アニメ「BLEACH」の黒崎一護役や、「戦国BASARA」の前田慶次役などで知られる人気声優の森田成一が12日、アナフィラキシーショックのため入院していたことを自身のTwitterで明かした。

森田は12日に、「実は先日まで入院しておりました。 人生初入院でした」と報告。アナフィラキシーショックにより「生死の境を彷徨い危険な状態」だったそうで、「本当に怖い経験です」と振り返った。

すでに退院しており、本日12日より仕事復帰を果たすとのこと。森田も「ありがとうございます。まだ本調子とはいきませんが大丈夫です」「心配おかけしすみません。もうほぼ大丈夫だと思います。今後とも宜しくお願い致します」とツイートし、フォロワーを安心させているが、人気声優の突然の報告に、ファンや関係者からは「えっ!?お身体、大切になさってください! ご無理なさらずに!! びっくりしました」「え?大丈夫?身体は資本。無理しないで、気を付けて!!」「ご無事でよかったです…」「治って何よりです。 アナフィラキシーショック怖いですね」「な、なんと!!でも無事に戻られて良かったです!!」と驚く声が多数寄せられている。

なお、アナフィラキシーショックとは、急性アレルギー反応のひとつ。一般的にはハチに刺傷された毒や、食物や薬物など様々なアレルゲンによって引き起こされることが知られており、発症すると呼吸困難や嘔吐、下痢、意識障害などの症状を引き起こすとされる。昨年12月にはボーカルグループ・DA PUMPのISSAの元婚約者で女優の福本幸子が発症し、その苦しさをブログで訴えたことでも話題となった。
(「BLEACH」声優・森田成一、入院していた……「生死の境を彷徨い危険な状態でした」 | ニコニコニュース))

アナフィラキシーショックとは



アナフィラキシーとは、外来物質の侵入が原因となり、それに対する急激な生体反応の結果、循環器系や消化器系、呼吸器系、皮膚などの広範な臓器が障害を受ける状態を指します。これが重篤となり、循環・呼吸不全に陥る場合をアナフィラキシーショックといいます。

もともとは、IgE抗体による即時型アレルギー反応によって起こるものとされていましたが(狭義としては、こちら)、同様の症状・経過をとるそれ以外の病態(こちらは、アナフィラキシー様反応と呼ぶこともある)も、広義のアナフィラキシーショックと呼ぶようになっています。

簡単に言ってしまえば、劇症型のアレルギー反応であり、入ってきた異物に身体が過剰に反応し、あらゆる場所が腫れ上がってしまい、喉頭浮腫を起こし、最悪の場合、呼吸困難で死に至ることもあります。

1) 蕁麻疹、2) 気管支喘息様症状、3) 血圧低下が典型的な症状であり、原因となる食物、薬剤、ハチ毒などの抗原侵入後、数分以内(抗原侵入5分以内)に症状が発現することが多いです。食物摂取後の体操や、ジョギングなどの運動が誘発する場合もあるため、こうした情報をしっかりと鉢合わせた周囲の人が伝えることが救命において重要です。

初期症状として、皮膚の痒み、口唇や手足のしびれ感、四肢の冷感、心悸亢進、喉頭違和感、悪心、腹痛などが起こります。さらに進展して、ショック症状を呈すると、顔面蒼白、喘鳴、呼吸困難、意識消失、血圧低下などをきたし、非常に危険な状態になります。

アナフィラキシーに対する治療

治療としては、以下の様なものがあります。

アナフィラキシーショックでは、迅速な治療が必要とされます。重篤な症状は起因物質曝露より5分以内に出現することが大部分であり、その5分間の救急処置いかんによって予後が決定されます。

薬物療法としては、エピネフリンを中心とするカテコールアミン、輸液、副腎皮質ステロイド、アミノフィリン、抗ヒスタミン薬などが用いられます。これらのうち症状の急激な点からいってもエピネフリンが第一選択となります。気道の狭窄が認められた場合は、アミノフィリン(ネオフィリン)の静注、β2-刺激薬の吸入などを行います。また、気道確保のため、気管内挿管や気管切開が考慮されます。

過去に食物アレルギーによりアナフィラキシーショックを起こした既往のある患者さんに対しては、エピネフリン自己注射器(エピペン)をあらかじめ処方することもあり、万が一の時は、緊急避難的に自己注射してもらうといったことも考慮します。

【関連記事】
不思議なアレルギー?食物依存性運動誘発アナフィラキシー

突然の目の痛みと喉の痛み…原因は馬アレルギー?

アナフィラキシーショックとは:本当は結構怖い「虫さされ」