民間航空機飛行中の医学的緊急事態とその転帰を、機内から医療相談センターへの電話記録を基に調査。発生率は、失神または失神寸前状態(37.4%)、呼吸器症状(12.1%)、悪心または嘔吐(9.5%)で高かった。

乗り合わせた医師による医療支援は48.1%、直陸地変更は7.3%に見られた。着陸後の救急搬送率は25.8%だった。
(Outcomes of Medical Emergencies on Commercial Airline Flights)


毎年、27 億 5,000 万人が民間航空機を利用するそうです。その中で、もし医学的な緊急事態が発生した場合…考えるだけでも恐ろしいですが、そうした場合、どのようなことになるのか、という研究です。

2008 年 1 月 1 日〜2010 年 10 月 31 日に、5 つの国内・国際航空会社から医師が指揮する医療通信センターに通報された、飛行中の医学的緊急事態の記録を調査した結果だそうです。

センターへの通報にいたった飛行中の医学的緊急事態は 11,920 件あり、これは飛行 604 回あたり 1 件という頻度だったそうです。結構低い確率かと思いますが、飛行機に乗っている以上、居合わせる可能性はゼロではない、ということですね。
飛行中の医学的緊急事態のほとんどは、失神、呼吸器症状、消化管症状に関連しているとのことで、こうした既往がある方々は、やはり気をつけていただいた方がいいようですね。たとえば、不整脈や脳血管障害などに関連した失神の既往や、喘息、気胸、肺動脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)などを経験した方などです。

【関連記事】
緊張性気胸の女性、機内で手術を受ける

心臓発作を起こし、自動体外式除細動器(AED)販売員に救われる