2012年12月06日放送の「ナインティナインのオールナイトニッポン(ANN)」にて、胃癌で入院・手術を行った雨上がり決死隊・宮迫博之の病状について岡村隆史が語っていた。
胃ガンのすべてがわかる本 (The stomach cancer book)
矢部「思いつきで人間ドックに行こうと思って」

岡村「そう。それで、あれ、あれ…ってなって」

矢部「うん」

岡村「やねんって。思ってるより元気やったから、全然よかったけどな。そもさんせっぱ見て、3問くらい正解してたし」

矢部「おぅ」

岡村「みんなで見て」

矢部「そら安心やね。元気やったらね」

岡村「ほんま、なんやろな…そういう年になってきたんやなぁ」

矢部「たしかに」

さらに、以下のように語っていた。
岡村「大丈夫やっていうのに、小杉は突然『心配です…』って、カレー食いながら泣きだして(笑)大丈夫やって言うてるのに」

矢部「まぁまぁね」

岡村「『カレー食ってるやないか』って言いながらね」
(ナイナイ・岡村「雨上がり・宮迫博之が胃癌になって変わったこと」)

早期の胃がんで入院したお笑いコンビ、雨上がり決死隊の宮迫博之(42)が7日、都内の病院で手術を受け、無事成功したことを所属事務所が発表した。

胃角に2センチ程度の腫瘍が発見されたため、腹腔鏡下幽門側切除手術で胃の約3分の1から半分を切除。約5時間かかったという。入院は2〜3週間の予定で、年内復帰を目指す。7日未明には、ツイッターで「と言う訳で、明日からしばらく治療に専念いたしやす。Twitterはしばしお休みです。でわでわ、しばしサラバ♪」と明るくメッセージを送った。

6日に行われたテレビ朝日系「アメトーーク!」(木曜後11・15)の収録は、相方の蛍原徹(44)が1人で司会を務めた。
(宮迫、5時間の手術成功 年内復帰目指す)

胃癌とは


広い意味では胃癌は、胃粘膜上皮から発生した癌腫(狭義の胃癌)と、上皮以外の組織から発生したがん(胃平滑筋肉腫・GIST・胃悪性リンパ腫など)の両方を含みますが、一般的には粘膜上皮から発生したもの(前者)を指します。

かつて、日本では男女とも胃癌が第1位でしたが、死者数は年々減少しています。2003年の日本における死者数は49,535人(男32,142人、女17,393人)で、男性では肺癌に次いで第2位、女性では大腸癌に次いで第2位となっています。近年増加率の低下がみられ、これは食生活の欧米化などによる環境の変化、検診などにより根治可能な胃癌が多数発見されるようになったこと、治療技術の進歩などの要因によると考えられます。

胃癌は、自覚症状による胃癌の早期発見は難しいです。ほとんどの場合、早期癌の段階では無症状であり、癌が進行してからでないとはっきりとした自覚症状が出てこないことが多いからと言われています。そのため、放置されてしまったり、逆に内視鏡検査などで早期発見されるケースもあります。

症状としては、腹痛や腹部〜胸部の不快感、吐き気や嘔吐を伴ったり、食欲減退、食事後の胃部膨満感や急激な体重減少などが起こってきます。他にも、下血や黒色便(血液中のヘモグロビンが胃酸によって酸化されて黒くなる)がみられることもあります。

胃癌の転移には、血行性転移、リンパ行性転移、腹膜播種があります。胃壁内での深達度が進むほど転移率は高くなり、血行性転移では肝や肺、さらに骨、脳、皮膚、腎などへ転移します。リンパ行性転移は所属リンパ節から始まり、遠隔リンパ節へ転移をきたしていきます。腹膜播種は、漿膜を越えて胃壁を浸潤した癌細胞が、腹膜に播種して癌性腹膜炎を起こして腹水を生じます。

肝転移すると肝腫大、黄疸などが起こってきます。腹膜に転移すると腹水、後腹膜に転移すると強い背部痛を認めます。その他、左鎖骨上窩リンパ節転移(Virchow転移)、Douglas窩への転移(Schnitzler転移)、卵巣転移(Krukenberg腫瘍)などがあります。

高度な進行胃癌となると、体重減少、食思不振、貧血、腹部腫瘤触知、嚥下困難などの所見を認めることがあります。末期では、播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併することが多くなります。

なお、スキルス胃癌は、肉眼的に境界不明瞭で、癌細胞がびまん性に浸潤し、時には胃全体にわたる胃癌を指指します。多くは、癌細胞の浸潤に伴って間質結合組織の増殖を来し、胃壁は肥厚します。

癌細胞の浸潤が胃全体に及ぶと、胃は硬く収縮し、形成性胃炎型(形成性胃組織炎型)と呼ばれます。胃癌取扱い規約の肉眼分類4型にほぼ相当します。全胃癌の約10%程度にみられ、若年者や女性の胃癌では頻度が高いです。リンパ節転移の頻度が高く、治癒切除が困難なことが多いため、予後が悪いと言われています。

胃癌の治療


胃癌の治療としては、以下のようなものがあります。
胃癌の治療方針は、「胃癌治療ガイドライン」などにより、腫瘍の大きさ・部位・拡がり、病期、全身状態、あるいは患者の希望など様々な要素を勘案し決定されます。

深達度がM(粘膜内)で、N0(リンパ節転移なし)、分化型、2cm以下、潰瘍形成なしであれば、内視鏡的粘膜切除術を行います。StageIIもしくはIIIAなら、2群リンパ節郭清を伴う胃切除術(これが標準的な手術法であり、定型手術と呼ばれます)を行います。StageIV(遠隔転移を伴う)なら、姑息的手術を行ったり、化学療法などを行います。

胃の切除は、部位によって胃全摘術、幽門側胃切除術(十二指腸側2/3程度の胃切除)、噴門側胃切除術(食道側1/2程度の胃切除)などに分けられます。

切除が終わったら、食物の通り道をつなぐために消化管再建が行われます。様々な再建法があり、個々の患者の状態に応じて選択されますが、代表的なものはBillroth I法(胃-十二指腸吻合)、Billroth II法(胃-空腸吻合)、Roux en Y法(食道or胃-空腸吻合)、空腸間置法(空腸で置換)などがあります。

現在では外科切除に加えて、内視鏡的治療や腹腔鏡下手術が行われるようになっています。一方、遠隔転移がみられたり、他臓器への浸潤が強く切除不能の例に対しては化学療法が行われていますが、まだ有効性は低い状態です。

外科的切除後にも経過観察が必要となり、胃内視鏡検査による残胃癌の早期発見、腹部CT、腹部USなどによる転移・再発の早期発見、血液腫瘍マーカー(CEA,CA19-9,CA72-4)による再発の予測などを行います。