都内の病院に入院している俳優でタレントの安岡力也(64)が6日夕、一時危篤状態に陥ったことが分かった。血圧が最高で50台に低下するなど容体が急変。同日夜には意識を取り戻したものの、予断を許さない状況という。2006年に難病「ギラン・バレー症候群」を発症して以降、闘病生活を送っており、家族らは懸命の看病を続けている。

関係者によると、力也は6日夕方に容体が急変。最高血圧が50に低下し、危篤状態に陥った。力也の兄と長男の力斗さん(26)は看病のため、5日から付きっきりの状態だという。

力也が入院している都内の病院には、深刻な病状を知った交流の深い俳優の岡崎二朗(68)、元ボクサーで俳優の大和武士(56)、出版プロデューサーの高須基仁氏(64)らが駆けつけた。

同日夜に見舞った関係者によると、力也は会話はできないが、手を握り返すなど意識がある状態。危篤状態は脱出したが、一進一退を繰り返しており「痩せ細った状態で、必死で闘っている様子」(関係者)だという。

力也は、今年2月から始めたブログを今月2日に更新したばかり。ハワイにいる娘が「力也」という名前の孫を産んだことを明かしていた。

また、先月発売の女性誌では、100キロあった体重が70キロにまで痩せ、鼻に酸素吸入器の管をつける姿を、力斗さんとの2ショットで掲載。「オレは生きて、力斗が孫をつくって、その孫と酒が飲みてえんだ。120歳でも生きてえな」と、再起への思いを語っている。

力也は、約10年にわたる闘病生活を続けている。02年頃に肝臓を患い、その後、C型肝硬変に。05年2月に肝臓の中が炎症を起こし水がたまる「多発性肝膿胞(のうほう)症」を発症し、06年6月には両手両足が動かなくなる「ギラン・バレー症候群」に。10年5月に一時復帰し、テレ朝系「徹子の部屋」で復活をアピールしていた。

だが、10年6月には肝細胞がん、腎不全と発症。同年8月には、C型肝硬変などの治療のため、力斗さんの肝臓を移植する生体肝移植手術を受けた。約42時間かかった手術で、力也は肝臓を全摘出し、力斗さんの肝臓の64%を移植していた。
(安岡力也、危篤…肝細胞がんなどで入院中、容体急変)

肝癌とは


肝癌とは、肝臓に発生する悪性腫瘍の全てを指し、原発性肝癌と転移性肝癌(大腸癌や肺癌からの転移)に大別されます。

原発性肝癌には、肝細胞由来の肝細胞癌、胆管細胞由来の肝内胆管癌(胆管細胞癌)、胆管嚢胞腺癌、混合型肝癌(肝細胞癌と胆管細胞癌の混合型)、肝芽腫、未分化癌、その他に分類されます。

原発性肝腫瘍では、肝細胞癌と胆管細胞癌が95%を占め、中でも肝細胞癌が最も頻度が高くなっています。肝細胞癌は原発性肝腫瘍の中では最も頻度が高く、肝細胞癌と胆管細胞癌の比は約26:1です。

原因としてはB型肝炎ウイルス(HBs Ag陽性15%前後)およびC型肝炎ウイルス(HCV陽性75%前後)の長期にわたる持続感染が大多数を占め(肝炎ウイルス感染の関与が9割以上を占めている)、原発性肝細胞癌の9割がなんらかの肝病変を併発しています。

その他の病因としては、アルコール性肝疾患、自己免疫性肝疾患、Wilson(ウィルソン)病、ヘモクロマトーシス、Budd-Chiari(バッド-キアリ)症候群、α1アンチトリプシン欠損症、原発性胆汁性肝硬変などが挙げられます。

肝癌に特有の症状は少なく、肝炎・肝硬変などによる肝臓の障害としての症状が主なものです。通常は併存した肝硬変の症状、検査所見を示します。日本の肝癌は、肝炎ウイルスの感染にはじまることが大部分であり、日本では80〜90%に肝硬変(主として乙型)を併存しています。

早期肝癌では、特有の症状は乏しく、併存した肝病変の症状を呈します。肝炎・肝硬変のために医師の診察を受ける機会があり、肝癌が発見されるというケースが多くみられるようです。

進行すると、上腹部ないし右季肋部の疼痛と肝腫大を示します。また、黄疸、腹水による腹部膨満、浮腫などがみられます。その他、発熱や腫瘍の腹腔内破裂の際は、急激な腹水の出現と血圧低下をきたします。

また、腫瘍随伴症候群として、稀ですが低血糖や赤血球増加症、高コレステロール血症、高Ca血症(腫瘍のホルモン様物質の産生、腫瘍代謝の異常など)をきたすことがあります。

身体的所見としては、肝硬変に基づいた所見以外に、腫瘍が著しく増大すると、肝腫大、腫瘤触知、圧痛、血管雑音がみられることがあります。腫瘍による下大静脈の圧迫がもたらされると、下肢のみの浮腫や腹壁の上行性の副血行路がみられます。

肝細胞癌では慢性肝炎や肝硬変の病態を反映し、ASTやALTなどの酵素が上昇していることが多いです。白血球や血小板は肝障害に伴う脾機能亢進症の状態を反映します。肝細胞癌が進行すると血清ビリルビンやALP、LDHが上昇することがあります。

肝細胞癌の腫瘍マーカーとしては、AFPとPIVKA-?があります。AFPは肝硬変でも上昇しますが、時間経過とともに上昇するようであれば肝細胞癌が疑われます。AFPとPIVKA-?は、ともに陽性率は約半数であり、両者の併用が望ましいと考えられます。

腹部長音波検査は、小腫瘍の検出に優れており、1cm前後またはそれ以上の径をもつ実質性の限局性異常を認めれば、悪性腫瘍を疑います。腹部単純CT検査では、low densityな腫瘍として描出されます。肝細胞癌は、急速静注法(ダイナミック CT)の早期相では腫瘍内部の結節が種々の濃度に造影され、後期相では腫瘍全体が再度low densityとなります。

MRI検査では、一般にT1強調画像で低信号、T2強調画像で高信号を示すことが多くなっています。血管造影が行われた場合、腫瘍血管の増生や腫瘍濃染が認められます。

腫瘍径2 cm以上の肝細胞癌は各種画像検査にて多数が診断に至りますが、腫瘍径2 cm 以下の鑑別診断不可能例には腫瘍生検は不可欠な検査となっています。

肝癌の治療


肝癌の治療としては、以下のようなものがあります。
治療方針としては、肝細胞癌治療アルゴリズムに沿って基本的には行われます。
原則的には肝機能、腫瘍条件が許す限り、局所制御効果の最も高い肝切除が第1選択となります。肝切除後の5年生存率は50〜60%程度といわれています。切除の適応と術式は、腫瘍の位置、数と肝機能により決定されます。

具体的には、手術適応は遠隔転移がなく、肝障害度AまたはBで腫瘍の占拠範囲が術前評価により耐術可能な切除範囲内にあること、となっています。腫瘍数や腫瘍径、占拠部位、血管侵襲の有無とともに、術前の肝機能評価が重要となります。

経皮的エタノール注入療法(PEI)は、超音波映像下に細径針を用いて腫瘍を穿刺し純エタノールを直接注入することにより、癌部を瞬時に凝固壊死させる治療法です。腫瘍径3cm以下の小肝細胞癌で、3病巣以内の場合に適応となります。

経皮的ラジオ波照射熱凝固療法は、穿刺針を用いてラジオ波照射による熱凝固作用により腫瘍を凝固壊死させる療法のことです。腫瘍径3cm以下の肝細胞癌に対して治療回数1回で完全壊死が高率に得られる利点があります。

経カテーテル肝動脈塞栓療法(TAE)は、カテーテルを腫瘍支配動脈に選択的に挿入し、ゼラチンなどで塞栓して、腫瘍を阻血性壊死に至らせる治療法です。通常、門脈本幹ないし一次分枝に腫瘍栓がなく、多発病巣を有する症例に適応となります。

化学療法は、上記治療の適応とならない進行症例に適応となります。抗癌剤にはマイトマイシンC(MMC)、アドリアマイシン、シスプラチン(CDDP)などが用いられています。

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