幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患・統合失調症。お笑いコンビ「松本ハウス」のハウス加賀谷さんはかつて統合失調症を患い、一時活動を休止。その後、入院などを経て症状を乗り越え、コンビ復活にまで至った。そんな加賀谷さんが『統合失調症がやってきた』(イースト・プレス)を出版。同じ症状を持つ人や、医学界からも注目されているという。相方の松本キックさんとともにその反響を明かした。

統合失調症がやってきた
統合失調症がやってきた

――反響はいかがですか?

松本キック:同じ統合失調症の患者さんやご家族の方から「共感する」というメッセージをいただいています。

加賀谷:精神科医のお医者さんからも「良い本ですね」とご感想いただくんですよ。

キック:日本統合失調症学会という大学教授や医療関係者が400人ぐらい集まっている前で、加賀谷が経験したことを講演させてもらいました。司会の方に「時間が余ったんでネタやりませんか」と言われたんですが、それはさすがにと思って(笑)、「次の機会にお願いします」と断って、楽屋に戻ったんです。そしたらまた司会の方が来られて「スタンドマイクがないので、ハンドマイク2本で大丈夫ですかね」って、いつの間にかやることに決めてきたんやと(笑)。しょうがないからやりましたよ。

加賀谷:でも「ホラー映画」という僕がウオーと叫ぶネタだったのがまずかった。

キック:加賀谷が叫ぶたびに何人かの先生がメモを取っているみたいなんですよ(笑)。なにかの症状かと(笑)。たぶんあれ、カルテですわ。

加賀谷:突然だったんで、後半「あわわ」となったらまたなんか書かれて(笑)。僕の持ち味なんですけれど。

キック:あんな視線味わったことなかったで。

加賀谷:僕は味わっていますよ、診察のときに。診察の雰囲気でした。
(ボケを見て医師がメモ 松本ハウスが学会で異様な漫才)

統合失調症とは


統合失調症とは、思考・情動・意欲など人格全体に障害が及ぶ精神疾患を指します。妄想、幻覚、思考障害、緊張病症状、奇妙な行動などの陽性症状と、感情鈍麻、無感情、無欲、自閉、快感喪失などの陰性症状を示します。

いくつかの亜型があり、DSM-犬ICD-10では診断基準が設けられ、妄想型、解体型、緊張型、鑑別不能型、残遺型の病型に分けられています。

統合失調症は思春期に発症することが多く、年代・地域・性差を問わず有病率が約0.7〜0.8%とされています。脳の器質的因子が病因に関連していると想定され、さまざまな生物学的研究がなされています。

病因は不明ですが、現在統合失調症の薬物治療に用いられる薬物のほとんどがドパミンD2受容体遮断薬であり、かつ受容体遮断活性と臨床投与量の間には良好な関係があるため、統合失調症の病因には中脳辺縁系や中脳皮質系のドパミンD2受容体の過剰興奮が関係していると推測されています。その中でドパミン過剰仮説などが提唱されて研究されています。

症状としては、特に聴覚領域にみられる幻覚(幻聴)およびこれに対する本人の許容的態度がみられます。また、周囲で起こることに対する、自分に関係づけての奇妙な(多くは被害的な)意味づけ(妄想知覚)などもみられます。

幻覚について記載されている「Schneiderの一級症状」には、次のようなものがあります。
1)思考化声:自分の考えていることがそのまま声になって聞こえてくる。
2)対話性の幻聴:聞こえてくる声と対話が成立する。ただし、これにはもう1つのタイプがあり、自分のことを噂して話し合っている複数の声が聞こえてくる、という型もある。
3)自己の行為をそのつど批評する声
4)身体への被影響体験
5)思考奪取:自分の考えが抜き取られる。
6)感情面や意欲面への被影響体験など

これらの特徴をもった症状が現れます。

ほかにも、意志、感情、行動の領域における他者からの直接的な被影響体験、その他自分の精神の働きに、実体のない他者が介入すると体験される自我障害の徴候などがみられます。精神運動性興奮、昏迷、わざとらしい表情、姿勢など(緊張病症状)もみられます。

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