本人のTwitter上にて、
「取材抜け出して今から病院へヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3」
「今から病院行ってきます円形脱毛症になってまった」
「間違えてTwitterに…」
「なーんて冗談だよーん( *`ω´)」
とつぶやきが投稿され、後に「今から病院行ってきます円形脱毛症になってまった」のコメントが削除された模様です。

真偽のほどは不明ですが、円形脱毛症になってしまったという可能性もある、とのことです。

円形脱毛症とは


円形脱毛症は、前駆症状がなく突然に円形の脱毛斑を生じる疾患です。その数と病変の広がりによって分けられることもあります。

限局性の円形脱毛巣が生じる「単発性ないし多発性通常型」、頭髪の生え際が脱毛する「ophiasis型」、頭髪全体が脱毛する「全頭型」、全身脱毛が起こる「汎発型」に分類されます。

重症度によっては、小さな単発の円形脱毛斑のみの軽症例から、脱毛斑が全頭部に拡大し、さらに全身の体毛も脱毛する重症例まであります。

どの年代でも発症しますが、その半数が30歳までに発症し、1/4が15歳以下で発症するとされます。就学前の幼児に発症することもあり、男女間に性差はありません。約20%の家族内発生があり、一卵性双生児では2人とも発症する確率が高いといわれています。本症になりやすく重症化と関連する、遺伝子も指摘されています(HLAタイピング)。

病巣部では、成長期毛球部にCD4陽性T細胞の浸潤や、免疫グロブリンの沈着がみられるといったことも言われており、自己免疫の関与が考えられています。また、甲状腺疾患、尋常性白斑、悪性貧血、糖尿病、Addison病、潰瘍性大腸炎など自己免疫性と考えられる疾患にかなり高率に合併するといわれています。

小児の半数では、アトピー性皮膚炎の合併がみられます。家族内発生は10〜20%にみられ、こうした場合アトピー素因と円形脱毛症の合併も注目されています。特に汎発型では、アトピー性皮膚炎の合併率が高いといわれています。

円形脱毛症の治療


円形脱毛症の治療としては、以下のようなものがあります。
円形脱毛症の治療としては、単発性通常型や多発性でも数か所に止まるものは自然治癒することもありますが、全頭型、汎発型では難治であり、治療に抵抗することが多いといわれています。その場合、外用療法はほとんど無効であり、液体窒素療法や局所免疫療法である程度の有効性が得られるといわれています。

外用療法としては、塩化カルプロニウム(フロジン)や 副腎皮質ホルモン剤であるフルオシノニド(シマロン、トプシム)の軟膏やローションが処方されたりします。小範囲例は数ヶ月ほどで自然治癒するので、こうしたステロイド外用などで経過をみることが多いようです。ただし、効果のないまま外用を継続するべきではありません。

広範囲で半年〜1年以上の難治例には、局所免疫療法を開始します。方法としては、まず脱毛部において1%濃度で感作させます。1〜2週間後に濃度別に0.00001%、0.0001%、0.001%の3種類でパッチテストを行い、紅斑反応の起こった濃度の1つ薄いもの、または0.00001%の濃度のものから1〜2週間ごとに脱毛部に外用します。

少しでも紅斑反応が生じている場合、あるいは紅斑がなくても発毛がある場合では、その濃度の外用を継続します。紅斑反応、発毛がなくなれば、少しずつ濃度を上げていきます。

内服療法としては、セファランチンや、グリチロンなどの内服を行います。また、全頭型など難治例では、ステロイドホルモン薬の内服である程度の効果が得られるといわれています。ただ、上記のようにステロイド内服には副作用(上記のように満月様顔貌や、免疫抑制作用、小児であれば成長抑制など)があります。急速進行例やほかの治療法が無効な症例を対象とし、長期の内服による副作用に注意しなければなりません。

ただ、外見に関係する疾患であり、当人は非常に気になる問題であると考えられます。副作用との兼ね合いもあり、皮膚科医などの専門の医師と相談の上、適切な治療を受けられることが望まれます。

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