二人目を妊娠するのに苦労をしているコートニー・コックスとデヴィッド・アークエットが、養子を取ることを検討しているという。

WENNによると、コートニーは39歳で娘ココを出産しているが、この時は体外受精で妊娠したとのこと。2人目をほしいと思ってはいながらも、子作りと不妊治療専門医を受診する時間がないとデヴィッドは語る。「子作りは時間を取られるんだ。だから養子を考えているよ。子作りの行為は大好きだけど、大変なんだ。疲れちゃったよ」と、デヴィッドはコメントしている。

コートニーは何回も流産を繰り返し、2004年1月に妊娠を発表。体外受精がダメならば代理出産を考えると当時は語り、「彼の遺伝子を持った子供が欲しいからあらゆる手段を試すわ。それでもダメだったら養子縁組ね」と言っていた。
(コートニー・コックスとデヴィッド・アークエット、養子を検討)

不妊症とは


不妊の定義(WHOによる)は、「避妊なしで2年以内に妊娠に至れない状態」となっていいます。妊娠に至れない状態を原発性不妊、一度以上の妊娠・分娩後妊娠に至れない状態を続発性不妊と区別する場合もあります。

不妊の分類としては、女性不妊、男性不妊、両性に原因がある複合不妊があり、それぞれおよそ1/3の頻度だといわれています。

女性不妊としては、排卵障害、卵管性不妊(通過障害や卵管采のpickup障害など)、子宮性不妊(筋腫、腺筋症、内膜発育不全、内腔癒着など)、精子・頸管粘液不適合(免疫因子を含む)、子宮内膜症などがあります。

男性不妊としては、乏−無精子症、無力精子症、奇形精子症、性交障害などがあります。

不妊症の検査としては、女性ならば基礎体温測定、経腟超音波検査、子宮癌検診、感染症検査(クラミジアなど)のほか、月経周期の適切な時期に内分泌検査、卵管疎通性検査(子宮卵管造影など)、性交後試験、子宮内膜日付診などを行います。

他にも、必要に応じて腹腔鏡検査、MRIなどの画像検査、自己抗体検査などを行います。男性ならば、精液検査を行います。

こうした検査で原因が特定された場合、その治療を行うことになります。ただ、これらの検査を行っても、原因を特定できない原因不明不妊も10%程度存在しています。

不妊治療とは


不妊治療は、大まかにいうと、一般不妊治療と高度生殖医療(人工授精や体外受精)に分けられます。一般不妊治療には、タイミング療法やクロミッド療法、hMG-hCG(FSC-HCG)療法が含まれます。

コートニー・コックスさんは、体外受精を行っていらっしゃったそうです。体外受精(IVF;In Vitro Fertilization)とは、不妊治療の一つで、通常は体内で行われる受精を体の外で行う方法です。受精し、分裂した卵(胚)を子宮内に移植することを含めて体外受精・胚移植(IVF-ET)といいます。

一方、人工授精とは、排卵日に合わせて女性の体内に精子を注入する治療です。精漿成分や病原体の除去や、運動良好精子の濃縮を行い注入することになります。

具体的な体外受精の流れは、以下のようなものです。
簡単な流れとしては、卵子を採取し(採卵)、体外で精子と受精させ(媒精、顕微授精)、培養した胚を子宮腔に戻します(胚移植)。

具体的には、まず複数の成熟卵子を採取するため、内因性ゴナドトロピンをGnRHアゴニストで抑制しつつFSH/hMG製剤にて卵胞発育を促します(スプレキュア点鼻液や、リュープリンなど)。主席卵胞径が18mmに達したら、FSH/hMG製剤を終了し、LHサージの代用となるhCG製剤を投与して卵成熟を促します。

hCG投与の34〜36時間後に、採卵を行います。局所麻酔または静脈麻酔のもと経腟超音波ガイド下に卵胞を穿刺し、卵胞液とともに卵子を吸引します。

卵子を2〜4時間培養した後、最終運動精子濃度が10万/mL程度になるよう精子浮遊液を加えて媒精します。顕微授精では、第2減数分裂中期に達した成熟卵に対してICSI(卵細胞質内精子注入法)を行います。

ICSI(卵細胞質内精子注入法)とは、精子を不動化し、細いガラス管に捕らえてホールディングピペットで把持した卵の細胞質内に1個の精子を注入する方法です。他の顕微授精法に比較し、この方法は受精を得る確率が高く、広く用いられるようなっています。

2前核期胚(前核が2個見えれば、正常に受精した状態とされる)を受精後3日間は初期胚培養液で、4日目以降は後期胚培養液で培養します。初期胚培養液は高乳酸、低−無グルコースで非必須アミノ酸が添加され、後期胚培養液は高グルコースで必須アミノ酸と非必須アミノ酸を含みます。

胚盤胞の孵化が始まる6日目以降の胚移植では妊娠率が低下するので、現在では臨床的に培養期間は5日間が限度であるといわれています。

次に、胚移植を行います。カテーテルに形態良好胚を入れ、経頸管的に子宮腔に注入します。移植胚数は原則的に1個とされています(多胎妊娠を防止するため)。移植後にhCG製剤かプロゲステロン製剤を投与します。

胚移植後、着床が起こります。着床とは、受精卵から初期発生を経て形成された胞胚が、子宮に達してから子宮内膜に触れ、そこへ侵入し結合するまでの過程を指します。受精後6〜7日目に着床します。

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