入院当初の病歴等を示します。
【患者】43歳男性
【主訴】全身性の筋力低下
【病歴】平成20年1月頃より、特に午後から全身の筋力低下がみられるようになっていた。以後、病状は進行し、特に平成22年1月頃より急速に進行し、PS(Performance states)は 4(寝たきり)となっていた。平成22年7月16日に肺炎をきたし、英仁大学付属名峰病院に入院。嚥下障害、全身の筋力低下、腱反射亢進などの錐体路徴候が認められ、同院神経内科にてALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断された。だが、家族の意向もあり、セカンドオピニオンとして同院総合診療科にコンサルトを求めた。
【既往歴】鼻骨骨折(平成20年にて空手練習中) その他特記すべきことなし。
【入院時現症】嚥下障害あり。腱反射亢進あり。全身の筋萎縮を認めるが、舌萎縮は認めず。
【検査所見】頭部MRI上、明らかな脳萎縮を認めず。
舌萎縮が認められないことや、総合診療科部長・氷室慎太郎(椎名桔平)が患者自身の声を聞いたことから、ALSとの診断に疑問が呈されました。主人公である研修医・向桃子(多部未華子)たちは、鑑別診断として
などが挙がりましたが否定的でした。鍼灸の後や、家族の証言から下肢の痛みや痺れありとの情報が得られました。
そこで、さらに以下のような疾患が考えられました。
【患者】43歳男性
【主訴】全身性の筋力低下
【病歴】平成20年1月頃より、特に午後から全身の筋力低下がみられるようになっていた。以後、病状は進行し、特に平成22年1月頃より急速に進行し、PS(Performance states)は 4(寝たきり)となっていた。平成22年7月16日に肺炎をきたし、英仁大学付属名峰病院に入院。嚥下障害、全身の筋力低下、腱反射亢進などの錐体路徴候が認められ、同院神経内科にてALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断された。だが、家族の意向もあり、セカンドオピニオンとして同院総合診療科にコンサルトを求めた。
【既往歴】鼻骨骨折(平成20年にて空手練習中) その他特記すべきことなし。
【入院時現症】嚥下障害あり。腱反射亢進あり。全身の筋萎縮を認めるが、舌萎縮は認めず。
【検査所見】頭部MRI上、明らかな脳萎縮を認めず。
舌萎縮が認められないことや、総合診療科部長・氷室慎太郎(椎名桔平)が患者自身の声を聞いたことから、ALSとの診断に疑問が呈されました。主人公である研修医・向桃子(多部未華子)たちは、鑑別診断として
1) ケネディー・オルタースン症候群(女性化がないなどの身体的特徴、進行から否定的)
2) 汎下垂体機能低下症(食欲低下はみられず否定的)
3) 神経性食指不振症(るいそう[痩せ]著明などはなし)
4) 脳幹サルコイドーシス(肝生検の結果、明らかなサルコイドーシスの所見なし)
などが挙がりましたが否定的でした。鍼灸の後や、家族の証言から下肢の痛みや痺れありとの情報が得られました。
そこで、さらに以下のような疾患が考えられました。
5)CIDP(慢性脱髄性多発神経炎)を疑い、髄液検査を施行しましたが、否定的でした。
また、家族の証言で夕〜夜間にかけて筋力低下が認められたとのことで、
6)重症筋無力症を疑いましたが、テンシロンテストを施行しましたが、ファイバースコピーにて咽頭部の筋力改善を認めなかったため、否定的でした。
さらに、空手が趣味で鼻骨骨折をきたし、鼻汁がしばらく続いていたことを家族の証言で聞きました。また、頭部MRIの位置決め像で小脳の脊椎管への陥凹を認めたため、改めて頭部MRIを施行。矢状断(縦切り)にて同様の所見を認めたため、鼻骨骨折により髄液鼻漏が起こり、その結果、「成人型Chiali1型奇形」と診断されました。
脳外科にコンサルト依頼し、後頭骨および椎弓切除にて症状改善みられていました。
【関連記事】
GM〜踊れドクター 第1話「Chiari(キアリ)奇形1型の患者」
また、家族の証言で夕〜夜間にかけて筋力低下が認められたとのことで、
6)重症筋無力症を疑いましたが、テンシロンテストを施行しましたが、ファイバースコピーにて咽頭部の筋力改善を認めなかったため、否定的でした。
さらに、空手が趣味で鼻骨骨折をきたし、鼻汁がしばらく続いていたことを家族の証言で聞きました。また、頭部MRIの位置決め像で小脳の脊椎管への陥凹を認めたため、改めて頭部MRIを施行。矢状断(縦切り)にて同様の所見を認めたため、鼻骨骨折により髄液鼻漏が起こり、その結果、「成人型Chiali1型奇形」と診断されました。
脳外科にコンサルト依頼し、後頭骨および椎弓切除にて症状改善みられていました。
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