脳動脈瘤が見つかり、23日に手術を受けたニッポン放送の新保友映アナウンサー(32)が29日朝、同局の「高嶋ひでたけのあさラジ!」で仕事復帰。番組の冒頭で「帰ってまいりました」と元気な声であいさつし、全快をアピールした。

23日に都内の病院で手術を受け、27日午前中に退院したばかり。一部報道で「動脈瘤の除去手術」と伝えられたが、実際は「コイル塞栓術」と呼ばれる「コイルを詰めて動脈瘤が破裂するのを防ぐ」手術を受けたことを明かした。

「8月に右手が動かなくなって、しびれもあったため」脳神経外科の診察を受け、早期発見に至ったという新保アナ。「検査ってとっても大事だな」と実感したという。番組のメーンパーソナリティの高嶋ひでたけ(70)から「(手術を受けて)頭も良くなったの?」とジョークで振られると、「おそらくちょっと良くなってると思います」と明るく笑い飛ばした。
(新保友映アナ 脳動脈瘤手術から仕事復帰「ちょっと頭が良くなった」)

脳動脈瘤とは


脳動脈瘤の破裂が原因となり、大部分のくも膜下出血が起こります。くも膜下出血をきたすと、その半数近くは死亡してしまうと言われているため、未破裂脳動脈瘤の治療は、くも膜下出血を予防するという観点で非常に重要となっています。

未破裂脳動脈瘤は成人の約5%に存在していると考えられており、脳ドックや診断機器の普及により、その無症候性の未破裂脳動脈瘤の発見される頻度が増加傾向にあります。

以前は、サイズによらず予防手術が行われていたようですが、未破裂頭蓋内動脈瘤国際研究(ISUIA)による発表で変わりつつあります。5年間の破裂率が内頸動脈・前交通動脈・中大脳動脈など前方循環に発生するもので、直径7mm未満で0%、7〜12mmで2.6%、13〜24mmで14.5%となっています。後交通動脈・椎骨脳底動脈系に発生するものでは2.5%、14.5%、18.4%と発表されました。つまり、サイズの小さいものでは破裂率はきわめて低い、ということです。

一方で、治療合併症は死亡1%以下、後遺症5%であるということもあり、「サイズが小さいものは、破裂する心配は少ない。それより、手術による合併症のリスクの方が高い」ということが考えられます。よって、サイズが小さいものは手術を行わないところが多いのではないでしょうか。

具体的には、日本脳ドック学会のガイドラインが参考になります。そのガイドラインとしては、以下のようなものです。
「70歳以下で5mm以上、治療に支障を生じる合併症がないこと」が治療の適応となり、10mm以上では積極的に治療が勧められます。3〜4mm未満または70歳を越える場合は、平均余命、大きさ、形態、部位、治療リスクなどを考慮し個別に判断します。

治療法には、頭蓋骨を切開し、瘤の根元をクリップで挟んで出血を防ぐ「開頭手術」と、足の付け根の血管からカテーテル(細い管)を入れ、瘤に金属製コイルを詰める「血管内治療」があります。ただ、いずれも数%で、まひやしびれなどの合併症が起きる危険があります。

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