女優の貴城けい(37)が、急性肺炎のため緊急入院していることが分かった。所属事務所によると、10日に体調不良を訴え、病院で検査を行ったところ高熱を伴う急性肺炎と診断され、同日の主演舞台「Side Show」千秋楽公演を中止した。15日からの大阪公演は降板、谷合香子らが代役を務める。

所属事務所では「現在は検査入院中で、今後のことは検査次第となります」と説明している。このため17日に予定されていた舞台「王様と私」の製作発表会見を欠席する。

貴城は元宝塚歌劇団の宙組トップスター。07年に退団し、舞台、ミュージカルなどを中心に女優として活躍している。「Side Show」はブロードウェイ・ミュージカルで、昨年、貴城が主演となり日本で初めて上演されて好評を得ていた。
(貴城が肺炎で緊急入院)

肺炎とは


肺炎は、罹患場所によって市中肺炎(普通の生活のなかで発症した肺炎)や院内肺炎(病院で治療中の患者、他の疾患を持つ患者に発症した肺炎)と分けたり、他にも感染した細菌やウィルスなどで分類したりします。貴城さんのケースでは、市中肺炎となります。

起炎微生物の種類としては肺炎球菌とレジオネラの2菌種が重症肺炎の原因菌となり、注意する必要があります。市中肺炎で最も頻度の多い原因は、肺炎球菌です。特に、ウイルス感染や喫煙で気道の線毛運動によるクリアランス機構(細菌を排除する機能)が障害されると、細気管支や肺胞腔内に吸入されて、肺炎が起こってしまいます。

一方、院内肺炎は何らかの基礎疾患をもち入院中の患者に合併する肺炎で、入院後48時間以降に発症したものと定義されます。

肺炎の治療


治療としては、以下のようなものがあります。
市中肺炎の治療に際してまず重要なことは、外来で治療をするか、入院させて治療をするかといった判断です。

高齢者や肺炎の経過に影響を及ぼす合併症や基礎疾患を有する患者さん、経口摂取のできない患者さん、頻脈、頻呼吸、低血圧、低酸素血症、意識レベルの低下などを認める患者さんでは、入院による治療が必要となると考えられます。

市中肺炎の治療に関しては、肺炎球菌を目標に薬剤を選択します。したがって、ペニシリン系抗菌薬が第1選択であり、そのほかにセフェム系抗菌薬も選ばれますが、日本では特にペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)の増加が問題となっています。

また、マクロライド耐性肺炎球菌の増加も著しく、耐性の肺炎球菌に対してもペニシリン系抗菌薬の注射剤であれば、十分な濃度が肺炎の局所で達成されるため、有効であり、第1選択となりえます。
 
マイコプラズマやクラミジア、レジオネラなどによる非定型肺炎に対しては、マクロライド系抗菌薬やテトラサイクリン系抗菌薬、フルオロキノロン系抗菌薬が有用であると考えられます。このような薬剤を適宜用いて、治療を行っていきます。

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