ロックバンド「キャロル」の元メンバーで俳優のジョニー大倉(60)が16日、肺がんで入院中であることを明かした。5月の健康診断で肺に影が見つかり、今年予定していた約50件のライブをすべてキャンセル、抗がん剤治療を続けている。ジョニーはこの日、本紙の取材に対し、「(治療のため)吐き気がして苦しいが、1年で治す。やりたいことがあるんだ」と完治へ強い気持ちを見せた。

今年1〜3月にかけて九州、名古屋などでライブを行ったジョニーだったが、5月下旬の定期健診のエックス線で胸に多数の影が見つかった。今月5日、都内の病院に入院し、肺がんと診断されたという。
 
09年に放射線で悪性リンパ腫を除去した肝臓付近にも異常が見られるため、1日12時間、点滴で抗がん剤を注入している。鼻や腕に管が通り、痛々しいが、体はふっくら。「不死身のジョニーも、がんには勝てなかったか…。吐き気がして気持ち悪いし、髪の毛も抜けてきた」と話す。
 
だが、抗がん剤が病巣に効いていることを医師から聞き、徐々に元気を取り戻してきている。「俺はまだ死ねねえ。治療に1年かかるけど、治ったらやりたいことがあるんだ」と話す。
 
昨年はキャロル結成40周年であり、自身のデビュー40周年。全国ツアーで100か所を回ったが、矢沢永吉との確執も伝えられるキャロル復活はかなわなかった。「キャロル再結成は赤信号がともりそうだけど、病気から復活して矢沢と決着をつけないとな」と目を輝かせる。
 
親交のあるモッツ出版の高須基仁社長(63)も「俺ら団塊の世代にとってキャロルは夢。頑張ってもらいたいんだ」と力を込める。
 
長男で俳優の毛利ケンイチ(40)も「おやじは口では絶対言わないから誤解されるけど、本当は矢沢さんが好きなんです。僕にとっても赤ん坊の頃、おしめを替えてもらった人ですから」と話す。
 
09年の悪性リンパ腫のほかにも、1987年にはホテル7階のベランダで懸垂して転落。重傷を負うなど何度も死線を乗り越えてきた。毛利も「あの高さから落ちて生きている人だから今回も大丈夫ですよ」と話した。
(「キャロル」元メンバー・ジョニー大倉が肺がん)

肺癌になった有名人


肺癌になった有名人としては、
スピッツ・三輪テツヤさん
勝野七奈美さん
三遊亭円楽さん
筑紫哲也さん
岩田安生さん
井上ひさしさん
つかこうへい さん
ジョー山中さん
梨元勝さん
シルヴィアさん
野沢那智さん
高峰秀子さん
杉浦直樹さん
山内賢さん
古谷一行さん
田中宥久子さん
狂言師・茂山千作さん
などがいらっしゃいます。

肺癌とは


肺癌は、大きく分けて小細胞癌と非小細胞癌に分けられます。非小細胞癌は、主に腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌からなります。肺癌は非小細胞癌(腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌)が約85%、小細胞癌が15%を占めます。病因は喫煙による影響が最も強く、発症危険率は喫煙本数と比例するといわれています。喫煙指数(1日に吸う本数 × 年数)が800を超えると肺癌の危険が高くなるといわれています。

この組織型、およびステージから治療法は選択されます。肺癌の治療法としては、以下のようなものがあります。

肺癌の治療


肺癌の治療法としては、主に3種類のものがあります。外科療法、放射線療法、抗癌剤による化学療法です。治療法の選択は、癌組織型、進展度(staging)、performance status(一般全身状態)、肺肝腎などの主要臓器機能、合併症の有無、により左右されます。

小細胞肺癌は、早期に転移をみることが多く、放射線治療の観点から一照射野か否かの基準として、「限局型」(limited disease; LD)、「進展型」(extensive disease; ED)の分類が用いられることが多いです。早期で手術が可能な場合以外、化学療法と放射線療法が基本となります。

非小細胞癌の場合、I期〜IIIa期の一部が対象となりますが、化学療法の併用が必須とされ、通常3〜4コースの併用化学療法が行われます。手術成績は、I期での5年生存率60〜70%、II期30〜40%です。しかし、心臓や肺の機能障害がある場合は手術ができないこともあります。

放射線療法は、小細胞肺癌の場合、全身状態がよく、70歳以下で、限局型が対象であり、抗癌剤(シスプラチン CDDP+エトポシド VP-16など)との同時併用治療が行われます。放射線治療の総線量は50〜55Gyであり、成績として、中間生存期間が14〜18ヶ月、2年生存率30〜40%、5年以上生存率は15〜20%となっています。

非小細胞癌の場合、手術できないI期からIIIa期、胸水を認めないIIIb期が対象となります。肺癌の場合、通常は身体の外から患部である肺やリンパ節に放射線を照射します。一般的に1日1回週5回照射し、5〜66週間の治療期間が必要です。最近では、1日2回週10回、あるいは1日3回週15〜21回照射する多分割照射も試みられています。

その他、化学療法も行われます。とくに腺癌では、イレッサ(ゲフィチニブ)やザーコリ(クリゾチニブ)などの分子標的治療薬も開発され、治療の選択肢も広がっています。

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