歌手で女優の松浦亜弥(25)が30日、4年前から子宮内膜症であることを自身の公式サイトなどで明らかにした。

激しい痛みがあるためこれまでコンサート活動を制限するなど体調を考慮しながら活動してきたといい、「これからも無理しない範囲での活動はしていきたい」としている。

また、司会役でレギュラー出演している日本テレビ系「メレンゲの気持ち」の29日の収録でも告白。「4年半ほど前からたまにおなかに痛みを感じることがあり、立てなくなることもあった」とし、検査を受けた病院で子宮内膜症と診断されたことを明かした。「体調のコントロールが難しくて仕事の量を抑えてもらってきました。最近ようやくリズムをつかんできたところです」とした。サイトで松浦は「2009年に『2〜3年はライブをお休みします』と言ったのはこのことで決めたこと」と説明している。

今回、病気を公表した理由を「少しでも多くの女性に、自分の体調の変化に気づくきっかけにしてもらえればと思ったから」とし「産婦人科は行きづらいという人もいるかもしれませんが、何か異変を感じたら、病院に行ってほしい」と訴えている。
(松浦亜弥 子宮内膜症を告白 4年前から激しい痛み)

子宮内膜症とは


子宮内膜症とは、子宮の内腔にある子宮内膜、あるいはその類似組織が、別の場所で生育・増殖する疾患です。子宮内膜とは、子宮の内側にある粘膜組織で、卵子が排出される時期に合わせて成長し、妊娠しなかった場合は、月経時に血液とともに排出されます。

ですが、実は月経の血液は、全てが体の外に排出されているわけでなく、その一部が、卵管を逆流し体内に留まってしまいます。

月経のたびに、子宮以外の場所で子宮内膜がはがれ、炎症の範囲を広げていったと考えられます。多くは骨盤内に発生し、その他、肺などの遠隔臓器などにも発生し、増殖していく可能性があります。

生殖年齢の女性に好発し、骨盤痛や不妊が主だった症状となります。好発臓器の一つである、卵巣に形成されるチョコレート嚢胞、そこから発生する卵巣癌も重要となります。

子宮内膜症の治療


子宮内膜症の治療方針としては、以下のようなものがあります。
子宮内膜症の治療は、年齢や挙児希望があるか、不妊期間などを考慮して決定します。未婚例では、頭痛への保存的対応が中心となり、非ステロイド系消炎鎮痛薬などが第一選択となります。無効例では、一相性低用量ピルなどが用いられます(根治性は基本的にはありません)。

症状の改善が得られない症例で、子宮の可動性制限や、ダグラス窩硬結がみられる場合には、腹腔鏡下手術による病巣の切除・焼灼あるいはGnRHアゴニストやジエノゲストによる内分泌療法を選択します。挙児希望があり、子宮内膜症が不妊症の主因と考えられる症例では、腹腔鏡下手術を選択されることが望まれます。

チョコレート嚢胞を合併しているケースでは、癌化の頻度が年齢が進み、嚢胞のサイズが大きくなるとともに上昇することがしられており、妊娠中にチョコレート嚢胞を指摘され、分娩に至った場合や、年齢的に不妊治療を終了した40歳以降の場合には、CT検査などを参考に手術を考慮します。

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