6月24日に「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)の収録を欠席したダウンタウンの松本人志について、所属事務所のよしもとクリエイティブ・エージェンシーが1〜2か月休養すると発表した。

同事務所によると、松本人志は半年前から左股関節に痛みを感じており、このたび医師の診察を受けた結果、「左股関節唇損傷」との診断を受けたそう。治療には手術が必要なため、今回、休養の判断に至った。なお、一部報道では松本人志は以前から股関節炎を患っていたと伝えられたが、痛めた箇所は今回が初めてで、持病説については否定している。

気になるのは現在の松本人志の状態だが、この点については日常生活に支障はなく、いたって元気とのこと。しかし、長時間立っていることや、動きのある仕事は難しいそうだ。

手術は病院の都合で約1か月後に行われる予定。それまでは自宅療養で、手術後は約1週間の入院、退院後は松葉杖を使用しながら仕事に復帰するという。具体的な復帰の時期は医師の指導を仰ぎながら決定し、1〜2か月程度先と見込んだ上で、後日、発表される予定だ。
(ダウンタウン松本人志が手術のため1〜2か月休養、吉本興業が正式発表。)



股関節とは/関節唇とは


股関節はヒトの最大の滑膜関節であり、解剖学的にはボール状の大腿骨頭とそれを収めるソケット状の寛骨臼とが関節包により連結された球関節です。大腿骨頭側では中心に骨頭靱帯が付着しており、その部分以外は大腿骨頚部への移行部まで関節軟骨に覆われています。

松本さんのケースでは、「関節唇」の損傷が問題となっていたようです。「関節唇」とは、関節窩の周縁を縁取る線維軟骨性の構造で、股関節以外には肩関節にみられます。関節頭に比べて関節窩が小さい場合に関節窩の深さと面積を補い、関節頭と関節窩の適合性を高める役割をもっています。

関節唇は損傷されたり、関節間に嵌入し関節機能障害がみられることがあります。軽微な外傷で、関節唇が損傷されるといったこともあります。こうした場合、関節唇切除術(全切除と部分切除法がある)などを考慮します。

股関節の靭帯には寛骨臼横靭帯、大腿骨頭靭帯、輪帯、腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯があります。股関節は、直立時に体重を支える一方、多様な運動を行う機能がありますが、脱臼や大腿骨頸部骨折などが起こりやすい場所でもあります。

股関節唇の障害が原因で、「変形性股関節症」が引き起こされることもあります。
変形性股関節症とは、股関節の骨頭軟骨、および臼蓋軟骨に変性が生じ、次第に軟骨が剥離・消失してしまう疾患です。剥離した軟骨は、滑膜炎を引き起こし、さらに軟骨の変性を進行させます。

軟骨が消失していくに従い、骨頭や寛骨臼に骨硬化、骨嚢胞、骨棘が形成され、著しい股関節の拘縮をきたしてしまいます。

原因不明のものを一次性、何らかの原因があるものを二次性に分類します。欧米においては一次性が多く、本邦においては臼蓋形成不全を伴う亜脱臼性の二次性股関節症(95%)が多いです。

日本における二次性股関節症は両側例が約半数みられ、女性が90〜95%を占めます。多くは先天性股関節脱臼の治療の失敗に続発してみられます。しかし、先天性股関節脱臼がなく、臼蓋の発育不良により股関節が亜脱臼を呈し、その結果、40〜50歳代に徐々に変形を生じるものも数多くみられます。

症状は股関節痛、跛行(脚を引きずる)、可動域制限、脚短縮などであります。疼痛は当初、動作開始時や長距離歩行後のことが多いですが、次第に階段昇降時、荷重時、安静時、就寝中の寝返り動作時にも起こります。

診断は臨床症状とX線写真で行います。ただ、症状に股関節痛がなく、腰痛、殿部痛、大腿部痛、膝関節痛を訴えることもあり、注意を要します。

X線写真により病期を前股関節症(関節症変化がない)、初期(わずかな関節裂隙の狭小化)、進行期(明らかな関節裂隙の狭小化)、末期(関節裂隙の消失)に分け、年齢を考慮して方針を決定します。股関節痛が患者自身でコントロールできるようであれば保存的な治療を行い、3ヶ月程度の保存療法が無効である場合、外科的な治療を考えます。

松本さんの場合、何が原因であったのかは不明だったそうですが、是非とも無理をなさらず、しっかりと治療にまずは専念していただければ、と思われます。

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