お笑いコンビ、ナインティナインの矢部浩之が右肺の自然気胸(肺気胸)のため、東京都内の病院に入院したことが8日、明らかになった。

所属事務所によると、矢部は7日午後9時ごろ、自宅からマネジャーに電話し、「胸が痛い」と連絡。その後、自力で病院に向かい、そのまま入院することになった。肺に管を通すなどの治療を受け、3日から5日間の入院が必要と診断されたという。

矢部は9日に大阪・なんばグランド花月で毎年恒例のコンビによるイベントを控えていたが、入院のため出演は見合わせる。イベントそのものは相方の岡村隆史らが出演し、予定通り開催される。
(ナイナイ矢部が自然気胸で入院…「胸が痛い」マネジャーに電話し自力で病院へ)

自然気胸とは


気胸とは、「胸腔内で気体が肺を圧迫し、肺が外気を取り込めなくなった状態」を指します。要は、肺に穴が空いてパンクしてしまっている状態であり、その漏れだした空気が肺を圧迫してしまっている状態です。外傷性および医原性気胸を除いた気胸を、特に「自然気胸」といいます。

肺胞の一部が嚢胞化したもの(ブラ Bullaといいます)や胸膜直下に出来た嚢胞(ブレブ Blebといいます)が破れ、吸気が胸腔に洩れる事でおこります。

本症はいずれの年齢でもみられますが、肺に基礎疾患のない細長型(高身長で痩せている)の若年男子に多発する群と慢性肺疾患(肺気腫・結核・肺癌などの基礎疾患)がある中・高年層に好発する群との2型があります。

多くは突然発症し、呼吸困難、酸素飽和度の低下、頻脈、動悸、咳などが見られます。発症初期には胸痛や背中への鈍痛が見られることがありますが、肺の虚脱が完成すると胸痛はむしろ軽減します。緊張性気胸の場合は血圧低下、ショックを来たし、死に至る場合もあるので注意が必要です。

治療としては、以下の様なものがあります。

気胸の治療


治療としては、まずは安静を行います。軽症(虚脱肺の肺尖部が鎖骨より上、虚脱度20%未満)では安静のみで軽快したりします。

緊張性気胸では、緊急の胸腔穿刺による脱気が必要となります。中等症以上(虚脱度20%以上)では、胸腔ドレーン留置による持続的脱気の適応となります。

胸腔ドレーン留置による持続的脱気では、局所麻酔後に第4〜6肋間前腋窩線肋骨上縁(あるいは第2肋間の鎖骨中線肋間中央)からチューブ(7〜22F)を挿入し、先端を肺尖部の1〜2cm手前に留置します。

通常は水封管理ですが、air leakが多い場合や肺膨張が不良な場合には持続吸引に変更します。ただ、急速な脱気は再膨張性肺水腫を引き起こすことがあるため避ける必要があります。

手術は、胸腔ドレーンで改善しないもの(5日以上)、繰り返す気胸(CT上、多発ブラなどを認めるような場合)、多量の出血を伴う気胸、両側性気胸では(胸腔鏡下あるいは開胸下手術の)適応となります。高齢などで手術適応のない難治性気胸に対しては、胸膜癒着術や気管支塞栓術などを行います。

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