地震が起きているわけではないのに、体が揺れているような感覚やめまいなどを感じる「地震酔い」。3月22日に気象庁が発表した報道資料によれば、岩手県沖から茨城県沖で3月18日12時から22日12時までの4日間に発生した余震の数はマグニチュード5.0以上のものが318回にも及ぶとしています。

東北や関東を中心に余震は現在も続いているため、本当の地震なのか、揺れているように感じてしまうだけなのか戸惑ってしまう人も多いようです。

医師に相談できるQ&Aサイト「アスクドクターズ」には、「地震酔い?」というタイトルで地震後から常に揺れている感じがおさまらないという相談が寄せられています。
「地震後から、常に揺れている感じが治まりません。気持ちが悪いとかはないです、ただ恐怖です。歩いてると、ふらつく事もあります。頭痛や肩凝り、脇の下が痛み、動悸が激しく、特に胃がキリキリ痛んだり、掴まれたような感覚があります(胃の痛みは、食後4時間後くらいから)ぐおっっとなります。地震も怖いし、会社も危ないし、常に揺れているし、脇は痛いし、動悸はするし、胃は痛いしで、どうにかなってしまいそうです。元々心配性でしたが、もっと現実に辛く苦しい人はたくさん居るはずなのに、たいした被害もない自分がこうなる事も情けないです。病院に行こうと思いますが、果たして何科を受診すればいいですか?」

この質問に対し、アスクドクターズでは、以下のように答えられていたようです。
「これは地震で揺れが持続して平衡器官がバランスを失い起こる『動揺病』というものだと思います。ストレスが症状を助長します。乗り物に常時ゆられてめまいや吐き気が起こるのが乗り物酔いであり、今回は地震酔い、これがともに「動揺病」なのです。耳鼻科受診が理想ですが、内科でも結構です。乗り物酔いに効くトラベルミンが地震酔いにも効く可能性があります。内科でも処方可能です」

(「地震酔い」、何科を受診すべき?)


動揺病(加速度病)とは、乗り物に乗ったりすることで生じるめまいのことです。このめまいは、三半規管、耳石器の過剰刺激と視運動眼反射による視覚の乱調が組み合わさって生じます。簡単に言えば、耳(回転や加速度を感じ取る内耳)と、目で見ている景色とのズレで生じると考えられています。

ちなみに、(内耳の)半規管では、回転運動の加速度を膨大部にある「前庭感覚細胞」が感知し、耳石器は「球形嚢」という部分が垂直加速度、「卵形嚢」という部分が水平加速度を感知します。

船、車やバスなどでよく生じますが、電車や自転車では少ないです。(内耳の)三半規管と耳石器が乗り物の動きによって過剰な刺激を受けるため、前庭眼反射による眼振の出現、前庭自律神経反射による悪心・嘔吐、前庭脊髄反射による平衡失調が生じるといわれています。

動揺病は、船では乗船するかなりの人に生じますが、激しく酔う人と、そうでない人がいます。車酔いの生ずる人は少ないですが、酔いやすい人も存在します。慣れる人と慣れの生じない人がいます。女性や小児では乗り物酔いが生じやすいといわれています。

症状は、副交感神経症状が強いです。自律神経は、交感神経と副交感神経があります。副交感神経は、ヒトが不安がなく休んでいる時ないし寝ている時に強く作用しています。すなわち血圧を下げ、呼吸を弱くし、脳および内臓に血液を十分に供給して疲労回復をはかり、また消化運動を盛んにします。

動揺病では、前庭自律神経反射が、前庭眼反射および視運動眼振と同時に生じるため、嘔気と嘔吐が主症状となります。冷汗、低血圧、顔面蒼白なども生じます。平衡障害が生じるわけではないですが、気力が失われます。

動揺病の治療としては、さらに以下のようなものがあります。
動揺病は、当然のことながらその原因は、乗り物など揺れるものに乗ることによる刺激となります。ただ、心理面の影響が少なくなく、暗示にかかりやすいといわれています。暗示に掛かりやすい人は、乗り物に乗っただけで酔いが生じる重症例があります。

まずは、こうした自己暗示(自分は乗り物酔いしやすい、といったこと)を取り除くことが重要です(暗示療法や、自律訓練法をあらかじめ行い予防を試みることも行われています)。

予防には、薬物治療を行います。抗ヒスタミン薬のなかでジフェンヒドラミン(トラベルミン)を1回1〜2錠あるいはジメンヒドリナート(ドラマミン)1回1〜2錠を内服します。

ただ、上記の例では、心因的な要素がかなり大きいのではないでしょうか。ご自身でも「元々心配性でしたが…」と書かれていますが、状況の捉え方は人それぞれであり、同じ環境にあってもストレスの受け方や不安というのは感じ方も異なってきます。

日常を送る上で、不安症状や不眠といった症状が現れて支障をきたすようであれば、精神科も受診の選択肢としてあげても良いのではないでしょうか。

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