京都市は18日、京都市南区の飲食店「海転寿司魚河岸店」で飲食した同市の40代の女性が腹痛を訴え、胃から寄生虫「アニサキス」が見つかったと発表した。

女性は快方に向かっているという。市は食中毒と断定し、同店に同日中の営業停止命令を出した。

市によると、女性は10代の息子とともに、14日午後6時ごろに同店を利用しサーモンやサンマ、ウニなどを食べ、同7時ごろに腹痛などを訴えたという。

アニサキスは、魚介類に寄生する寄生虫の一種。厚生労働省が平成11年にアニサキスを食中毒の原因と指定して以降、京都市で確認されたのは初めて。
(寄生虫「アニサキス」で食中毒 京都市で初確認)

アニサキス症とは


アニサキス症は内臓幼虫移行症の一つであり、生きたアニサキス亜科幼線虫を含む海産魚介類を摂取後、これらの幼線虫が消化管壁に刺入することにより発症します。本症は、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸の全消化管において発症しますが、胃の頻度が高いです。

ちなみに、こんな形してます。

画像:アニサキス wiki

原因となる魚介類のうち日常よく遭遇するのは、サバ、イカ、アジ、イワシ、サンマ、タラ、カツオなどです。アニサキスの成虫はイルカ、クジラ、アザラシ、トドなどの海棲ほ乳類の胃に寄生する。海水中に糞とともに放出された虫卵は、第2期幼虫となりオキアミ類に摂取され、次いでタラ、イカ、サバなどに捕食され第3期幼虫へと発育します。

ヒトのアニサキス症の発症は、第3期幼虫の寄生している海産魚類を生の状態で摂取することによりヒトの消化管に遊離し、胃壁などの消化管壁に刺入します(激痛です)。

アニサキス症の発症には、虫体の消化管刺入に伴う即時型アレルギーが関与していると考えられています。病変部の病理学的所見としては、好酸球の浸潤、浮腫、充血、出血などがみられます。

胃アニサキス症は原因食品摂取から2〜8時間で発症することが多く、心窩部に差し込むような痛みが出現し持続します。悪心、嘔吐を伴うこともあり、時に下痢、じん麻疹、吐血を認める。腸アニサキス症は、原因食品の摂取後、数時間-数日後に差し込むような痛みが臍部を中心に出現し、悪心、嘔吐を伴います。

虫垂炎、腸閉塞、腸穿孔などと誤診されて急性腹症として開腹手術を受けることがあります。腸管外アニサキス症は、消化管を穿通し消化管以外の臓器に迷入し、さまざまな症状を起こします。肺、胸腔、肝、リンパ節、腸間膜、腹腔、皮下など体内のあらゆる所に認められます。

また、アニサキス症は症状の強さで軽症型と劇症型に分けられる。軽症型は初感染時の虫体の刺入による機械的刺激の症状ですが、劇症型はあらかじめアニサキス抗原で感作されている場合に、再感染を起こし即時型過敏反応により消化管のれん縮と浮腫、肥厚、狭窄などが引き起こされることがあります。

アニサキス症の治療


アニサキス幼虫に対して有効な駆虫薬はありません。劇症型胃アニサキス症の場合、内視鏡下に虫体の摘出を行います。腸アニサキス症では、対症療法を行いながら幼虫が死亡、吸収されることによって症状が緩和するのを待ちます。

イレウス症状を呈する場合は、イレウス管にて減圧することで軽快することもありますが、外科的処置が必要となることもあります。

ちなみに、アニサキス幼虫は熱処理(60℃、1分以上)あるいは冷凍処理(−20℃、24時間)で死滅し予防できます。ただ…お寿司は生で食べたいですよね。

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