テレビアニメ「serial experiments lain」「サクラ大戦」などで知られるアニメーション監督の中村隆太郎さんが6月29日、すい臓がんのため死去していたことが明らかになった。58歳。serial experiments lain Blu-ray BOX|RESTORE (初回限定生産)

中村さんが監督を務めた「ちびねこトムの大冒険」の公式ツイッターアカウントは25日、「中村隆太郎氏は2013年6月29日午後4時に、すい臓癌のため数ヶ月闘病の末、お亡くなりになりました。ご遺族の了解得て、ここに発表いたします」と公表。

多くのアニメ作家がこの訃報に反応しており、テレビアニメ「サクラ大戦」に参加した佐藤順一は「なにかと僕を褒めてくれる隆太郎さん、『lain』みたいなスゴイものを作る人なのにこっちが戸惑います。むしろ中村隆太郎作品のあの愛らしい根暗さが僕にできるのか…」と追悼した。

また、「サクラ大戦」のプロデューサーを務めたアニメ制作会社・MAPPAの丸山正雄もFacebookで訃報に触れると、「中村隆太郎君が逝った。カミさんひとりにだけ見守られて。息子ふたりも癌で先立たれ、彼も告知された三ヶ月後の6月29日に誰にも知らせるなと遺言残して…」と当時の様子を振り返り、中村さんの仕事場の写真を掲載。ほかに、アニメ監督の川崎逸朗、脚本家の吉岡たかを、アニメーターの大橋学なども中村さんの死を悼んでいる。

中村さんは1955年生まれ。宮沢賢治の同名童話を原作にした映画『グスコーブドリの伝記』(1994)で監督デビューし、その後は「serial experiments lain」「サクラ大戦」「キノの旅 −the Beautiful World −」などの話題作を手掛けていた。
(アニメ監督・中村隆太郎さんが死去 58歳 代表作に「lain」「サクラ大戦」など)

膵臓癌を明かした有名人


膵臓癌を明かした有名人としては、
P・スウェイジさん
今敏さん
栗本薫さん
土井正三さん
津久井克行さん
日吉ミミさん
スティーブ・ジョブズさん
夏八木勲さん
といった方がいらっしゃいます。

膵臓癌とは


膵臓癌とは、膵臓に発生する上皮性の悪性腫瘍を指し、これは外分泌系と内分泌系の腫瘍に分けられます。
外分泌系の腫瘍が大多数を占め、これと異なる病像を示す内分泌系腫瘍は別に論ずることが多く、しばしば狭義に「膵癌」は膵外分泌系の悪性腫瘍に用いられます。

発生部位によっても膵癌は分けられ、1)膵頭部癌、2)膵体部癌、3)膵尾部癌(膵体部癌、膵尾部癌を合わせて膵体尾部癌)、4)膵全体癌に分類されます。膵臓の中でも、膵頭部癌が約2/3で多く、周囲組織へ浸潤していきます。見つかりにくく(検診などでは普通、あまり膵臓癌を疑って検査をする、ということも少ないため)、診断時にはほとんどが進行癌です。

膵臓癌は、進行が早く、きわめて予後が悪いとされています。発生率は約1,000人に1人で、60〜70歳代の高齢者に多く、増加傾向にあるといわれています。

厚生労働省の人口動態統計(2002年)によると、臓器別に見た悪性新生物による死因では男性で5番目、女性で7番目となります。近年増加の傾向にあり、年間2万人が死亡、年代別では60歳代に最も高頻度にみられます。男女比は1.6:1と男性にやや多い傾向があります。

膵臓の中でも、膵頭部癌が約2/3で多く、周囲組織へ浸潤していきます。見つかりにくく(検診などでは普通、あまり膵臓癌を疑って検査をする、ということも少ないため)、診断時にはほとんどが進行癌です。

発生部位により病態が異なります。頭部癌では膵内胆管の狭窄、閉塞により黄疸をきたします。主膵管の閉塞により随伴性膵炎をきたします。後腹膜神経叢への浸潤があると、耐えがたい疼痛をきたします。

体尾部癌では比較的臨床症状に乏しく、症状出現時には高度に進行していることが多いです。稀に脾静脈閉塞により胃静脈瘤をきたします。

粘液産生能が強く、膵管内で乳頭状増殖を示す粘液産生膵腫瘍では、浸潤性発育に乏しく、予後が良好であるといわれています。

原因は明らかでありませんが、外部環境因子として喫煙、食習慣、飲酒、産業関連発癌物質などとの関係が示唆されています。特に、日本では肉類摂取に伴う高脂肪食および喫煙との関連が指摘されています。内部環境因子としては、糖尿病、慢性膵炎ないし膵石症、胆道疾患などとの関連が指摘されています。

初発症状としては無痛性の黄疸が多く、皮膚黄染とともに右上腹部に胆嚢を触知します。基本的に、黄疸は血中のビリルビン濃度が2〜3 mg/dLを超える程度になると気づかれるようになります。黄疸では、黄色調の白目や皮膚と同時に褐色尿を訴え、患者さんによっては尿の色の変化を主訴に来院することもあります。皮膚の痒みを訴える場合もあり、黄疸の重要な徴候の1つとなっています。

他にも、腹痛、体重減少、黄疸、耐糖能異常などがありますが、初期には無症状のことが多いため、発見が遅れやすいとされています。進行癌になると背部痛、腹痛、下痢が出現します。中でも、膵臓の障害による2年以内の糖尿病発症、急激な体重減少は有力な診断の手掛かりとなります。

膵臓癌の治療


膵臓癌の治療としては、以下のようなものがあります。
膵頭部癌に対しては、一般的に第2群のリンパ節郭清を伴う膵切除術が行われます。さらに、後腹膜・大動脈周囲リンパ節や神経叢の広範囲郭清を伴う拡大郭清の手術も行われます。膵体尾部癌に対しては遠隔転移、高度リンパ節転移、周囲血管浸潤がなければ、膵体尾部脾切除術を行います。

膵と消化管の吻合法の改善や工夫、縫合糸の進歩、周術期管理の進歩などの改善や、合併症を防止するため、膵腸吻合では吸収性合成糸を用いること、膵断端を空腸壁で覆い死腔ができないように膵と空腸を固定すること、膵管チューブを留意することなどの工夫がなされています。

そのため、外科切除の成績向上がみられています。大網を胃大綱動静脈とともに温存し、膵空腸吻合部に巻きつけることにより、膵液の腹腔内への拡散を防ぎ周囲血管の破綻・出血を防止することが可能となっています。

化学療法としては、膵癌に対して確実に治療効果を示す抗癌剤は今のところないといわれています。ですが、Low dose FP療法(5-FU+低用量CDDP)や、Gemcitabine(商品名:ジェムザール)を基本薬剤として、GEM+5-FU、GEM+epirubicin、GEM+CDDP、GEM+TS1の併用療法が行われ、比較的高い奏効率が報告されています。

また、放射線療法が行われることもあり、術中照射、術後の体外照射など合計50グレイを照射します。最近は少量の化学療法とあわせた放射線化学療法が広く行われています。術中照射(IORT)も行われていますが、有効性の評価は定まっておりません。

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