山口県美祢市の中国自動車道下り線で5日発生した死傷事故で、お笑いタレント「桜塚やっくん」(本名・斎藤恭央やすおさん)(37)(東京都渋谷区千駄ヶ谷)の死因は心臓破裂などだったことが、山口県警高速隊の調べで明らかになった。事故当時、桜塚やっくんがワゴン車を運転していたことも分かった。

どぉなっちゃってんだよ
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山口県警高速隊の発表によると、同乗者のうち死亡したもう1人は砂守孝多郎さん(55)(埼玉県所沢市御幸町)で、死因は外傷性ショックだった。

この事故では、桜塚やっくんら計5人が乗ったワゴン車が中央分離帯に衝突、追い越し車線に止まった。桜塚やっくんと後部座席の砂守さんは自力で車から出た後、別々の後続車にはねられた。ワゴン車に乗っていたのはバンドの関係者で、6日に熊本県内で開催されるコンサートのために移動中だったという。
(桜塚やっくんが運転、死因は心臓破裂など)

心破裂とは


心破裂(心臓破裂)を含む心外傷は最も緊急度が高い外傷の1つであり、迅速な診断と治療が重要となるります。受傷機転から刺創や銃創などの鋭的(穿通性)損傷と交通外傷や墜落外傷などの鈍的(非穿通性)損傷に分類されます。

形態学的分類の日本外傷学会心損傷分類では、

・I型:心膜損傷型
・II型:非全層型
・III型:全層型

に分類されています。
 
病態として、心破裂などで大量出血による循環血液量減少性ショック、心タンポナーデによる閉塞性ショック、心筋の広範な挫傷と不整脈、弁・腱索などの損傷から心原性ショックを呈します。

心破裂の治療


治療としては、以下のようなものがあります。
心タンポナーデ(心膜腔に液体あるいは稀に気体が進行性に貯留した状態)になった場合、速やかな心嚢内の血液の排除で心嚢穿刺、心嚢ドレナージ、心嚢開窓術あるいは開胸による心膜切開を行う必要があります。

10−20mL程度の血液の排除でバイタルサインは改善することが多いですが、根本的な治療までの一時的な手段であり、その後、外科的手術が必要となります。多くの心破裂、心刺創は単純縫合で閉鎖が可能です。

また、受傷時に心電図変化を認めたら24−48時間は心電図をモニターし、循環動態の安定をはかる必要があります。また、血圧が不安定であれば、薬剤投与あるいはIABP(大動脈内バルーンパンピング)、PCPS(経皮的心肺補助装置)も考慮します。弁損傷や心室中隔穿孔など内科的にコントロール不能な心不全は開心術の適応となります。

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