8年ぶりに日本シリーズ進出を決めたソフトバンクに、芸能界の鷹党からも歓喜の声が相次いだ。先月21日に心臓疾患の手術を受けた武田鉄矢(62)は病院のベッドで応援。

治療直後の心臓を「ドキドキさせながら見ていた」と明かし“命懸け”の応援だったようだ。 先月21日に「大動脈弁狭窄症」の手術を受け、都内の病院でリハビリに励んでいる武田。

応援団の名誉会長を務めるため「応援に行きたかった」と無念も口にしたが、この日は試合開始から病室のテレビで観戦した。延長12回までもつれ込んだ白熱の展開に「治ったばかりの心臓をドキドキさせながら、勝利のシーンを感激して見ておりました」と所属事務所を通じてコメント。事務所によると、本人から試合終了直後に電話がかかってきて「興奮しながら喜びを爆発させていた」という。
(入院中の武田鉄矢「心臓ドキドキ」“命懸け”応援)

大動脈弁狭窄症とは


大動脈弁狭窄症とは、大動脈弁の炎症、組織変性、先天性形成異常などにより、大動脈弁交連部の癒合や弁肥厚をきたし、半月弁の開放が制限(狭窄化)された病態です。

先天性大動脈弁狭窄症では弁尖が1個ないし2個となっています。大動脈弁二尖弁はまれでなく、健康成人の1〜2%にみられ、その一部が40〜60歳で石灰化して狭窄と閉鎖不全を生じます。

後天性大動脈弁狭窄症では、リウマチ性はきわめて稀な疾患であり、代わって動脈硬化性のものがほとんどを占めます。リウマチ性弁膜疾患は、β溶連菌感染によるリウマチ熱が先行するので発症には地域差があります。欧米諸国では皆無に近い疾患で、日本では九州・沖縄など南部地域での発症頻度が高いですが、それでも現在では人口10万人に対して0.1人以下に激減していると推定されます。

症状としては、心拍出量の低下に伴い、労作時の息切れ、易疲労感が主立ったものになります。重症では狭心症、ときに失神をきたします。また、心肥大による心筋酸素需要の増大と冠血流量低下の相反する血行動態は、心筋障害による不整脈を誘発し、突然死の要因となります。

聴診は重要で、心音は大動脈弁の可動性低下により恐斬臚位成分(IIa)は減弱、心雑音は心基部から大動脈の走行(胸骨右縁から,ときには頸部まで)に沿って放散する粗大な収縮期駆出性雑音を聴取します。重症例では、収縮中期まで左室-大動脈の大きな圧較差が存在するため、駆出性雑音のピークは収縮中期から後期にずれます。逆に軽症例では、収縮早期に雑音強度はピークに達します。

心臓超音波検査では、心臓のサイズ、壁厚、壁の動き、推定肺動脈圧、大動脈弁口面積、大動脈弁前後の圧較差を非観血的に診断できます。高齢者が多いので、今後はmultiple detector CT(MDCT)による冠動脈狭窄の有無、大動脈の石灰化、頸動脈狭窄の有無の評価も重要になります。造影MRIによる画像診断と心筋トロポニンによる心筋障害の評価、血漿脳性利尿ペプチド(BNP)による心負荷の評価も合わせ治療方針決定上役立ちます。

大動脈弁狭窄症は、原則として自覚症状を認めれば手術適用があります。大動脈弁疾患は僧帽弁疾患と違って突然悪化することが多く、注意深い経過観察が要求されます。

大動脈弁狭窄症の治療


大動脈弁狭窄症の治療としては、以下のようなものがあります。
有効な薬物治療は原則として存在しません。治療は原則として手術しかなく、若年者では機械弁、80歳以上の高齢者では抗凝固療法の問題から生体弁の使用が勧められます。

薬物療法としては心筋収縮性を落とすβ遮断薬は禁忌となります。心不全増悪時にはループ利尿薬、血管拡張薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬、亜硝酸製剤)、強心薬(ジギタリス)は多少有効とされます。

カテコールアミン、亜硝酸製剤、PDEIII阻害薬、HANPなどの微量注入ポンプによる投与で心不全の増悪に対処可能であるが本質的には適用があれば年齢を問わず手術を考慮します。

大動脈疾患は通常無症状で経過することが多いです。手術適応としては、
1) 大動脈弁口面積が0.6 cm^2/m^2未満
2) 中等度から高度の石灰化を有し超音波ドプラー法での最大流速が1年で0.3 m/秒以上増加する場合
3) 左室駆出分画が50%を下回る場合
4) 高血圧を認めず左室壁厚15mm以上の心肥大を有する場合
5) 大動脈弁狭窄症以外に重篤な心室性不整脈の原因がない場合
などです。多くの場合に弁置換が行われるますが、バルーンカテーテルによる経皮的弁切開術が行われることもあります。

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