約5ヶ月という長きに渡る病気療養中であったナインティナイン・岡村隆史さんが、復帰されました。一時は、「がんセンターで目撃された」との話も出ており(ご自身で否定されてましたが)、さまざまな噂が錯綜していました。

その病名や病状も明らかにされず、多くの方々がご心配されたかと思われましたが、「ナインティナインのANN」にて、その一端が明かされていました。その症状などから何が分かるのか、考察してみたいと思います。


岡村「(病気になって、その症状の)色んなブームがきたんですよ。一番最初は、金融不安・金融恐慌なんですよ」

矢部「『お金無いねん』って言って、サイフを見せてくるんですよ。『ほら、こんだけしかない』って言って。まぁまぁ、少ないというか、数万円入ってましたけど」

岡村「外に出てないから、お金も入ってないんですよ。だから、サイフに入っているのが全財産って思ってもうて。『お金無いねん』って」
(ナイナイ・岡村が語る「病気の症状・経過」)


貧困妄想
この症状は、「貧困妄想」と呼ばれるものだと考えられます。「自分の所持金、財産などが失われ、生活ができなくなったと思い込んだり、将来そうなるであろうと信じる妄想」(医学大辞典)を指します。

うつ病、特に初老期から老年期にかけて初発するうつ病にみられ、不安・焦燥感、自責感、罪業妄想(罪を犯してしまったのではないか、と妄想する)、心気妄想(実際にはそのような病気に罹っていないのに、罹っていると信じる妄想)などを伴うことが多いです。

うつ病では、「卑小妄想」といって、自己の価値や能力を低いと確信する妄想を抱くことがあります。財産に及ぶと上記のような貧困妄想、健康面では心気妄想や疾病妄想、名誉良心に関わると罪業妄想になります。
岡村「次に、『俺、クサないか?』ブームが来たのよ。『俺、クサないか?』って訊くけど、『そんなことないですよ』って言われて」

矢部「それは、急にくるの?」

岡村「急にやねん。急にそう思うねん」
(ナイナイ・岡村が語る「病気の症状・経過」)

自己臭妄想/自己臭恐怖
この症状は、「自己臭恐怖」などと称されます。自己臭妄想は、「自分の体からいやな臭気が放出されているという内容の妄想体験」、自己臭恐怖は、「自分の体から不快な臭いが発生していると思いこみ、それに対し周囲の人が嫌悪感を示していると確信している状態」(医学大辞典)を指します。

10代後半の男性に発症することが多く、これによって患者が他人から嫌がられると確信して、対人関係を忌避したり対人緊張を強めたりすることがあります。


岡村「体力的にどんどん落ちてくるのが分かるのよ。もう、電話を持つだけでも重いの。『俺、めっちゃ痩せてない?』って言って、服を脱ぐブームもあってん。」

岡村「見せたいブームっていうか、労って(いたわって)くれ、みたいな。相方は相方で『帰ります!』ってすぐに言うし」

岡村「だけど、俺からすると『ゲソゲソに痩せてるやん』って思ってるのよ」
(ナイナイ・岡村が語る「病気の症状・経過」)

ボディイメージの歪み/心気妄想
ボディイメージとは、体験され、意識化された身体の空間像を指します。つまり、自分自身の身体のとらえ方、イメージを指します。そのイメージ・認知の歪みにより、精神的な問題を抱える人もいます。たとえば、摂食障害などでは、いくら痩せても「まだ太っている」といったボディイメージの歪みがあるため、無理なダイエットをし続けます。

岡村さんのケースでも、こうしたボディイメージの歪みがあったのではないか、と考えられます。また、心気妄想といって、「実際にはそのような病気に罹っていないのに、罹っていると信じる妄想」を持つ方もいます。

精密な検査を繰り返し行い異常がないことを説明しても、その確信を覆すことはできません。ボディイメージの歪みから、「もしかしたら病気かもしれない」といった妄想を抱き、心気妄想へと発展した可能性も、もしかしたらあったのかも知れません。

岡村「『じっとしてられませんブーム』もあって」

矢部「ソワソワ、ソワソワすんねん」

岡村「こんなところでじっとしてたらイカン、って思って。みんな働いてんのに」

矢部「焦りやろな」

岡村「ずっと歩く、みたいな。部屋の中を歩いて。大谷マネージャーに『とりあえず、じっとして座って話しましょう』って言われるんやけど、なんやろな…よくホストの人が『いらっしゃいませ』って言って座るような…」

矢部「片膝ついて」

岡村「片膝付いて。でもな、って言って。なんやろうな、アメフトの審判みたいな感じのスタイルで、『こんな仕事休んで大丈夫なんかな?』って思って。『とりあえず、体を治すことが先決です』って言われて」
(ナイナイ・岡村が語る「病気の症状・経過」)

不安/焦燥感
岡村さんは、強い不安感や、焦燥感(あせり)を抱いていらっしゃったようです。

上記の症状から考えると、推測の域を出ませんが、岡村さんは「激越性うつ病(激越うつ病)」であった可能性があるのではないか、と考えられます。

悲哀感、抑制などがほとんどみられず、不安・焦燥の非常に強いうつ病をこう呼ぶことがあります。一般に、初老期、老年期のうつ病で多くみられ、青年期に多い抑制主体の抑制型うつ病とは症状が異なります。

「激越性うつ病(激越うつ病)」の場合、患者さんは坐っていることもできず、落ち着きなく屋内を徘徊したりします。背景に、罪業妄想・希死念慮(死んでしまいたいと考える)などがあって焦燥を強めていることが少なくなく(岡村さんのケースでは、貧困妄想があったようです)、その場合は妄想性うつ病の治療が必要となります。


もちろん、これらは症状の一端を見ているのみで、さらに言えばラジオで語られた体験のみから判断しているため、正しい診断とは限りません。あくまでラジオを聴いたのみでの情報を統合した結果、私自身が思ったことをまとめたのみです。

ファンの1人として、是非ともご自愛なさって、これからも末永く芸能活動を続けていただければ、と存じます。

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