「部長刑事」「銭形平次」「水戸黄門」などのドラマや舞台出演で名脇役として知られる俳優・入川保則(71)が、がんを患い、余命半年を宣告されていることが2日、明らかになった。

現在、がんは全身に転移しているが、抗がん剤などの延命治療は拒否。すでに葬儀の手配も自身で済ませており、「理想通り(の死)」と覚悟を決めている。また、妻で元女優のホーン・ユキ(60)と2004年に離婚していたことも明かした。
 
余命半年…。日本ドラマ史を支えた名脇役が、死を覚悟したとは思えない穏やかな表情でがんを告白した。「先生には『早くて8月、頑張れば12月くらいまではいける』って言われましたね」‐。顔色や体格などその見た目からは、病人であることさえ感じることはできなかった。

がんが発覚したのは昨年7月。出演していた前川清と藤山直美の舞台で、沖縄を訪れた際、脱腸となり手術を受けた。その後の精密検査で直腸にがんが見つかり切除したが、がんは全身に転移、進行した状態だった。

突然の告知にもまったくショックはなかった。入川は、医師と相談した上で再手術や抗がん剤治療も受けないことを決意。「むしろ理想通り(の死)で落ち込んでもいない。預貯金もないけど借金もないし、ちょうどいい」と振り返った。

同10月には舞台に復帰。12月の千秋楽まできっちりと演じ切り、1960年のデビューから50年以上続けた俳優業に自身で区切りをつけた。

「70を過ぎてどうしても反応が遅れてしまうのを自覚するようにもなってた。ごまかす自信はあるけど、それは偽物。『まだできるのに』って思われるのが引退の時期かな」。台本を置き、引退を決意したことで、がんを公表した。

さらに私生活では、長年連れ添い、3人の子をもうけた妻の元アイドル、ホーン・ユキと6年半前に離婚していたことも明かした。現在は神奈川県内で一人暮らし。葬儀社との値引き交渉やケアハウス探しまで自ら行っている。

がん患者とは思えない“力”がみなぎっている。「今はがんより花粉症の方が大変なくらいだよ。これだけ準備してて死ねないっていうのが一番怖いね」と笑い飛ばした入川。余命半年…、名脇役は笑顔で人生という大舞台の幕を引こうとしている。
(「水戸黄門」名脇役、がん告白…余命半年)

大腸癌/直腸癌とは


大腸癌とは、大腸(結腸、直腸)粘膜に発生する悪性腫瘍のことを指します。癌がどれだけ深達しているかにより、粘膜下層までの早期癌と、固有筋層より深部に達している進行癌に分けられます。大部分が腺癌ですが、まれに扁平上皮癌のこともあります。

大腸癌の中では、直腸癌が大腸癌全体の約40%と最も多く、次いでS状結腸癌に頻度が高くなっています。男性に多いといわれ、40歳以上に多く、50〜60歳台に最も高率であるとのことです。

大腸癌の発生率は、西欧食の特徴である高脂肪、高蛋白、かつ低線維成分の食物と正の相関関係にあるといわれています。大腸癌の低発生国(地域)でも、生活様式の変化(食事の西欧化)、あるいは高発生国への移住などにより短期間に大腸癌のリスクがあがるといわれています。

大腸癌の症状としては、早期癌は無症状のことが多いです。早期癌に関係のある症状は、下部(直腸、S状結腸)大腸癌における血便のみです。

ただ、S状結腸癌では、直腸癌とは異なり、癌からの出血があっても通過している間に血が便に混じりこみ、見た目では出血が分かりにくいこともあります。そのため、トイレの時での見た目だけでは、血便があるかどうか判断しかねる、というところがあります(便潜血反応は陽性となり、検査では容易に分かります)。

進行癌では、大きさと存在部位によって症状が異なります。
右側結腸は、腸管腔が広く、腸内容が液状であるため、症状が発現しにくいです。大きくなって腫瘤として触れたり、原因不明の貧血(血便など出血による貧血)の検査で発見されることがあります。右側結腸癌の70〜80%は、軽度の腹痛などを生じます。

左側結腸は管腔が狭く、伸展性も悪く、なおかつ腸内容は固形化しています。そのため、腹痛を伴った通過障害が出現してきます。特に、左側結腸は癌によるイレウス(腸閉塞)がよく生じ、さらに肛門に近いため、出血もわかりやすいと考えられます。

直腸癌は肛門に近いため、さらに小さな病変でも早く症状が出現してきます。排便時の違和感、糞便の細小化(便が細くなる)、便通障害、テネスムス(腹痛があり、頻繁に便意をもよおすのに、ほとんど便が出なかったり、あってもわずかしかない場合)、出血、などがみられます。

直腸癌の治療


直腸癌の治療としては、以下のようなものがあります。
大腸癌の治療方針は、術前診断で決定されます。注腸造影検査や大腸内視鏡検査にて内視鏡治療が可能であると判断した場合は、内視鏡的摘除を行い、病理組織検査にて追加治療の必要性を判断します。

それ以外の場合は手術治療の適応と判断し、腹部CT、腹部超音波検査、胸部単純X線検査、腫瘍マーカーなどの測定を行い、癌の進行度を判定します。

内視鏡治療は、大腸粘膜内癌(m癌)または粘膜下層に浸潤している疑いがあっても軽度であると判断した病変で、かつ2cm未満の大きさであれば、内視鏡的摘除を行います。病理組織検査にて、大腸粘膜内癌(m癌)または粘膜下層浸潤癌(sm癌)であっても浸潤距離が1mm未満であれば、そのような病変ではリンパ節転移がないことから、経過観察とします。

浸潤距離が1 mm以上の場合は、リンパ節転移が約11%に認められ、リンパ節転移の可能性があります。その際、追加治療を行うかどうか判断する必要があります。

大腸癌の根治をめざす手術では、腫瘍の両側5 cm以上離して切除すれば局所侵襲を除去できます。結腸癌では腫瘍を除去し端々吻合を行います(例えば、右半結腸切除術、横行結腸切除術、左半結腸切除術など)。早期癌では腹腔鏡補助下結腸切除術も行われます。

結腸癌・Rs癌では、術前診断が粘膜下層浸潤癌(sm癌)であればD2郭清を、固有筋層浸潤大腸癌(mp癌)やStage II、Stage IIIであればD3郭清を行います。

リンパ節転移があるステージ?期の患者さんが術後補助化学療法の対象となり、手術後に5-FU/l-LV[アイソボリン]の6ヶ月投与が標準的に行われているようです。リンパ節転移のないStageI期、Stage?期の大腸癌について術後補助化学療法の有用性は明らかではないため、基本的には術後補助化学療法は行わず、無治療で経過観察をするようです。

根治的な手術が不可能な場合(切除不能進行・再発大腸癌など)は、化学療法の適応となります。UFT+経口LV+CPT-11を中心として、FOLFOX4(5-FU+ロイコボリン+オキサリプラチン)、FOLFOX6(5FU+l-ロイコボリン+l-オキザリプラチン)、FOLFIRI(アイソボリン+5-FU+イリノテカン)、5FU+LV(PRMI、de Gramont)、UFT+経口LV、UFTの選択肢があります。

また、アバスチンという新薬(昨年4月認可)もあります。アバスチン(一般名 ベバシツマブBevacizumab)は、血管内皮細胞増殖因子 (VEGF)という蛋白質を抑制するモノクローナル抗体です。

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