「炎神戦隊ゴーオンジャー」のゴーオンシルバー役で知られる杉本有美が、重度の急性腎盂腎炎のため、活動を一時休止することが明らかになった。オフィシャルブログによると、2週間は絶対安静とのことで、杉本は「一日も早く完治して活動再開できるように頑張ります」と早期復帰を誓っている。

10日付のオフィシャルブログによると、今月6日までミュージカル「アニー」に出演していた杉本はその打ち上げの席で体調が急変。その後、病院で検査したところ、急性腎盂腎炎であることがわかったとのこと。2週間の絶対安静が命じられており、現在は自宅で治療中だという。

「とりあえず今は自宅療法で一旦は入院は逃れたものの、油断はできず約2週間安静にと。ちゃんとしっかり完治しないと再発して癖になりやすく慢性になると女性としても大変な事になると。時間をかけてゆっくり治さないといけないみたいです」と明かした杉本。「私自身大きい病気が初めてでびっくりしました。今回の件で御迷惑を掛けた皆様、関係者の方々本当に申し訳ありません」と謝罪するとともに、一日も早い回復を誓った。

杉本はモデルとして活動をスタートさせた後、2008年には「炎神戦隊ゴーオンジャー」のゴーオンシルバー / 須塔美羽に抜てき。2011年にはNHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国」に秀頼側室役で出演していた。
(「ゴーオンジャー」杉本有美、急性腎盂腎炎で一時活動休止へ…2週間の絶対安静)

腎盂腎炎とは


腎盂腎炎とは、細菌感染による腎盂・腎炎の炎症で,広義には腎実質を含む炎症のことです。女性に圧倒的に多く、20歳前後でその発症は増加(性的活動期に多い)し、30歳を過ぎると若干低下し、60歳過ぎまで横ばい状態となります。ただし、生後1週間以内の新生児では、男児が女児に比べ多いといわれています。

通常、単純性の場合は急性、複雑性では慢性の臨床経過をたどります。感染経路は尿路逆行性を主とし、皮膚や扁桃など他部位の感染巣から血行性に感染する場合もあり、これらではグラム陽性球菌が多いです。ほかの基礎疾患が存続しているものは複雑性腎盂腎炎と呼ばれます。大腸菌が主たる起炎菌であり70−80%を占めます。そのほかグラム陰性桿菌では、クレブシエラ属やプロテウス属の細菌が分離され、グラム陽性球菌ではブドウ球菌属や腸球菌属の菌がわずかに検出されます。

臨床症状としては、急性腎盂腎炎では発熱、全身倦怠感などの全身感染症状に加え、腎部痛、腰背部痛、肋骨脊柱角(costovertebral angle:CVA)の叩打痛などの症状がみられます。血液検査では、好中球増多、CRP上昇、赤沈亢進などの所見がみられます。尿検査では膿尿(10WBCs/HPF以上)、細菌尿(中間尿培養で105 cfu/mLであれば原因菌)を認め、蛋白尿、血尿を伴うことが多いです。

腎盂腎炎の治療


腎盂腎炎の治療としては、以下のようなものがあります。
軽症例では外来で経口薬の治療と十分な水分摂取の指導で可能ですが、高熱が持続する中程度以上の症状を呈する場合は入院を要し、補液と抗菌薬の注射が必要となります。

治療の基本は水分摂取や補液による十分な尿量の確保と適切な抗菌薬の選択、腎・尿路系の基礎疾患への治療です。特に、抗菌薬を選択するうえでは、原因菌に対する感受性、腎・尿路への移行性、および腎毒性を考慮します。
 
急性腎盂腎炎の治療は適切な抗菌薬の投与が基本であり、発熱の程度が軽く、水分および食事の摂取が可能な軽症例では経口薬による治療が適応です。薬物としてはニューキノロン系薬、ペニシリン系かセフェム系の経口薬などがありますが、大腸菌をターゲットとした場合はニューキノロン系薬が最も有効です。

投与後3日で発熱と尿所見の改善を認めれば、抗菌薬をさらに追加投与しますが、症状の改善が認められない場合は感受性を参考に抗菌薬を変更します。治療期間は通常7〜14日間です。

重症例では、入院により安静を保ち、第2世代までのセフェム系薬あるいはβ-ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬などの注射用抗菌薬の投与が原則となります。アミノグリコシド系薬の併用も考慮する.解熱後(実際には3−5日後)には経口ニューキノロン系薬か新経口セフェム系薬に切り替えていきます。

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