魚の目(鶏眼)とは


魚の目(鶏眼)やタコ(胼胝[べんち])は、反復する物理的刺激(靴擦れなど)により、それに反応するように角質が異常増殖したものです。この二つは、本質的には同一であるといわれています。

くさび形に角層が増殖し、「魚の目」ともよばれる外観を呈する"比較的小さめな有痛性角化局面"を鶏眼、"比較的広い範囲の角層増殖"で、「たこ」とよばれる痛みを伴わない類円形角化局面を胼胝とよびます。ただ、両者の合併例も多いです。

これらは、基本的に物理的圧迫や摩擦を受けやすい部位に出現します。関節リウマチや外反母趾などの骨変形を伴った高齢者の足底の内側や外側、および親指、小指の腹側などによくできます。

魚の目(鶏眼)の治療


一般的な治療としては、1)増殖角質層の除去、2)サリチル酸含有絆創膏(スピール膏M)などが行われます。

1)増殖角質層の除去としては、カミソリや鋏などで増殖した角層を取り除いたりしますが、清潔に行うことや、安全面での配慮を考えて、病院に受診して医師にお願いした方が良いでしょう(増殖角質層の辺縁をピンセットで持ち上げながら、角層の深さを確かめて鋏を入れると、出血なくきれいに除去できる)。

2)サリチル酸含有絆創膏(スピール膏M)を適度な大きさに切り抜き、患部に数日間貼付し、浸軟させると、鶏眼・胼胝は、白くなって軽く擦過するだけで角層は剥がれていきます。

さらに、HealthDayには、「米国整形外科学会(AAOS)は、魚の目の痛みを軽減する方法」として、以下のようなものが掲載されていました。
・快適な湯温の足浴をする。
・足浴の後、軽石を用いて魚の目を擦る。
・薬剤を使用していない魚の目パッド(円形で、圧迫と痛みを軽減するよう中心部がカットしてあるもの)を使用する。薬剤を使用したパッドは魚の目を刺激することがあるため避ける。
・足指の間に少量のラムウール(羊毛)をはさんでクッションにする。
・足によく合い、爪先に十分なゆとりのある靴を選ぶ。

まずは、足の形状に合わせた靴を選び、小さなドーナツ型パッドなど、市販のフットケアグッズの利用によって、可能な限り物理的刺激を除去するように努めることが重要です。

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