2013年05月11日放送の「王様のブランチ」に、直木賞作家である白石一文が出演していた。そこで、彼がパニック障害であることを告白していた。

夫婦の絆などを描いた作品『快挙』が上梓され、それに関連して、彼がパニック障害で「もう、生きていくことができないかもしれない」と、それほどまでに追い込まれていたことを明かし、その中で夫人と出会い、支えられ、結婚に至ったことを語っていた。

パニック障害の有名人


快挙パニック障害を明かした有名人は、
岡田義徳さん
円 広志さん
大場久美子さん
中川家・剛さん
島田紳助さん
ヘスス・ナバスさん
小谷野栄一選手
オードリー・若林正恭さん
・長嶋一茂さん
などです。

パニック障害とは


パニック障害とは、パニック発作が特別の原因なしに、突然出現する(予知できずに起こり、反復性)障害と言うことができると思われます。

一般人口における生涯有病率は、0.9%程度であるといわれ、患者さんの約7割は発作で救急外来を受診しています。男女ともに起きますが、女性の罹患率が2倍程度高いといわれます。好発年齢は、20〜40歳であるとのことです。

パニック発作の症状では、動悸・頻脈、息苦しさ・過呼吸、死の恐怖が最も多く、そのほか悪心、めまい感、手足のしびれ、冷汗、気が狂う恐怖なども起こりえます。大きく分けて、突然の強い不安感(死ぬのではないか、気が狂ってしまうのではないかという恐怖)と自律神経症状(動悸、頻脈、呼吸困難、発汗、息切れ、胸腹部不快など)が起こる、と考えられます。

こうした発作は反復性に生じ、慢性に経過していきます。症状の再発を恐れる「予期不安」を伴うことが多く、さらに発展して広場恐怖に至ることも多いです。

広場恐怖とは、助けが容易に得られない場所にいることへの恐怖です。1人で戸外や混雑の中にいたり、バスや電車で移動しているときに起こることが多いようです。このような状況を回避するため、1人では外出をしなくなったり、重度になると家にこもりっきりになってしまうこともあります。

1回の発作は通常数分〜30分、長くとも1時間以内に自然に消失します。発作が反復するうちに予期不安が形成されます。

パニック障害の治療


パニック障害の治療としては、以下の様なものがあります。
治療としては、まず疾患教育を十分に行い、発作そのものに生命の危険はないことを保証する(しっかりと納得してもらう)ことが重要です。それでも不安状態がなかなか治まらない場合は抗不安薬(ジアゼパム)を静注することもあります。

こうした発作が出現する時のために、抗不安薬(ワイパックスなど)を持参してもらうことも、安心につながるようです。

他には、薬物療法と精神療法があり、様々な治療が有効性を認められています。薬物療法では、発作の抑制を目的に抗うつ薬(SSRIや三環系抗うつ薬・スルピリド)が用いられ、不安感の軽減を目的にベンゾジアゼピン系抗不安薬が用いられます。精神療法としては、認知行動療法などがあります。

これらの薬物には明確な有効性があり、特に適切な患者教育と指導と併用した場合の有効性は極めて高いといわれています。また最近は、新型抗うつ薬であるSSRIの有効性が語られることが多いです。基本的に、パニック発作が治療されれば、広場恐怖も時間とともに改善されることが多いようです。

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