医療相談室
歯科医院で左上の奥歯を抜歯後、頬の痛みや腫れに悩まされています。大学病院で骨髄炎と診断され、抗菌薬と痛み止めで約2ヶ月間治療しても、歯の奥に響くような鈍痛が続きます。歯茎には硬い腫れ物が数か所あります。(45歳女性)

という相談が寄せられていました。



この相談に対し、慶応大病院歯科・口腔外科講師である莇生田(あそだ)整治先生は以下のようにお答えになっています。
口腔内に生じる骨髄炎は「顎骨骨髄炎」と呼ばれ、顎の骨の中心にある骨髄や周囲組織に炎症が波及して起きる病気です。治りにくく、多くは虫歯や抜歯後の細菌感染が原因です。

病気の進行度により症状は異なりますが、通常は歯や骨の深部に痛みが生じ、歯茎が腫れて膿うみが出ます。

治療は、原因菌に対する抗菌薬を数か月投与し、必要があれば切開して膿を排出します。改善が見られる場合は、炎症を起こしていた骨が壊死えしして「腐骨」となり、徐々に周囲の健康骨から分離するため、切開して取り除きます。

それでも効果が得られない時は、外科的治療の併用を検討します。炎症を起こしている骨を削ったり、血流を良くして抗菌薬が到達しやすいように、骨髄の外側を覆う「皮質ひしつ骨」に穴を開けたりします。

「顎骨骨髄炎」に対する治療が必要なようです。この治療としては、抗菌薬・切開による排膿が必要なようです。それでも治療が困難な場合は、骨を削る、などの外科的な切除が必要なようです。さらに、相談された女性の病状は、さらに以下の様なことが考えられるそうです。
ご質問者の歯茎の硬い腫れ物は、膿と腐骨に接する骨が体を守ろうと硬くなった「骨柩(こつきゅう)」かもしれません。病状が長期化する可能性が高く、痛みの治療や外科的治療の検討が必要です。

また、上顎の骨は下顎に比べて「皮質骨」が薄く血流が豊富なため、骨髄炎が通常起こりにくい部位です。糖尿病や貧血などの持病や、顎骨壊死の副作用が出ることがある骨粗しょう症治療薬ビスフォスフォネート製剤の服用の有無など、別の要因についても調べる必要があります。

口腔外科専門医のいる診療機関で相談されると良いでしょう。

可能性として、
1) 骨髄炎が治ってない。
2) 「骨柩(こつきゅう)」が形成されている。
ということのようです。

まずは「口腔外科」のある病院へ受診されることが必要なようです。