の中に癌巣が見つかることが少なくないです。

一般的には、ほとんどが良性疾患を指して用いられることが多いようです。年齢とともに腫瘍性ポリープの発生頻度は増し、40歳以上では約15〜20%といわれます。

ポリープが発見されたときの診断手順として、内視鏡や生検組織所見などから腫瘍性か非腫瘍性か、良性か悪性かを診断します。そして、次に内視鏡治療が技術的に可能かどうか、根治可能か否かを診断します。

一般に大腸ポリープに特徴的な症状はなく、腹痛や便通異常などの他疾病に伴う症状や、検診などを契機にX線検査や大腸内視鏡検査を行って発見されることが多いです。ポリープから出血することもありますが、大量出血や黒色便をきたすことは稀です。

大腸ポリープのうち腫瘍性ポリープである腺腫は、悪性化ないし癌合併の頻度が高いため、原則として治療する必要があります。また、非腫瘍性ポリープは悪性化しませんが、癌化ないし癌合併することがあり、大きくなると出血したり腸重積を起こす可能性があるため、治療の適応となることがあります。

一般的にポリープの大きさが増すと、腺腫の一部に癌を伴った腺腫内癌や、大部分が癌で一部に腺腫を伴う癌が認められるようになります。腺腫の一部に癌を合併する頻度は、絨毛腺腫で80%、腺管腺腫で10%程度といわれ、癌化傾向があると考えられています。

大きさ別には、1cm 以下では1%前後ですが、1〜2cmでは約10%、2cm以上では40%以上の癌の合併率が報告されています。

大腸ポリープの治療


大腸ポリープの治療としては、以下のようなものがあります。
上記のように、基本的には、内視鏡的ポリペクトミー(内視鏡でポリープを取り除く)を行います。内視鏡的ポリペクトミーが困難な例に対しては、外科的治療が行われることもあります。重要なのはやはり、良・悪性の判断です。

ポリープと診断しえても、それがどのような組織構成であるかによって生物学的悪性度が異なることから、形態・大きさ・表面性状に留意します。内視鏡的に得られた腺管開口部の形状から、規則正しい配列の正円形、やや不揃いでも星芒状の開口部は非腫瘍性であると考えられます。

さらに、腫瘍の場合は、密集した長円形、脳回溝状の開口部は良性であることが多く、粗な小円形の場合は悪性であることが多いです。腺管開口部の欠失が明らかであれば浸潤癌であり、ポリープの範疇から外れてきます。

腺腫であっても直径 5 mm 以下であれば、非腫瘍と同様に3〜4年ごとの経過観察でよく、急激に増大したり 1 cm を超すものはそのつど摘除することになります。

このように、ポリープの形態などに注目すれば、多くの病変の質的診断は可能です。組織学的裏付けのため生検を行いますが、腺腫の一部に癌が存在する(腺腫内癌)場合には癌を証明できないこともあります。診断と治療を兼ねて、内視鏡的摘除を行うことが多いです。

一般に直径 4 cm を超えるポリープ、太い茎のポリープ、広基性のポリープ、半周性以上であったり、虫垂口や憩室にかかる顆粒集簇 SGM 型のポリープなどは、内視鏡治療の限界を超えています。こうした場合、腹腔鏡手術や開腹術が必要となります。

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