毎週日曜日に生出演するTBS系「アッコにおまかせ!」(前11・45)の終了後、体力維持のためジム通いしているというが、「すぐ(翌日)に筋肉痛が出るんですけど、この2週間は痛みがとれない。座っていても股関節がピーッと来る」と症状を説明する。

アシスタントを務めるニッポン放送の垣花正アナウンサー(39)が痛みを心配する中、さらに「ちょっと手足の指先まで血液が行かなくなったようで、『シェーグレン症候群』っていう病気らしいの」と激白した。

シェーグレン症候群は涙腺と唾液腺を対象とした疾患だが、関節リウマチ、強皮症など全身性の臓器病変を伴う膠原(こうげん)病を併発することが多く、原因は特定されていない。

症状がひどいため都内の病院で診察してもらったが、病名の断定には至らなかったようで4月に再検査を受ける。「自分の感覚では指先がしわっしわで痛くてしようがない」と話しており、悪化すれば歌手活動に影響を与える恐れも出てくる。

和田は1973年と84年に声帯ポリープの除去手術、98年には持病の腰痛が悪化して椎間板(ついかんばん)ヘルニアの手術を受けるなど、けがや病気を複数回経験。それでもファンに歌声を届けるため、その都度、不死鳥のごとく復活してきた“実績”がある。

ひとしきり症状を話した和田は、「ふざけんな!ってぐらい痛いし、もう満身創痍(そうい)って言葉がピッタリ」と最後に豪快に笑い飛ばした。
(和田アキ子、難病激白「もう、満身創痍」)

シェーグレン症候群とは、中年女性に好発し、涙腺・唾液腺を標的とする自己免疫疾患です。発症は50歳台がピークで、男女比は1:14で圧倒的に女性が多いです。

涙腺、唾液腺などの外分泌腺障害に伴う口腔乾燥(ドライマウス 80%)と眼乾燥(ドライアイ 70%)が主症状であるが、腺外病変として多発関節痛、リンパ節腫脹、レイノー現象、慢性甲状腺炎、間質性肺炎、間質性腎炎と腎尿細管アシドーシス、萎縮性胃炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変など多彩な臓器病変を発症する全身性自己免疫疾患としての特徴も有します。

和田アキ子さんの「ちょっと手足の指先まで血液が行かなくなったようで」という症状は、レイノー現象によるものであると考えられます。レイノー現象とは、四肢末梢が発作的な動脈の収縮により乏血を来し、皮膚の蒼白化、チアノーゼが生じ、冷感や疼痛を訴えるものです。回復すると逆に充血、発赤が生じます。

また、シェーグレン症候群は、欧米では悪性リンパ腫の合併が5%と報告されており、一般人口における危険率の40倍と高いです。シェーグレン症候群単独の一次性シェーグレン症候群とほかの膠原病に合併する二次性シェーグレン症候群とに大別されます。

診断、治療としては以下のようなものがあります。
診断には、厚生労働省シェーグレン症候群改訂診断基準(1999年)が用いられます。
1)口唇小唾液腺生検陽性
2)唾液腺造影陽性または唾液腺分泌量の低下と唾液腺シンチ陽性
3)Schirmer試験陽性かつRose Bengal試験または蛍光色素試験が陽性
4)抗SS-Aまたは抗SS-B抗体陽性

の4項目中2項目を満たせば診断できます。

治療は、腺外症状の有無により異なります。一般に、乾燥症状のみの場合にはステロイド剤の適応にはならず、対症療法が中心となります。一方、重篤な腺外病変を有する場合には、的確に病態を把握し十分量のステロイド剤や免疫抑制薬を用いて治療を行うべきであると考えられます。

乾燥性角結膜炎にはヒアレインなどの点眼薬、口腔乾燥症状にはサリグレンカプセルなど、軽度の発熱、反復性唾液腺腫脹、リンパ節腫脹、多発関節炎、多発筋痛症などの症状に対してはステロイド薬や解熱鎮痛薬などを用います。

進行性の間質性肺炎、糸球体腎炎、間質性腎炎、自己免疫性肝炎、中枢神経障害、高ガンマグロブリン血症やクリオグロブリン血症に伴う高粘稠度症候群、ほかの膠原病の合併例に対しては、免疫異常是正のために十分量のステロイド剤や免疫抑制薬を使用します。

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