マイケル・J・フォックス(52)が、13年ぶりに俳優復帰することが明らかになった。30歳の若さでパーキンソン病を発症したフォックスは、00年にドラマ「スピン・シティ」を降板して以降、俳優活動から遠ざかっていた。バック・トゥ・ザ・フューチャー [Blu-ray]

復帰作は、米NBCテレビで9月から放送される新ドラマ「ザ・マイケル・J・フォックス・ショウ」で、自らの体験を生かして、パーキンソン病でキャスターを降板した主人公を演じるという。第1話では、妻で女優のトレイシー・ボランとも共演。関係者によると、重いテーマながらもコメディータッチのユーモアある作品という。
(マイケルJフォックス13年ぶり俳優復帰)

パーキンソン病を公表した有名人


パーキンソン病の有名人としては、
永六輔さん
・山田風太郎さん
・モハメド・アリさん
・三浦綾子さん
・岡本太郎さん
・E・H・エリックさん
樋口了一さん
などがいらっしゃいます。

パーキンソン病とは


Parkinson(パーキンソン)病とは、"錐体外路系"の障害を示す疾患です。神経の刺激によって骨格筋の運動が起こるとき、その情報は、まず中枢神経系を伝わって運動ニューロンに到達し、運動ニューロンの軸索が、中枢神経系を出て末梢神経を筋まで伝わります。

"錐体路"は、運動ニューロンに運動の情報を伝える経路で、大脳皮質の運動中枢から直接伝わります。それ以外はすべて錐体外路系ということになる。大脳基底核の神経核や脳幹の多くの神経核が含まれますが、小脳なども運動に関わるので錐体外路系に含めることがあります。

パーキンソン病では、中脳の黒質緻密層のドパミンニューロンが、選択的に変性・脱落し、残存神経細胞にLewy(レビィ)小体の出現をみる疾患です。初発年齢は50歳代前半から60歳代前半が最も多いですが、20歳代から80歳代まで広い年齢範囲の発症があります。

臨床症状としては、以下の様なものがあります。
・安静時振戦
4〜6Hzの規則的なふるえで、パーキンソン病患者の約70%にみられます。振戦は安静時に観察されるのが特徴で、随意動作では抑制されます(動作中は抑制され,しばらく同じ姿勢を保っていると振戦が再現する)。手の振戦の場合、筋緊張に伴う手の姿勢(中手・指基節関節の屈曲と指節間関節の伸展)がもともとあると、振戦が指で丸薬をまるめるような動きにみえます(pill rolling tremorと呼ばれる)。

・筋固縮
他動的に患者の関節を伸展・屈曲して、筋を伸張するときに反射として生じる抵抗で、歯車様固縮(「ガクガクガク」と細かい断続的な抵抗として感じる)の場合が多いです。

・無動
動作の開始に時間がかかったり、開始した動作の速度が遅い現象をいいます。運動麻痺がないのに速い動作ができなかったり、指先の細かな動作の困難、交互反復動作の運動範囲が狭いほうに収れんしたり途中で止まってしまうことがあります。仮面様顔貌や小声、小書字も無動の現れである。そのほか、ボタン掛け、洗面、衣着脱などあらゆる日常生活動作が遅くなります。

・姿勢反射障害
立位の姿勢は前屈位となり、歩幅も小さくなります(小股歩行)。歩き出すと途中から歩調が速くなり、小走りになったり、前方や後方に軽く押されただけで、体勢を立て直せずに突進したり、倒れてしまいます。

これらが4大症候と呼ばれます。さらに自律神経症状(便秘、立ちくらみ、排尿障害)や精神症状(うつ状態、痴呆など)も加わる場合があります。

パーキンソン病の治療


パーキンソン病の治療において基本となるのは、脳内で欠乏したドパミンを補うためにドパミンを補充する、あるいはドパミンのレセプターを刺激する物質の投与となります。

ちなみに、ドパミン自体の血液脳関門(BBB)透過性は不良であるため、ドパミンを直接投与するのではなく、透過性の高いドパミン前駆体であるレボドパによる補充療法を行います。

実際には、初期の症例にはL-ドパによる補充療法や、ドパミンレセプター賦活薬(ブロモクリプチン、ベルゴリド、タリペキソール)、抗コリン薬などの薬物を 1〜2種類投与し、臨床症状の改善をはかります。

他の薬物としては、作用機序としてドパミン放出促進(塩酸アマンタジン)、ドパミン分解酵素阻害(デプレニール)、ノルアドレナリン補充(ノルアドレナリン前駆体)などがあります。

中等症以上の症例には、上記の薬物の併用を基本とします。合併する便秘症や起立性低血圧症、胃腸症状に対しては薬物を適宜投与します。また、外科的治療法として視床や淡蒼球に対する定位脳手術や電極刺激が行われる場合もあります。

こうした治療に際しては、患者さんおよびご家族の病気の理解が大切であり、服薬上の注意点も重要となります。たとえば、L-ドパを長期服用している患者さんが、急激に減量または中止した場合、高熱や意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック状態などの悪性症候群が現れる場合があり、予防が大切です。

また、Lドパの薬効時間が短縮して服薬時間と連動する形で生じる日内症状変動(wearing-off現象)やジスキネジアなどの運動合併症、精神症状(幻覚・妄想など)といった副作用なども起こりえます。

こうしたLドパ長期治療に伴う運動合併症(wearing-off現象やジスキネジアなど)の防止の立場から、ドパミン作動薬を用いた治療の導入や、治療早期からのLドパとドパミン作動薬の併用療法を推奨する意見も多くなっています。

また、深部脳刺激療法(Deep Brain Stimulation:DBS)と呼ばれる脳外科手術も行われることがあります。DPBは、脳の視床下核に細い電極を埋め込み、電気信号を送ることで、運動異常をコントロールする手術法のことを指します。

脳に埋め込まれる電極は頭の2ヶ所から挿入され、胸に埋め込んだパルス発生器から、電流が流れる仕組みになっています。この発生器は、電池を5年ごとに交換すれば、半永久的に効果が持続するといわれています。

DBS手術は、患者さんにも震えの状態を確認してもらいながら手術が進行するため、局所麻酔下で行なわれます。具体的な手術の流れとしては、まず、フレームと呼ばれる器具を頭に装着し、固定します。続いて、事前に撮ってあったMRIによる画像を参考にしながら(あらかじめ、画像をもとに脳内の目標点の位置を1mm単位で正確に測定します)、頭部の左右に開けた穴から、仮の3本の電極を挿入します。目標は、わずか8mmの大きさの視床下核です。

そこから発生する微量の電気信号を電極から読み取り、神経細胞の活動を確認します。この活動の最も活発なポイントが震えを止めるポイントになります。次にその最良のポイントに脳深部刺激電極を挿入し、電気を流します。最後に、全身麻酔下で、電気の発生器を両側の胸に埋め込みます。

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