番組の途中で、唐突に司会のみのもんたが腸に大きなポリープが発見されたと『告白』、スタッフや出演者はまったく聞かされていなかったようで、スタジオは一瞬、戸惑った雰囲気に包まれた。深刻なものなのだろうか。

メタボ検診で「要指導」と判定されながら、最後まで指導を受けた人は7%どまりという話題を取り上げていたとき、みのが「健康診断やこういう検診はやってくださいよ」とコメントしてこう続けたのだ。

「ボクも実際きのうやったの、直腸から食道までの検査。そしたら、ポリープが見つかりました。かなり大きなの。だから、細胞取ってこれから調べるそうです」

進行役のアナウンサーやコメンテーターに「エッ!」という空気が流れる。しばらく沈黙が続いたあと、ようやく井上貴博アナが「もちろん、良性、悪性がありますからね」と話を受けた。

「悪性だったら取らなくちゃいけないし、良性でもポリープは取らなくちゃいけない。13日の月曜日だな、9月の。もう1回(検査)やります」

便の潜血検査で出血が認められ、腸のバリウム検査かなにかでポリープが確認されたということなのだろう。
もっとも、みのは楽観しているようで「(9月13日の検査を)カメラ持って撮りますか?」と笑いを誘って次の話題に移った。
(【ワイドショー通信簿】みのもんた「腸に大きなポリープできちゃった」)




大腸ポリープとは


大腸ポリープとは、大腸粘膜の限局性の隆起性病変を漠然と指しています。あくまで、肉眼的な限局性隆起の総称です(内腔への限局性突出物をさす形態学的用語であり、病理学的組成を表すものではない)。

組織学的な性状を規定しないため、良性(腺腫、過形成性ポリープ、若年性ポリープ、炎症性ポリープなど)であったり、悪性(癌腫、悪性リンパ腫など)の場合もあります。

ポリープが多数存在する状態をポリポーシスといいます。ポリポーシスには、組織学的に性質の異なる種々の疾患が含まれています。

疾患によってポリープの数も全く異なっています。例えば、数十個の腺腫が大腸に存在する場合、多発性腺腫と呼び、孤立性腺腫と大腸腺腫症の間に位置づけられており、通常ポリポーシスの範疇のなかには含まれません。

大腸ポリポーシスは、遺伝性と非遺伝性に分けられます。遺伝性のものとしては大腸腺腫症、若年性ポリポーシス、ポイツ-ジェガース症候群、カウデン病(全消化管に過誤腫性と過形成性変化が混在するびまん性のポリープがあり、随伴病変として顔面四肢末端の多発性丘疹、口腔内粘膜の乳頭腫、乳腺・甲状腺・卵巣の腫瘍、および血管腫がある)などがあります。

非遺伝性のものには、炎症性ポリポーシス、良性リンパ濾胞性ポリポーシス、化生性あるいは過形成ポリポーシス、およびクロンカイト-カナダ症候群(腺管の嚢胞状拡張と粘液貯留のみられるポリープが胃・小腸・大腸にびまん性あるいは散在性に発生し、随伴病変としては全身のびまん性色素沈着、脱毛、爪甲の萎縮ないし脱落のみられる疾患)などがあります。

ポリープには、良性も悪性も存在することになりますが、悪性と判明した時点で、それらは癌、肉腫(悪性リンパ腫も含む)に分類され、ポリープから除外されます。

また、良性非上皮性の場合は粘膜下腫瘍と称されるので、結局、良性上皮性突出物をさすことになります。ただ、それでも腫瘍性、炎症性、過誤腫性、過形成性、その他に分かれ、腫瘍性では腺腫の中に癌巣が見つかることが少なくないです。

一般的には、ほとんどが良性疾患を指して用いられることが多いようです。年齢とともに腫瘍性ポリープの発生頻度は増し、40歳以上では約15〜20%といわれます。

ポリープが発見されたとき、以下のように診断していきます。
診断手順として、内視鏡や生検組織所見などから腫瘍性か非腫瘍性か、良性か悪性かを診断します。そして、次に内視鏡治療が技術的に可能かどうか、根治可能か否かを診断します。

一般に大腸ポリープに特徴的な症状はなく、腹痛や便通異常などの他疾病に伴う症状や、検診などを契機にX線検査や大腸内視鏡検査を行って発見されることが多いです。ポリープから出血することもありますが、大量出血や黒色便をきたすことは稀です。

大腸ポリープのうち腫瘍性ポリープである腺腫は、悪性化ないし癌合併の頻度が高いため、原則として治療する必要があります。また、非腫瘍性ポリープは悪性化しませんが、癌化ないし癌合併することがあり、大きくなると出血したり腸重積を起こす可能性があるため、治療の適応となることがあります。

一般的にポリープの大きさが増すと、腺腫の一部に癌を伴った腺腫内癌や、大部分が癌で一部に腺腫を伴う癌が認められるようになります。腺腫の一部に癌を合併する頻度は、絨毛腺腫で80%、腺管腺腫で10%程度といわれ、癌化傾向があると考えられています。

大きさ別には、1cm 以下では1%前後ですが、1〜2cmでは約10%、2cm以上では40%以上の癌の合併率が報告されています。

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