浮腫(edema)とは、身体組織に水分がたまることによって生じるむくみで、足、足首および脚に最もよくみられるが、身体のあらゆる部位に生じる。米国立医学図書館(NLM)によると、浮腫の主な原因には以下のようなものがある:
・塩分の過剰摂取。
・日焼け。
・肝硬変、腎疾患または心不全などの健康障害。
・妊娠。
・リンパ節の障害。
・薬剤に対する有害反応。
・長時間立ち続ける(特に気候が暖かいとき)。

2011年2月9日/HealthDay News

一般的に、体液は「細胞液」と「細胞液」に分けられます。「細胞液」は間質の組織間液と血管内の血漿に分けられます。この組織間液が増加した状態が、「浮腫」とよばれます。

組織間液が2〜3 L以上に増加すると、臨床的に眼瞼、手指、外陰部、下腿などの腫脹として浮腫が認められます。通常、浮腫の出現部位(下肢脛骨前面など)の圧迫により圧痕が残る(圧痕性浮腫)と、圧痕が残らない浮腫(非圧痕性浮腫non-pitting edema)として粘液水腫があります。

浮腫が高度になると、胸水、腹水も伴い全身水腫と呼ばれます。浮腫はその局在により、全身性浮腫と局所性浮腫に大別されます。

患者さんの訴えとしては、「顔が腫れぼったい」「靴・指輪がきつくなってきた」「むこうずねを押すとへこんだままになる」などがあります。また、「急激に体重が増えた」といった訴えの場合は、全身性浮腫の可能性が考えられます。

浮腫が認められるとき、その分布が局所性なのか、全身性であるのかを見分ける必要があります。その鑑別としては、以下のようなものがあります。
局所性の浮腫は、局所の炎症あるいは静脈やリンパ管のうっ滞などが原因となります。炎症性浮腫の場合は、同時にその部位での発赤、熱感、疼痛を伴います。発作的または一過性に出現する限局性浮腫としてQuincke(クインケ)浮腫があり、血管神経性に毛細血管透過性の亢進により起こると考えられています。
 
全身性の浮腫はその原因により、心性(心疾患などが原因)、腎性、肝性、内分泌性、妊娠性、栄養失調(障害)性、薬物性、特発性などに分けられます。一時的でなく、浮腫が続くようであれば、一度、病院を受診された方が宜しいかと思われます。

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